というタイトルのエッセイを読んで。
ロッテルダム近郊のターミナル駅で起きた事故についてのことなんだけど、
いわゆる終点で車両を線路の端(これがまた高架になっている)まで運転して置いておくはずが、
それを乗り越えてその先にあったクジラの尾のオブジェに乗り上げてしまったという事件があったのだ。
写真を見ただけだと、「電車がクジラの尾に乗り上げた姿のオブジェ」だと思ってしまうのだが、ちがう。
運転手がなぜ最終地点で止まらずに車止めを乗り越えてクジラの尾にのってしまったのかは定かでない。
いずれにせよ運転手はクジラの尾のおかげで落下せず、かけつけた消防に救われ助かった。
クジラの尾のオブジェを作った芸術家は「このオブジェが丈夫な素材でできていたので人の命が助かってよかった」と述べたとのこと。
なぜクジラかというと、20年前にこの終点の場所にアートをしつらえたいという話が市でもちあがったとき、
もっとも「環境保護」に沿った象徴がクジラであった、ということらしい、と、このエッセイに書いてある。
ロッテルダムのベッドタウンであるこの街は、かつては農業地帯であったが、急激に開発されて家が建てられたという。
そしてオブジェは「なにかあってはいけない」ということで頑丈なグラスファイバー製であった。
それで、電車が乗り上げても壊れず、人命が救われることとなった。
これは偶然がいくつもかさなった事象ではあるが、もしかして、奇跡?と思ってしまうではないか。と。
運転手はヨナ以来のクジラから生還した「祝福された」人間かも?
コロナのさなかの珍事であった。
パンデミックは偶然がいくつもかさなったことだと思う。
そしてそれは、誰も、誰も、思い描くことは決してなかった状況を生み出している。
奇跡
その偶然の折り重なりに翻弄されている自分たち。
だけど、このパンデミックからまた蘇ることができるんじゃないだろうか?
そしてそれはもしかして奇跡に近い???