アフリカ睡眠病の新薬開発が進行中 | African news -アフリカの国々のニュースをピックアップ-

アフリカ睡眠病の新薬開発が進行中

アフリカ睡眠病はサブサハラアフリカ地域で広がる感染症の一つで、世界の最貧困層を苦しめてきたが、英国のダンディー大学の熱帯病のための新薬開発プログラムがついにその新薬開発に成功するかもしれない。


WHOによると、アフリカ睡眠病はアフリカの36カ国に広がり、年間6万人が感染している。NTD(顧みられない熱帯病:Neglected Tropical Disease)の一つで、世界の人口の6分の1に影響を与える可能性があるにもかかわらず、保健分野において注視されてこなかった感染症である。同病はツェツェバエが媒介する寄生性の感染症で、寄生原虫が広がることで中枢神経系を攻撃し睡眠障害、さらには昏睡状態を引き起こし、治療を受けなければ死に至らせる病である。


ダンディ大学のウィアット教授は、原虫による寄生の過程を弱める酵素を識別したと発表した。この新薬の臨床試験にはなお1年半から2年かかることとなるが、同教授はこの新薬はアフリカ睡眠病の治療に重大な影響を与えると確信している。これまで同病の治療法としては主に静脈注射によって行われてきたが、この新薬は経口薬となるため、インフラ設備の整わないアフリカの村落部に暮らす人々のアクセスを高めることとなるだろう。


(出典) MediaGlovbal (New York) , 15 Apr 2010
<http://allafrica.com/stories/201004160659.html >