【ご法門】「 法花経(ほけきょう=法華経)に わが煩悩(ぼんのう)を 上(あげ)て見(み)よ 楽(らく)になること それはうけあひ 」【御題】「 めをまはすならまはせとて 」【御指南】「 ほしきがやめば楽也(らくなり) 此止(これや)むは仏説聴聞(ぶっせんちょうもん)にてやむ也(なり) 」【御指南】「 末代(まつだい)の愚人(ぐにん)は解(げ)せず 故(ゆえ)に良薬信行(りょうやくしんぎょう)を口唱《(くしょう=御題目の南無妙法蓮華経を声に出してお唱えする事)》 せしむ 忽(たちま)ち三毒三徳利生(さんどくさんとくりしょう)を蒙(こうむ)る  」⇒ このご法門は令和3年夏季参詣第30日目で8月16日ご法門と同じです。こちらもご確認ください。【御法門集大意】「 煩悩に打(う)ち勝(か)ち、ご信心(しんじん)のために身体、時間、財産(からだ・じかん・ざいさん)を捧(ささ)げてご覧(らん)なさい。『 何故(なぜ)そこまで 』と、御信心を知らない人は驚(おどろ)くかもしれませんが、信心決定(しんじんけつじょう)すれば欲(よく)を満(み)たすために齷齪(あくせく)することもなくなり、必(かなら)ず心(こころ)が楽(らく)になって心配(しんぱい)しなくてもご利益(りやく)で全(すべ)て都合(つごう)よく暮(く)らしていけることを御宝前(ごほうぜん)が、お約束(やくそく)してくださっているのですとお示(しめ)しの御教歌(ごきょうか)です。 」 【引証の御指南】 「 唱(とな)へ徳(どく)、参(まい)り徳。勤徳(つとめどく)といふことあれば 此(この)うらは損也(そんなり) 」 ➡ 煩悩とは ①貪欲(とんよく=有るが上にもまだまだ欲しがるむさぼりの心)、 ②瞋恚(しんに=自分の思い通りにならない事から起こる怒りの心)、 ③愚痴(ぐち=道理を弁(わきま)えないおろかな心) などのこころを我々凡夫(ぼんぶ)は持ち合わせています。人は生まれたその時から生きて行く為に本能的(ほんのうてき)に五欲煩悩(ごよくぼんのう)が備(そな)わっているそうです。これが無(な)いと生(い)きて行(い)けませんし、子孫(しそん)も残(のこ)せず絶(た)えてしまいます。五欲とは、 ①色欲(しきよく=男女の性的な欲望で、なければ子孫は出来ず、ありすぎると家庭・信用・仕事・地位・名誉等社会的な総てのものを損(そこ)なうことになる欲望) ②食欲(しょくよく=水や食物を取らなければ生命を維持出来ませんが、取り過ぎたり偏(かたよ)ると肥満(ひまん)や病気(びょうき)の原因となり健康(けんこう)を損ね寿命(じゅみょう)を短(みじか)くします) ③財欲(ざいよく=生活する上で多少のお金が欠かせないので何とかして稼(かせ)ぎ出さなければなりませんが、度が過ぎてお金を得る事に執着(しゅうちゃく)すると犯罪(はんざい)や人の道(みち)からはずれます) ④睡眠欲(すいみんよく=睡眠を取らなければ死に至(いた)ります。怠(なま)けたりサボるのではなくて適度に休憩(きゅうけい)し、睡眠を取って健康を維持する必要があります) ⑤名誉欲(めいよよく=人よりも良くなろう、褒(ほ)められたいとの思いから勉強や努力・精進(どりょく・しょうじん)が必要ですが、執着すると人を押(お)しのけ、嘘(うそ)をつき人間関係を壊(こわ)します)五欲のどれもが適度(てきど)に必要(ひつよう)ですが、有りすぎると我が身を滅ぼし周(まわ)りの人達に迷惑(めいわく)を掛(か)けることになります。煩悩を裁(た)ち切(き)るとか五欲から離れることなく仏道を成就させていただくにはどうすれば良いか?と問われた時の答えが要約すると信心せよという事だと説かれました。即(すなわ)ち当宗の信心に励(はげ)むことは、御題目(おだいもく=南無妙法蓮華経)を毎日朝夕にお唱えし、御宝前のお給仕等お敬(うやま)いの心で行い、お寺の行事など御奉公(ごほうこう)やご有志(ゆうし)に気張って励み、御法門を聴聞(ちょうもん)することです。これ以外に五欲と距離を取り、煩悩を抑える方法は無いぞと説かれています。