ぼくはコロナ渦がこの時期にあったことに感謝しています。

もう少し後なら皆さんやマウイ島とのご縁が完全に砕けかも知れない程、日本人観光客を対象にビジネスをしていた業種は壊滅的だからです。

僕も例外なく、この2年間の合計売上は$2000以下です。

物価の安い日本でも年収10万円では結構シビアですよね。

 

それでも自分の一番提供したいものを提供し続けることが出来るのは、奥さんの働きによるものです。

生活の糧はすべて彼女が賄ってくれています。
僕は家事と雑用をすることで彼女を支えています。


長年連れ添った夫婦は、年に数回の慰安旅行や美味しい食事会などで、日頃の鬱憤を発散することができたり、子供の成長を共に支えることで、お互いの我儘を抑えたりしているところがありますね。

でもそれらには結構お金もかかるので、更に忙しく働かなければなりません。知らず知らずのうちにお互いの心は離れてしまうのも確かです。

 

我が家は、巣立った一人娘が自分たちより稼いでおり、ひと安心しています。

自分達は余裕がないので、どこへも行かず、趣味も持たず、自炊のみで食いつないでおります。

しかしこのことが、夫婦のきずなをとても強くしています。

わがままを言い合うことはなく、労わりあっているのです。

 

災いがなければ、生活に余裕が生まれ、ご縁あって一緒になった夫婦はさらに幸せになるはずなのに・・・現実はどうでしょうか?

 

 

出来ることが一つか二つに制限されると、迷うことなく目の前ことに集中できます。

不幸せって案外選ぶ余裕があることで生まれているのではないかとさえ思います。

 

そういう中でも、沖縄文化センターやククイプカ・へイアウのボランティア活動は続けられています。
趣味として始めたはずの居合道が、ライフワークのようになってしまい、それを教えることも10年以上続いています。


自分の得意とすることを金儲けに使わないでいると、エネルギーは無限に沸き起こってきます。
そのことで、地域社会に根が張れ、1~2年ではなかなか育たない、敬服し合える人間関係が構築されます。
このことは災いが起きた時、身に染みて感じることになり、お金では買えない宝物となります。

 

この地球上の富と言われるものは、26人くらいの人たちが牛耳っていることをご存じだと思いますが、その過程の中で一度も満足出来ないから、そこまで突き進めたはずなのです。
これは人が所有することでは永遠に満足しないことを物語っています。

 

観光業に携わっていた僕が言えることでないのですが、気を紛らわすだけの如何なるイベントも、その場しのぎの一時の夢は見せてくれるものの、

持続する幸福感(満足感)は与えてはくれません。

もし環境破壊で絶滅する生き物たちを哀れに思ったことがある方なら、巨大な飛行機であちこち飛び回り、清潔で便利なものを使い捨て、豪勢に盛られた食事が残されて捨てられていることを目の当たりにするのは嫌なはずです。

 

ならば数々のエンターテイメント、リフォームの様な生活のアップグレード、そういった人間の感情や欲が、それらの大きな原因の一つだと気づいているはずです。
気付いているのに、なぜ行動を変えないのでしょう。

 

コロナは僕に多くの気付きをくださいました。

僕の妻も娘も先週感染し、いま回復へと向かっています。
その渦中で、妻が働けなくなったので大変だとか、娘の命は大丈夫だろうかと、うろたえることはありませんでした。それは強い精神の持ち主だからではなく、自分の身に降りかかる災いそのものが、人生を豊かにしてくれていると気付けたからなのです。

 



収益と散財、所有と執着。これらの度が過ぎたことで、人間だけに限らない、世の中の不幸を生み出しているのです。

どの道を選んだとしても、人生を手放しで楽に生きることなど端からできません。

試行錯誤した挙句、あわよく世の中の成功者になれても、結局みんな死ぬのです。

皆さんどうか将来を思い悩まないでください。

過去を後悔しないでください。

 

目の前で起こることに、あなたが出来る力で対処し、結果、周りの方々が少しでも幸せを感じたなら、人生はそれで十分だということに一日も早く気付いてください。


それ以上の余裕があれば、助けを必要としている者へ、お金でも時間でもアイデアでも愛情でもなんでも分けてあげてください。

 

そうすれば幸せを感じながら、苦しみを乗り越えられることを実感するはずです。

4月にお届けする作品は、この心境で作る作品になります。
 

皆さんが少しでも幸せな気持ちになれるようなものを作ります。

お楽しみに!