財政再建とは何だろうか? | 財政再建は終わりました

財政再建は終わりました

主に経済関連について不定期更新します。

「財政再建を問う-財政赤字よりも大切なこと」という143ページにわたる長い資料が2万viewを超えた記念に資料の解説ブログをしたいと思います。
概ね資料の目次に沿って解説していきます。
解説は不定期更新です。

 

さて、世界中どこでもそうですが、財政再建の名をかたらずして経済を語れないという風潮があります。財政を立て直すために歳出カット増税などの緊縮財政から、経済成長による税収の回復などなど。

私のような庶民からすると、「そもそも財政再建って何ぞや」ということを思う方も少なくないかと思います。

財政再建ってなんだろうか?と思いつく限り挙げてみます。

  • 債務を全て完済すること。
  • 財政収支を黒字にすること。
  • プライマリーバランスを黒字すること。
  • 名目GDP成長率が名目利子率を上回ること(ドーマー条件を満たすこと)。
  • 債務残高対GDP比率を収束させること。

私が思いつく限りではありますが、それ以外の意見も以上の5つに尾ひれがついて様なものだと思います。
財政再建を定義しないままに話を進めても話があちこちに飛んでしまいますので、ここで定義してしまいましょう。

 

財政再建=財政の維持可能性

 

つまり、「財政の維持可能性を保証できるような財政運営をして行きましょう」ということです。

財政破綻しないように財政運営しましょう」ということでもあります。

じゃあ、財政破綻を定義しなければならなくなります。

 

ラインハートとロゴフの共著である『国家は破綻する』には以下のように定義されています。

  • 政府が対外債務または国内債務またはその両方の返済を怠ること。

財政破綻とは「債務の返済ができなくなること」ということになります

債務を借換し続けられなくなったら財政破綻とも言えますね。

 

次に、IMFのチーフエコノミストであるオリビエ・ブランシャールは以下のように定義しています。

  • 政府債務の対GDP比を安定的に推移させながら、現在の財政政策態度を維持できるとき、財政は維持可能である。

税率を⼀定にしたままで、債務対GDP比が発散する状態を財政破綻ということです。これをブランシャールの定義といいます。

図示すると以下のようになります。

債務対GDP比率が上昇しすぎるといつか破綻するかもしれないという仮定の話です。

例えば、債務対GDP比が1万%を超えたら流石にヤバいかもしれません。じゃあ、何%くらいがちょうどいいんですか?という話になりますが、ここではおいておきましょう。

 

おさらいすると、

  • 財政再建とは財政の維持可能性を保証するような財政運営を行うこと。
  • 財政破綻とは債務の返済が滞ること(借換できなくなること)。
  • 財政破綻とは債務対GDP比が発散すること。

今回は資料の7ページまでです。

次回はフローとストック、グロスとネットなどについて書きます。

 

以下は参考文献です。