昨年の春に青森を旅した時に、八戸は遠からず来ることになる気がして旅程から外してたんだけど、ホントにその年のうちに訪問することになった。
嬉しいけど、でも名古屋からのアクセスだと、パッと行けるところじゃない。
新幹線だと時間がかかるし、もっとラクに行く方法はないかな。
(↑新幹線だけで行けるんなら十分って叱られそーだ💦)
はじめは青森空港経由の飛行機&レンタカーアクセスを考えてた。
でも、冬季は雪の心配があるし、昨春の経験(思いがけない雪でドキッ)から考えてみても、クルマでの移動はどうなんだろう?
青森在住の友人に聞いてみると、「地元民でも、雪の青森空港にクルマで近づくのは上級者だけよ」とのこと。
えーー、そんなに?😰
あーでも確かに、青森空港は山の上にあるので、風や天候の影響を強く受けそうだというのは理解できた。
春に来た時も風がすごく強くて、飛行機が着陸に苦労してたし。
↑Go Aroundする飛行機を、この時初めて見た。こんな強風でもトライして着陸を成功させるパイロットさん、マジ感動✨
仙台や花巻まで飛行機で行ってその後新幹線、という手もあったけど、いろいろ考えた末、今回は全行程新幹線の方法を選択した。
(↑アドバイスしてくれたのは、2018年にミラノワールドの時に、ロミジュリの舞台のヴェローナを一緒に旅してくれた友人です。懐かしい♡)
結局、この時はそれほど雪は降らなかったけど、年末には青森空港の猛吹雪の様子が全国放送されてギョッとなった。たしかに冬の青森は✈️を避けて賢明だった💦
コレがはやぶさね。
東海道新幹線の沿線住民にとっては、グリーン(このグリーンが好き♡)とピンクの色合わせやシンボルの鳥のマークが新鮮。
東京駅から八戸まで約3時間、すっかり見慣れた仙台の風景も途中に見つつ、トンネルの多い路線を走る。
自分の身なりからスケートの気配は消しておいたつもりだったけど、うっかり見えた本がきっかけにお隣の方にお仲間とバレちゃった。あはは。
長旅の末、ようやく八戸に到着!
でも、ここからまた10分で乗り換え。
駅からフラット八戸をチラッと見て、「頑張ってね!」と念を送ると、青い森鉄道のホームへ急いだ。
その日に乗った電車の写真がなかったので、後日撮った写真を載せときます↓
八戸市内のホテルをはじめは押さえてたけど、なんだか気がのらなかったので、遠くなるけれど三沢市にある星野リゾート青森屋に宿泊地を変更した。
三沢へ向かう青い森鉄道は1時間に一本しかないから、レンタカーの方がアクセスは絶対ラクだったけど、この季節に来たからこそ青い森鉄道も体験できたとも言えて、コレもまた旅の楽しみだったかな。
朝9時には家を出たのに、ホテルに到着した時にはまもなく日没時刻。
冬の青森は名古屋より日没が30分以上早くて、4時にはもう沈んじゃう。
4時に日没って、結構びっくりなんだけど。
同じ日本でもこんなに違うって、緯度と経度の差って、けっこう影響するのね。
暗くなる前にホテルの広い庭園を見ておきたかったから、チェックイン後すぐに外に出た。
到着するなりお茶も飲まずに出てきたのに、外はもう薄闇の中だった。
その日の朝方降ったという雪は、私が八戸に着いた時にはもう溶けていたけれど、ここにはまだ少し残っていて雪国らしい風景を見せてくれた。
池の周りの古民家が雪をかぶり、なんだか絵になる。
広い広い池をぐるっと回って歩いて行くと、その先には青森名物の「ねぶた」も展示されていた。
ねぶたって、なんだか少年マンガのキャラクターみたいな勢いがあるね。
がおー
日没で気温が一気に下がり、一歩歩くごとに靴底が凍りついて歩道の板にくっつくようになっちゃった🥶
引き剥がすようにして歩いたけど、うかうかしてたら脱出できなくなりそう、早く部屋に戻らなきゃ。
早く戻らなきゃと思いつつ、雪の反射が綺麗だったのでつい足を止めてしまう✨
寒い寒い、早く戻って温泉であったまろう。
大抵の宿泊客が夕食の時間帯の時に自分は温泉に行ったから、温泉はほぼ貸切状態。
ここの露天風呂にもねぶたが浮かせてあって、あかりの灯ったねぶたと提灯が湯煙に霞む感じがとてもいい雰囲気。
星空も見えるし、すっかりいい気分になって鼻歌を口ずさんでいたら、いつのまにか後ろにお一人来てた。
やーん、油断しすぎた😆
夜9時からは、館内で行われるねぶたショーへ。
本来ならお祭りの時期にしか見られない「ねぶた」だけど、ここのホテルでは津軽三味線の生演奏と青森各地のねぶたのショーを毎晩楽しめる。
その他にも館内で楽しめるアクティビティが多くて、ここはまるで「青森テーマパーク」って感じ。
(時期を合わせる必要も、遠くまで行く必要もないし、人混みにもまれなくてもいいのでラクでいい)
厳しい自然を思わせる津軽三味線の響きには、背筋を正したくなった。
「ねぶた」は、自分は今まで興味はなかったけど、ここのショーで生命力に満ちた祭りの一端に触れると、見る目がちょっと変わった。
和紙で丁寧に作られたねぶたの立体感と大きさを目の前にすると、その迫力に圧倒された。
人物の目つきやポーズからギラギラと伝わってくる製作者の熱意や、ねぶたを引く人や周りで踊る跳人(ハネト)の熱量からは、「春」を待ち侘びる雪国の人たちの思いが伝わってくるようだった。
私が愛する「美」とは全く違う方向性のものだけど、これはこれで素敵。
ショーのラストはみんなで手拍子を合わせて一体感を楽しんだ。
家族連れか友人同士のお客さんばかりの中、もしかしたら私だけが一人旅だったんじゃないかと思うけれど、それでもみんなと一つになれる感じが、祭りが人々を強く惹きつける理由なのかもしれないと思えた。
2日目の朝。
プロローグに行く前に、敷地内を回ってくれる馬車に乗せてもらう。
(ここのホテルは公園なみに広いんです)
働き者のうるるちゃん。
ぱっかぱっか、とてものんびりした速度で歩くうるるちゃん、ストーブで温まりながら御者のおじさまの楽しいトークを聞き、昨夜凍りつきそうになりながら歩いた道をもう一度たどった。
さぁ、本題のプロローグへ。
三沢から20分ちょっと電車に揺られて八戸駅に着くと、駅前からフラット八戸をつなぐ道でなんかやってる。
大人も子どももお化粧してカラフルな衣装を見に纏い、道路いっぱいに、とっても楽しそうに踊っている。
ここでもまた、タイミングよくお祭りに出会えたんだ。
お祭りは30分ほどで終わったけど、眺めてたおかげてグッズ販売待ちの時間を楽しく過ごせた。
なんだかとっても縁起の良さそうなおじさま発見。
お声かけさせていただいたら、撮影とSNS掲載OKの許可をいただけたので、記念にパチリ📷
なんでも、YouTubeでは名の知れた踊りの先生だそう。
福々とされた表情がおめでたい感じ😊
グッズには普段あまりキョーミないのに、820(はにゅー)番だなんて番号を引き当てたから、今回は売り場に行っちゃった。
ここで購入したブランケットは、ただいま職場のデスクワーク時に活躍中。
(由来はナイショ🤫)
コレ、あったかいね^^
さて、開演までまだだいぶ時間があるし、どうしよう。
会場周辺はカフェとかはあまりないという話だったけど、どこかのんびりしてられるところないかな?
誰も通らないのをいいことに、「僕のこと」を歌いながら気の向くままに歩いていくと、会場からそれほど遠くないところに居心地の良さそうなカフェを発見。
お仲間っぽい人たちも一組いたけど、あとは空いてたのでゆったりくつろげた。
しかも、カレーが信じられないほどお安くて😆
この日は風が強くてすっごく寒く、とても外では待ってられない感じだったのに、こんな居心地のいい穴場カフェを行き当たりばったりで見つけるなんて「さすがワタシ✨」と自画自賛。
でも、1人で過ごすにはもったいないなぁという気持ちでいたら、mさんとタイミングよく連絡がついた。
mさんはこの間も名古屋の有松で会った方だけど、この時は沖縄から来て雪の八戸の写真を撮るやいなや、そのまま雪山に突撃してた。
今どこにいる?と聞かれたので、「めっちゃいいとこある!来て〜」とお誘いしてみた。
ちょっと手間取ったけど、なんとかmさん、お店に辿り着いてくれた。
雪の写真を見せてもらいながら彼女のすっごい冒険譚を聞かせてもらってたら、時間が経つのがあっという間だった。
お店を出ると強風の上に雨まで降ってきて、でもこんな時に一人じゃないのはなんだかとっても楽しくって、二人できゃあきゃあ言いながら会場についた。
貝塚さんが言ってたように、フラット八戸の中は冷たさで空気が澄んでる感じ、氷との距離が近いせいもあるけど、スケートがとても鮮明に見えた。
八戸2日目の演技は冴え渡ってて、全プログラム(ほぼ)パーフェクト。
冒頭のSEIMEIは見事!
タンッ!の音で、瞬間的に陰陽師のキャラクターに憑依する。
闇の色濃き世において、人と魔の間に立つ、人であって人でなき超常の存在、禍々しきものどもの微かな気配すら見逃すことなく、怪しの術で人々を守る陰陽師。
鋭い眼差し、抑制された息遣い、美しいポーズや所作、俊敏かつ滑らかな身のこなし。
緩急はあれども全瞬間途切れることのない集中力、隅々まで神経を行き渡らせた姿勢、和楽器の音色やリズムに絶妙にシンクロした動きは、精神の力をもって闇に立ち向かう陰陽師の姿をありありと描き出す。
スケートならではの多面性、浮遊感や非現実感とともに、リンクを超えて世界観が展開されていく。
それを彩るのは、最高レベルのエレメンツ。
ステップは陰陽師の操る呪術、スピンは時空のゆらぎやエネルギー。
織り込まれるジャンプからは力や圧を感じることも、吹き抜ける風を感じることも。
音楽と一体化して溶け合い、磨き上げられた極上のスケートによって物語を雄弁に語り、観客の脳裏に広がった世界観を途切れさせることがない。
2015年当初は、原作のもつ娯楽的作品の「匂い」を嗅ぎ取ってしまって、自分は苦手だったプログラムだけれど、今やこのプログラムは君の思い描く「陰陽師」にすっかり塗り替えられ、強さと気品のある作品になってしまった。
今はもう、私にとっても大切なプログラムでしかないよ。
…かと思うと、ChangeやSomebody To Loveのようなポップな曲のスケートもすっごく気持ちがよくて。
こーいう爽やかなカッコ良さのあるプログラムが私は好き^^
とにかく楽しかった😃
千秋楽でやるんだろうと思い込んでた悲愴を2日目にもやってくれたのにはとても驚いた。
進化した悲愴を見られるのは嬉しかったのだけれど、暗く大きな力と流れを感じる君の動きには、ここが東北ということもあって、あの日の津波の渦が重なって見えてしまった。
私が生まれ育った街も江戸時代や第二次大戦中に大津波に見舞われた歴史がある。津波の恐ろしさは幼い頃からずっと聞かされていて、津波に襲われる悪夢を何度も見た。でも、本物の津波(の映像)を見たのはあの日が初めて。リアルは想像とあまりにもかけ離れていて、とてつもない破壊力になすすべもなくのまれていくのを呆然と見ているだけだった。
そして、震災の記憶と、映像。
無惨に奪われた日常
泣き崩れる人、呆然と立ちすくむ人、彷徨う人───
" そばにいてあげたかった "
" 駆け寄って抱きしめてあげたかった "
君の気持ちを想像するなんておこがましすぎるけれど、でも、もしかしたらそんなふうに感じてたんだろうか。
これほどたくさんの人が君の演技に喜ぶ姿を目の前にしても、「少しの人だけでも喜んでいただけたのなら」という君。
どれほど自分を責めてきたことだろう───
葛藤を抱え、心から流れる血もそのままに、ただがむしゃらに突き進み始めた日々。
でも、その葛藤と苦しみがあったからこそ、二つの金メダルに、今の美しいスケートを持つ君に辿り着けた、よね…
「いつか終わる夢」を、自分はまだちゃんと理解できてない気がする。
でも、横浜の時のような、生々しい痛みの感覚は薄れた。
もっと前向きだったように思う。
自分が変わったのか、プログラムが変わったのか、わからないけど。
青一色の世界から現れ出でる樹々と風と川の流れは、過去を辿り、振り返る心象風景?
いつも練習の「終わり」に見せてくれたCooling downの動きと、
逡巡の末に現れる、
スタート位置での、君の動き
終わりと、はじまり
これはもしかして、再生とre-startのプログラムなのね
そして、身体中の細胞が再生してゆく
横浜の時は一重だったのが、四重になった光の輪の意味するものは?
「お行き」と言うかのように送り出したものと、氷に込められたものの意味は?
まだよくわからないところも残るけれど、
でも、
サザンカからは過去を愛おしむ気持ちを、
春よ、来いからはいっぱいの希望を感じたし、
時計は再び時を刻み始めた。
大丈夫ってことだよね?
最終日は再び雪だったけど降り始めが遅くて、期待していた「一面の銀世界」は残念ながらお預けだった。
三沢駅
わずかな乗り換え時間に見た八戸駅の窓からの風景は、まるで涙を流してるかのようだった。
私が「帰りたくない」って思ってたからかな、あは。
八戸を出る時はかなりの勢いで雪が降ってたのに、仙台あたりでは雲が切れて、青空が見え始めた。
利府の車両基地
うたた寝してて、ふと目を覚ました時に視界に入ったイオンを見ただけでも「あ、もう仙台だ」とわかるようになった自分にクスクス🤭
名古屋はすっかり快晴。