ルワンダのこと | チキンのトマト煮

チキンのトマト煮

心に浮かぶよしなしごとを書きつづります。

いきなりですが、ある講演会で、「ホテル・ルワンダ」という映画がよいといわれて、
ルワンダで1994年、民族対立の結果、100日間で100万人が虐殺されたと知り、
衝撃を受けたので久々に書いてみることにしました。

(ここから、である調)

まず、本を読んでみることにした。
映画にしなかったのは、ネットで検索しているうちに、あまりにもむごたらしい事実だったため
まず文字情報を得ておきたかったからだ。
とりあえず2冊読んでみた。
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は、アンネの日記のルワンダ版のような感じ。
その体験のすさまじさは想像を絶するが、このような中でひたすら祈りを忘れない著者の精神力には
本当に驚かされる。
もっと悲惨なのは
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4883806049/ref=oss_product
こちらは、よく知っている隣人に、家族を目の前でむごたらしく殺されてしまい、
その上自身も大けがを負って瀕死の中で九死に一生を得た少年だ。
後半、スイスで養父のもとで養生しながら、失いかけた信仰を取り戻そうと苦悶する姿が描かれるが、
深い人間の闇を見てしまった心の傷は、容易に癒えるものではない。
考えさせられる作品だ。

世界中で多くの民族対立があり殺戮が繰り広げられている背景にはそれぞれに様々な要因があるのだろう。
その中でも特に背筋を凍らせるこの事件は、
昨日まで普通に友達、近隣、仲間として同じ町や村で仲良く(少なくとも表面は)暮らしていた人々が、
突如として殺人鬼軍団と化して一民族を根絶やしにするべく襲いかかったというところだ。
(関東大震災の際の風聞による事件もそんな感じだったのかもしれない・・・)

つまり軍人とか兵士とかではなく(軍人にやられるのだって、十分怖いが)
普通の人たちといわれる人が、全く理屈では説明できない根拠のない理屈をもとに、
ラジオの扇動に乗せられただけで、
殺人・・・・それも、恐ろしい残虐な大量虐殺を、やすやすと実行できるものか。。。。
みんながやるから、自分もやらないと、敵の一味と思われないために、やらないと・・・
と誰もかれもが群集心理に走るところは、教室でのいじめとそっくりだ。

印象深かったのは、ルワンダでは従順でまじめで大人しい国民性だと思われていたというところだ。

個を認めない社会の中で、憎悪が醸成され増幅されるとどうなるか、という実例を示したということだろうか。

けっして他人事ではない。