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アフリカ睡眠病の新薬開発が進行中

アフリカ睡眠病はサブサハラアフリカ地域で広がる感染症の一つで、世界の最貧困層を苦しめてきたが、英国のダンディー大学の熱帯病のための新薬開発プログラムがついにその新薬開発に成功するかもしれない。


WHOによると、アフリカ睡眠病はアフリカの36カ国に広がり、年間6万人が感染している。NTD(顧みられない熱帯病:Neglected Tropical Disease)の一つで、世界の人口の6分の1に影響を与える可能性があるにもかかわらず、保健分野において注視されてこなかった感染症である。同病はツェツェバエが媒介する寄生性の感染症で、寄生原虫が広がることで中枢神経系を攻撃し睡眠障害、さらには昏睡状態を引き起こし、治療を受けなければ死に至らせる病である。


ダンディ大学のウィアット教授は、原虫による寄生の過程を弱める酵素を識別したと発表した。この新薬の臨床試験にはなお1年半から2年かかることとなるが、同教授はこの新薬はアフリカ睡眠病の治療に重大な影響を与えると確信している。これまで同病の治療法としては主に静脈注射によって行われてきたが、この新薬は経口薬となるため、インフラ設備の整わないアフリカの村落部に暮らす人々のアクセスを高めることとなるだろう。


(出典) MediaGlovbal (New York) , 15 Apr 2010
<http://allafrica.com/stories/201004160659.html >


ウガンダ:バンツー諸語とアラビア語の関連性

アラビア語とバンツー諸語にさまざまな類似性があることを、ウガンダの首都カンパラに拠点を置くデニス・アシイムウェ博士(Dr. Dennis Asiimwe)が先週マケレレ大学で開かれた学会で発表した。


アラブ文化の影響は、アラビア語とバンツー語が合わさる形で作られたスワヒリ語が話される東アフリカ、中央アフリカ地域に限定されていたが、今回の研究ではアラビア語とウガンダ語、ニャンコレ語の間で多くの言語的イントネーションの類似性が発見された。


植民地化される以前のアフリカでは、おそらく1万以上の多様な国家や政治組織があっただろうとの見方がある。ただ、これらの集団で使われた言語のほとんどが書き言葉を持っていなかったために連続性と画一性が欠如することとなり、これだけ多くの組織分化が起こったと見られている。


この研究は、アラブとウガンダの間で公式な交流が初めて行われたとされる1844年よりもかなり前から、ブラック・アフリカをアラブ人が支配していた可能性があることを示唆している。この研究発表に対し、「ウガンダの歴史に対して新たな見方をもたらすものだ。これまで、アラブ人は19世紀半ばにブラック・アフリカの特定の地域のみで奴隷貿易を行っていたと見られており、ブガンダ王国の奥深くまでは来ていなかったと考えられてきた。」との意見が寄せられた。


「歴史の見直しが『アフリカの国家の危機』の解決を助けることとなるだろう」と同博士は話した。


(出典)The Monitor (Kampala) , 5Apr 2010
<http://allafrica.com/stories/201004051130.html >

ジンバブエ:コレラの発生に対し国連の誤りのない対応を期待

コレラの大規模な発生が2003年以来散発的に起こっているジンバブエでは、コレラの感染が人々を苦しめている。同国は、長期的に不安定な政治情勢、厳しい食料不足、および男性の平均寿命が37歳という苦しい状況に苛まされている。WHOの2009年の推計値によると、同国でコレラの感染が疑われる件数は7.9万件に上る。


コレラは、水系感染症の一つで、衛生状態が悪いところでは人から人へと簡単に感染する。ただし、抗生物質と十分な水分補給があれば死を抑制できる。


しかし、同国では過去にムガベ政権と国連がコレラの発生を軽視し、感染が深刻化したことがある。2008年11月に同国の保健省の幹部が匿名で「国内でのコレラによる正確な死亡者数の報告を止められている」と新聞のインタビューで答えた。他方、国連は2008年に感染が広がり始めて随分経った後に、支援が必要なコレラの感染件数は2000件と発表したが、そのわずか2ヵ月後には死亡者数はその数を超えていた。当時ジンバブエで勤務していた国連職員の一人は、国連が早期に介入していたら2008年に大惨事となったコレラの感染拡大を減らすことができたと話している。


同国は保健や衛生管理施設の衰退と安全な水の不足から、コレラの感染を引き起こす潜在的な要素を抱えていることが指摘されている。



(出典)MediaGlobal (New York), 1Apr 2010

http://allafrica.com/stories/201004020745.html

ケニア:160万人に食料支援が必要

昨年の降雨量不足による収穫量の減少で、ケニアでは食料不足が続いている。海岸部のクワレ、キリフィ、マリンディ県では、降水量不足が続くなか、3月から5月も悲観的な降水量が予想される。


先週、キバキ大統領が、国内での長引く旱魃を国家的災害と称したが、ケニアの他の地域では食料供給が改善してきており、完全に悲観視するものでもない。2007年に始まった食料支援は最大で昨年の380万人から160万人にまで減少した。雨期に入れば食料供給は改善するだろうとの気象庁による楽観的な見方もある。


他方で、ケニアの穀物庫であるリフト・バレー州では、激しい降雨で多くの道路の通行が遮られ、何百万ケニア・シリング分もの穀物が腐っていっている。


(出典)Daily Nation, 1 Apr 2010
<http://allafrica.com/stories/201004010965.html >

西アフリカ:世界銀行がアビジャン・ラゴス間のインフラ整備を承認

24日、コートジボワールのアビジャンとナイジェリアのラゴス間の貿易・輸送促進プロジェクトの第一フェーズのために、世界銀行が総額2億5800万米ドル融資することが発表された。このプロジェクトで両都市間に幹線道路が延びるとともに、税関や入管およびそのためのシステムが設置され、両都市間にあるコートジボワール、ガーナ、トーゴ、ベニン、ナイジェリアの5カ国の人の移動と貿易が促進される。


998.9kmに及ぶ湾岸の幹線道路は、アフリカ内で最大規模かつ経済活動が活発な首都(アビジャン、アクラ、ロメ、コトノウ、ラゴス)を結ぶものであり、この道路の一部区間では西アフリカおよび中央アフリカで最大規模の交通量を抱えることになると見込まれる。


今回のプロジェクトで、港湾での輸送と貿易の障壁をなくし、西アフリカ地域の輸出入および経済発展の促進が期待されている。


(出典) This Day, 25 March 2010
<http://allafrica.com/stories/201003250437.html >