少し前にアメリカ人の友人から、ハレアカラで野鳥のガイドをする人を探していると言われた。
僕が適任者だと思ったらしく、先方に紹介してくれたそうで、話だけは聞いてみようと月曜日に電話をした。
電話に出たのは優しい声の女性で、連絡を喜んでくれた。
僕は観光の世界から徐々に距離を置こうとしていることを正直に伝え、それでも何か可能性を見つけようと話し始めた。
ガイドの場所はホスマーグローブという標高2千メートルにある人工の遊歩道で、そこにはネイティブの野鳥がたくさんいる。
新月の日の早朝に野鳥撮影をしに行く時があり、最近グループの話声が以前に増してすることに気が付いていた僕は、それがそのガイド会社であることを知った。
お話しできたことに感謝を伝え電話を切り少しの時間考えた。
そして紹介してくれた友人にメールを送った。
「紹介してくれてありがとう、先程電話をして説明を聞いたけど、やらないことに決めたよ」
と謝りのメールを入れた。
野性と繋がる行為にはレベルがあって、深いレベルで繋がろうとするとき、一番それを阻害するのは観光ガイドと観光客なのだ。
とくに自然の音を録ろうとするとき、そこへ多くの人々が移動すれば、雑音や騒音を立てるから、邪魔されることになっている。
エンジンを積んだ乗り物と、ドローンのように音を立てる機材、そして言葉を話す人間達が来ると、田畑をイナゴが食い荒らすように、音の調和をこわしてゆく。
本人たちはエコツアーという印籠があるのでさぞかし良いことをしているような気になっているからなおたちが悪い。
コロナ渦で約一年間、静寂と調和をなまじ知ってしまった僕は、もう元には戻れないのだろうか・・
