出張の帰りも飛行機に乗る予定で空港まで来る。荷物も預けて搭乗口近くで待っていた。会社の人から電話が来て話をしている時に欠航の案内が来た。
確かに朝イチ天候調査の連絡は来ていたけど、空港は曇り空であるだけで雨は降っていない。到着地側の天候だったのだろうか。
仕方ないのでJRで帰ることにしたが、まずすぐに乗ることができないことに気づく。3時間つ必要があるだけでなく、窓側の席が空いていない。仕方ないので通路側の席を予約する。
空港の喫茶店でパソコン立ち上げ仕事をしていた。隣からはだいぶ歳上の女性3人組の声が聞こえる。
「旅は定年になってからじゃないと楽しめない。」
「仕事をしていたら休んで旅行に行っても心から楽しむことは出来ない。」
確かにそう言っている人は楽しそうだ。自分にはまだ到達できない境地で羨ましかった。
今読んでいる「漂流」も旅である。こちらは行きたくて行ったわけでもないし、帰れるかどうか分からない。そもそも湧き水も米もない。外から来るのは渡り鳥と自分と同じく難破した船で流されてきた人たちだけである。
こんな旅はしたくも無いけど、絶海の孤島でサバイブする人間の底力を感じる。こちらも到達できない境地を感じながらページをめくっている。
