42 男性立像

コートジボワール バウレ 木 

Male figure Cote d’Ivoire, Baule

 

バウレはアカン語を話す人々の仲間で人口40万人の大民族である。アシャンティの人々とは300年ほど前に分かれたと考えられている。マスクや立像も多くが存在し、宗主国であったフランスの影響があるコロン人形と呼ばれる彫刻も多数残っている。これは注文による男性像で、まだフランスの影響がない時代のものである。バウレらしいオリジナルのデフォルメがされていて、体つきや顔つきに特徴があり好ましい。これと同じ表情のもので、同じ作者のものと思われる4人の座像が、「ART OF AFRICA」に所載されていて1910年にはすでに知られていたとのことである。アフリカでは一般的に職業は世襲制であるが、バウレでは試験に合格すれば彫刻師になることができた。その条件は、今までにないオリジナルの顔を作り出すことであったという。従って、これも1910年以前の作品であると思われる。