カステルッチのラインの黄金 | Mevrouwのブログ。。。ときどき晴れ

 

Der Ring des Nibelungen

 

Ein Bühnenfestspiel für drei Tage und einen Vorabend

Vorabend: Das Rheingold

Text und Musik: Richard Wagner

Création Festspielhaus, Bayreuth, 13.8.1876

 

Direction musicale ALAIN ALTINOGLU

Mise en scène, décors, costumes & éclairages ROMEO CASTELLUCCI

 

Dramaturgie CHRISTIAN LONGCHAMP \Collaboration artistique MAXI MENJA LEHMANN Collaboration aux décors PAOLA VILLANI Collaboration aux costumes CLARA ROSINA STRAßER Collaboration aux éclairages BENEDIKT ZEHM Chorégraphie CINDY VAN ACKER

 

Wotan GÁBOR BRETZ

Donner ANDREW FOSTER-WILLIAMS

Froh JULIAN HUBBARD

Loge NICKY SPENCE

Fricka MARIE-NICOLE LEMIEUX

Freia ANETT FRITSCH

Erda NORA GUBISCH

Alberich SCOTT HENDRICKS

Mime PETER HOARE

Fasolt ANTE JERKUNICA

Fafner WILHELM SCHWINGHAMMER

Woglinde ELEONORE MARGUERRE

Wellgunde JELENA KORDIĆ

Flosshilde CHRISTEL LOETZSCH

 

Orchestre symphonique de la Monnaie

Production LA MONNAIE Coproduction GRAN TEATRO DEL LICEU (Barcelona)

モネの新演出ラインの黄金

歌手陣はすこぶる良い!
恐る恐るカステルッチの幕開きを見たが、いい意味で裏切られた。
気持ちよく謎に包まれて行く感覚。
いつもの爬虫類っぽさとかはない。

コンセプトとしては、ワルハラは地獄に通じているというような印象だ。

 

幕が開くと真っ暗ななかに大きな輪が床に転がってきてそれがゆっくりユワンユワンと回りそれがだんだん早く低くなりバシンと止まると演奏が始まる。

まさに、輪なのである

そしてライン川は暗闇。
うっすら浮かび上がるのが金粉ショーかC3POかという3人の黄金の裸体。 

ラインの乙女はきっとスタイルが良い人を選んだのだろう。

アルベリヒは降ってくる細かい粉(氷?)にまみれそれから水浸し。
その後舞台には裸体の男女が大勢転がり出てまるでヒトの絨毯のような感じ。

ヒトは寝そべっているがうねうねとうごめいている。

最初ヴォータンとフリッカは黒い衣装で黒い王冠をつけて、人の絨毯の上を歩きにくそうに舞台の前に出てくる。
神さまなのだ。

そしてローゲのキャラクターがよくできている。

まるでミシュランマスコットが服を着てるような人で、ひょうきん。

手品のようなマネをして黒い粉が出てくる卵のようなものを取り出しては往年のラインの黄金の舞台を演じた歌手の大判のポスターに投げつける。イタズラ坊主で太っちょなのに身軽に動いて見せる。皿をペロペロ舐めるのはどういうことかわからないけど。ヴォータンと一緒にアルベリヒを懲らしめるときだけ白いガウンを着てそのほかは赤い繋ぎの短パン。

巨人族が出るシーンはサイズの違いを表したかったのか神々と同じ衣装を着た子役たちが登場し、歌は舞台袖で歌いそれに合わせて演技と口パクをする。

肝心のヴォータンたちの声が聞こえにくいのでこれはやりすぎじゃ無いかと思った。

それから巨人族の正体は大きなワニで天井から吊られている。

ミーメの工房では本当にメタルで大きな輪を作っている。

隠れ頭巾も輪

ネズミに化けてしまって捕まえられ指輪も取られてしまうシーンは全裸に墨汁のようなものをかけられて大きな輪に吊り下げられている姿でこれはしんどいだろうなと。すごいなこの歌手。アムスでマクベスうたってたらしい。記憶になくて申し訳ない。

 


ヴォータンはすでにアルベリヒに呪われて頬に真っ黒な手の跡をつけられる。

その後アルベリヒは黒い星を渡され退場し後ろの壁に星を貼り付けるのはなぜか不明。

ヴォータンのガボール・ブレッツもフリッカのルミューも良かったのだが、他の歌手が特徴ありすぎて目立たないのがいささかはがゆい。

そしてラストのワルハラ入城は舞台中央の大きな穴に1人ずつ後ろ向きに手を横に広げて堕ちて行く。なんだかカルメル派修道女の最後でギロチンにかけられて行くようなシーンに見える。これはすごく練習したんじゃないかな。難しそうだった。


 

さてワルハラは奈落なのであるから、今後明るい展開は望めないのだが、ワルキューレがどこまで不気味になるか、楽しみになってくる。