111 角のある神像「キシ」

コンゴ民主共和国 ソンゲ 木、毛皮、動物の角、ガラスビーズ、鉄、銅   

“Nkisi” divination figure with horn DEM. REP. of the Congo, Songye

 

ソンゲの立像のほとんどが呪術像で、頭に角を持ち、両手を横腹に当てているポーズである。頭部に埋められた角の元には薬が詰められていた。ソンゲの呪術像は、小さなものは個人や家族のもので、このような中間的な大きさのものは大家族のものと考えられる。立像は、個々に扱われ、それぞれの立像には固有の名前が与えられる。それは、過去の名高いチーフ(王)の名前である。立像は、個々に食べ物や生け贄が供えられたり、清められたりして、その名誉を称えるように扱われる。そして、使われる頻度もそれぞれ異なっている。立像を制作し儀礼をする特別な人は「ガンガ」と呼ばれている。「ガンガ」自身が死ぬと、立像のパワーもなくなると考えられ、新しく立像が用意された。この像は1940年ころ、ベルギーのファンニン宣教師が現地で収集したもので、採集した村の名前もわかっていたが、残念なことに現在はその資料が失われている。