ちょっと読んでみたい週刊誌を買おうと、近所のスーパーの雑誌コーナーに寄ったら、こんな本を見つけました。
マイクロマガジン社『これでいいのか 千葉県 千葉市』佐藤圭亮・小森雅人・藤江孝次編
サブタイトルは、「ダメさだけが目立つ千葉市の実態とは!?」
表紙のど真ん中、「千葉市」より大きな「ダメ」の文字が刺激的です。
「地域批評シリーズ~これでいいのか○○」は、30冊以上の既刊があるようで、東京の特別区や、横浜市、さいたま市、福岡市、名古屋市などがやり玉にあげられています。それぞれ皮肉っぽいサブタイトルがつけられていますが、こんな露骨なものは他にありません。
まぎらわしいので申しあげておきますが、この本のオブジェクトは千葉「県」ではなく千葉「市」です。
したがって、他都県と比較した千葉県の「ダメさ」とともに、県内の他市との比較での千葉市の「ダメさ」を144頁にわたり、これでもか、と書き連ねています。
普通、県庁所在地の都市は、県内の他の市町村より格上だと思うのに、いったいどういうことなの?
どの頁も、私の愛する千葉市の罵詈雑言に満ちあふれ、よくまあここまで、という感じ。
読み進んでいくと、自分の住む市のこと、思い当たるものばかり、どれも的確に観察していただいている、と逆に編者の方を尊敬してしまいます。
自虐の快感はエクスタシーに昇華し、最後は、「刑事さん私がやりました」、と己の「ダメさ」を素直に認める気持ちになりました。
内容をいくつか抜粋してみましょう。
千葉県の名産品は数々あれど、銚子や勝浦の鮮魚、貝類は外房九十九里と内房木更津、富津。
落花生は八街、スイカは富里、梨は松戸、キャベツは銚子、ビワは南房総、タケノコは大多喜。
みーんな千葉市を凌駕しイメージ作りに成功している。
見どころも何もなし
千葉ロッテマリーンズは、元々の本拠地は東京で、ジプシーを経て千葉に流れてきた球団だし、ジェフ・ユナイテッドも隣の市原市のチームでした。
千葉ポートタワー?ご存知ない・・・
千葉市動物公園?へえー・・・
幕張メッセ?ふーん・・・
他都県からの行楽客も、目的地は南房総や九十九里など、あとは成田の海外渡航客、素通りするだけ、なんの印象もなし。
5.8の記事で、私も含め「千葉都民」ということばを使いましたが、本書では、千葉市は東京への通勤圏外だそうで(そんなことないけどなあ)、千葉都民の資格すらないらしい。
毎日遠い東京に出るのはうっとうしいし、市内にそこそこ労働吸収力があるので、人生の大部分を市内で過ごすガラパゴス体質が市民の特徴だそうです。
以前、千葉市と四街道市とで合併の気運が持ちあがりましたが、あんな財政が悪いところと合併したくないと、四街道市の住民投票でお流れになってしまいました。
歳出のうち地方債の返済額が20%を超えるとか、ある計数では、全国地方自治体で、1位夕張市に次ぐワースト2だとか。
財政悪化は、バブル崩壊と前後した政令指定都市移行にともなう、背伸びした都市整備。
問題を、「特別会計」の取扱いで「埋蔵金」ならぬ「埋蔵赤字」として隠蔽してきたこと、
前市長はゼネコン収賄で逮捕されています。
鉄道の駅名がテキトーで、ビジターにはまるで区別がつかない。
千葉、本千葉、西千葉、東千葉、千葉みなと、千葉中央、京成千葉、新千葉、千葉公園、千葉寺
そうかなあ、浦和なんかもっとテキトーなのでは、
浦和、南浦和、北浦和、東浦和、武蔵浦和、西浦和、中浦和、浦和美園
むむ、数で負けています。バブル景気時に会社が幕張に移転し、近くに家を買ったものの、バブル崩壊で島流し状態になったエリートサラリーマンの哀歌。
医者も少なく、病院に行くのは半日仕事、学校も少ない、受験競争率は半端ではない。
日本全図を見ても、どの都道府県も、陸路、海路が往還しているのに、千葉県だけは位置的に人や物資が行き交う動線の逆側というか、背中側にあって、地理的重要度はどうでもよかったのでしょう。
見どころは何もないけれど、人口もバランスのとれた産業も、それなりに自活していける都市ではある、と本書でも評価していますが、運悪く、東京との距離が微妙に遠くて微妙に近い。
すなわち「地方都市」として存在するチャンスもなく、新幹線が通ることもありませんでした。
たとえ悪名でもイメージを印象づけるものが・・・何もない
実力はあるのに、ちっとも目立たない、全然アピールができていない。
地味で、ダメで、テキトーで
散々にこき下ろされてしまいました。
でもいいところなのですよ、疑う人は私のブログを見ていてください、千葉市の色々な魅力をご紹介していきます。
ご共感いただけるか、ますます嫌いになるかは結果次第。
この無欲なところ、テキトーなところ、私も「ダメ」といわれそう。
まあ住めば都。

