【御法門】「 題目 《(だいもく=南無妙法蓮華経の事)》 は 時(とき)にかなへる 法(ほう)なるを 法華読誦(ほっけどくじゅ)は あやまりとしれ 」 ⇨ 題目とは日蓮聖人(にちれんしょうにん)が初(はじ)めて唱(とな)えられた南無妙法蓮華経(なむみょうほうれんげきょう)の事(こと)で、時に叶(かな)えるとは、末法《(まっぽう=佛さまが亡くなられて2000年後、日本では西暦1052年以降の時代(じだい)の事)》 の時代にという意味(いみ)で、法とは法華経の教(おし)えの事です。そして、日蓮系他門流(にちれんけいたもんりゅう)が重要視(じゅうようし)している法華経の経文(きょうもん)を読(よ)み上(あ)げる読誦は、末法の時代にはそぐわないと説(と)かれています。末法の時代に生きる私どもは、上行所伝(じょうぎょうしょでん)の御題目を唱え重(かさ)ねる口唱(くしょう)こそが、ご利益をいただける正(ただ)しい信心の仕方(しかた)であると心得(こころえ)て、しっかりと口唱に励(はげ)むことが肝心(かんじん)とお教(おし)えいただく御教歌(ごきょうか)です。 ➡ 佛(ほとけ)さまは、聞(き)く側(がわ)の人びとの状況・素養(じょうきょう・そよう)に合(あ)わせてその人たちに合う教えを膨大(ぼうだい)な数(かず)、説かれました。そして佛さまご自身(じしん)が本当(ほんとう)に説きたかった教えとして、法華経(ほけきょう)を説かれ、末法の世に法華経を弘める様にと過去のお弟子である上行菩薩他3名 《(じょうぎょうぼさつほか3めい=無辺行・浄行・安立行(むへんぎょう。じょうぎょう・あんりゅうぎょう)菩薩)》 を地中(ちちゅう)から呼(よ)び出(だ)されて、お命(めい)じになられました。そして佛さまのお悟(さと)り・お智慧(ちえ)・お力(ちから)・お徳(とく)の全(すべ)てを込(こ)めて4名の代表(だいひょう)である上行菩薩にお授(さず)けになられました。法華経は約3000年前に説かれましたが、末法に入って今から801年前の日本の鎌倉時代(かまくらじだい)の世に、日蓮聖人がお生まれになり、御題目を唱えられて、御弘通(ごぐづう)を開始(かいし)されました。日蓮聖人は経文に書かれてある事柄(ことがら)が御自身(ごじしん)の身(み)の上(うえ)に起(お)った事と全て符号(ふごう)する事から上行菩薩の再誕(さいたん)であると自覚(じかく)されて、生涯(しょうがい)を法華経の御弘通に尽力(じんりょく)されました。