海外赴任では何かあった時に多くの学びがあるものです。

例えばCOVID-19.

 

海外での生活はどう?と聞かれたら、ほとんどの方は

日本と同じようにはいかないけれど、まあまあ普通に

すごしているよと答えるでしょう。

 

でもこれは平時の話。

有事の際には嫌でも外国人だと意識させられます。

日本人からすると「なんでこんな目に合わなければいけない?

絶対おかしいだろ!」って言いたくなることも多くなります。

 

隔離は日本のように感染防止をすればコンビニなどには

行って良いではなく「外に出てはいけない」が普通。

食料品の買い物以外だめとか、それも週2回までとか。

封鎖されて食料は配給とか。

 

こういう時に人間が試されますね。

不平不満しか言えない人、その中で何ができるか、何を

学べるか考える人。

 

海外の当局も自国民が耐える時に外国人が不満を言うの

を見て「助けなきゃ」とは絶対になりません。

 

不安不満の中でも「どうこの境遇を利用できるのか」を

考える人が海外駐在に向いているのは言うまでもないです。

 

現地人の理解に利用する、現地政府の理解に利用する、

普段言えない事を会社と相談するのに利用する。

あらがうのではなく受け止めて利用する。

柔道に通じるような発想でこの苦境を乗り越えたいものです。

アンガーマネジメントの重要性を日々実感する中で、試されていると思う事の大切さ

も感じています。

 

「こいつなんでこんなに困らせるんだ?」という時には、まず指示が明確であるか

考えることが必要。日本人に対してのように言わなくても分かるだろは海外では

全く通用しません。

 

加えて「なぜできない?」と思ってしまう時にも、限られた資源で成果を出すには

現有のスタッフを活かし切る発想が必須。批判や叱責などで相手が奮起してくれ

れば楽ですが、ほぼないでしょう。

これは日本人同士でも同じですね。がみがみ言われて気分の良い人はまれです

し、そうか改めて頑張ろうと思う人もまれでしょう。だいたいは反感を増幅させて

しまい、さらに成果は出ません。

 

そういう時にどうするか。

試されていると思って対応するというのが最近やっていることです。

「本当にこの人は味方なのか?」

「本当に分かって指示しているのか?」

「本当にためになることを指示してくれているのか?」

そう思われていると思って対応。

 

人材育成の基本かもしれませんが、海外駐在員として初めて管理職を経験

する人も多いと思います。逆に本社の管理職なら海外では部長か拠点長に

なりますので、この程度は初級と笑われるかもしれません。

でも人生育成の基本は育てるではなく育てる過程で自分も育てられる事

なので、重要です。

 

怒りたくなったら試されていると思って対応。

 

最近コロナ禍でいらいらがつのりますね。

こういう時はアンガーマネジメントが大切ですね。

 

まずは自分がどういう時にいらいらするか認識する。

私の場合スタッフの下記の反応にいらつきました。

 

1.自分以外の人からの頼まれごとをしている

2.いいわけ、他責の言動が多い

 

冷静に考えると1はスタッフのせいではなく頼む他の上役の

責任ですね。

スタッフに当たり散らすのは理不尽。

むしろそれが原因で自分の指示が後回しになるなら確認して

交通整理するのが自分の役目。

心の前に頭で整理して落ち着きます。

 

2は難しいですが短期的には無理でも長期的にそれを

評価しないという姿勢を示していくことが大切ですね。

日本の様に言い訳するなの文化ではなく自分の責任なら

自分が降格になる海外。無理も無いですね。

頭ごなしに否定するのではなく話を聞いたうえでジャッジ

する姿勢を示しながらセクションではなく会社トータル

でメリットのある方向を共に選択できるようにする。

 

頭で理解した後は心で理解する。

難しいですが頭でわかっていることと行動に移せることは

天と地の差。心で理解できれば行動できます。

 

自転車に乗るのに頭で乗れるはずと思い込むのと

何も考えずに自然に乗れるような状態。後者が心で

理解している状態ですね。

東南アジアに駐在していると寛容と忍耐の大切さに気付かされます。

拝金主義や自己中心的など悪く言われる新興国ですが、外国人で好かれるのは

ずばり「優しい人」です。

 

スーパーのレジやガソリンスタンドに空港など至る所で列に並ぶのが苦手だった

りもたもたしたり横入りされたり。。

特にうるさい日本人にとってはいらいらが多いです。

 

ただこの時に怒ってはいけません。

ましてや切れたりすると日本とは比較にならないくらい面倒なことになります。

 

背景には日本の様に遅れたりしても同じサービスが保障されるとは限らない

ということがあります。レストランは時間をずらせば頼めないメニューが多い

ですし、ビュッフェなど同じ金額を払っても補充されず食い散らかされた残り

ものというのが普通。

交通ルールや列も守って遅れたりバスに乗れなかったり。

 

日本の煽り運転も「悪意がなく、うまく運転できない人もいる」と考えられれ

ばトラブルにはなりません。みんな同じようにできるはずと思い込むので

悪意を感じてしまいます。

 

東南アジアでも悪意のない場合がほとんどです。

外国人に恥ずかしいところを見せてしまったなんて「お前が言うか??」

と言われることも。。

 

「だから途上国なんだろ」なんて言いたくなることもあるかもしれません。

でも相手も悪意があるわけではないと思っておおらかに笑顔を向けられ

れば大丈夫。

やはり優しい人というのはどこでも好かれるという事が再認識できます。

 

良い事もあります。

日本で問題になる同調圧力ははっきり言ってゼロです。

日本の本社で人間関係で鬱気味なんて方には東南アジアの駐在は

どんな薬よりも効くと思います。

修行だと思って笑顔で行きましょう。

海外で働く方々が感じることの一つに現地スタッフの態度の悪さがあると思います。

これは本当に舐め切っているという場合もあるのですが、多くの場合には「現地の

文化・慣習」ということが原因です。

 

りんごかじりながらお客様と電話する。

人が真剣に話しているのにかかってきた電話にためらわず出る。

納期が迫っている仕事中にパイナップルを解体しているww。

こうしたことあるあるですよね。

 

僕もそうでしたが、ある程度存在を認められるまでは郷に入っては郷に従え

というコンセプトで流すのが良いと思います。

まじめな方ほどメンタルをやられます。

 

もちろん有名なところでは、Hondaさんなどのように、現地の慣習とは違う日本の

Hondaイムズで工場労働者の方をワーカーではなくアソシエートと呼び敬意

を払う現場主義を導入したり、駐在員や高級幹部向けの幹部食堂と一般

食堂の区分を廃止するなど取り組みが功を奏しているケースもあります。

 

ただこれは日経ビジネスや東洋経済などのビジネス誌が書くような単純な

ストーリーではなく、現地スタッフと駐在員が長年の試行錯誤の末に辿り

着けた偉業であって、決して映画のようなスーパーマンの活躍ではないです。

 

なので、海外で勤務する場合には現地スタッフに学ぶという姿勢で、

「そういうもんなんだなあ」と流すようにしたいものです。

間違っても教育ママよろしく怒鳴り散らすのは良くないです。

 

ローマは一日にしてならず。。

ゆっくり行きましょう。

欧州でアジア人蔑視のような視線と闘いながら成果を出している

駐在員のみなさんとは異なり、僕のような東南アジアで駐在して

いる駐在員は、謙虚に自分を振り返ることが大切です。

最近改めて思います。

 

以前ほどではないにしろ、今でも日本人駐在員というのはお金を

持っているエリートのイメージがあります。

なので自戒を込めて振り返りができる人でないとトラブルになる

可能性もしっかり存在しています。

 

男性であれば女性問題、交通マナーなど。

日本では自粛警察など同調圧力やゆがんだ正義を押し付ける

空気がありますが、東南アジアには、というより海外ではそれが

あまりありません。

 

例えば女性問題で言えば、100%金づると思われていると考える

のが正解です。今でも街中では中年の日本人が大学生のような

女性と肩組んで歩いている事が多いです。

でも冷静に考えて金以外に魅力があるはずがないのです。

自分がもてるなんて勘違いしてますが、良くも悪くも家族を大切

にする東南アジアでは、愛人として貢がされる金は必ずその

背後の家族の元に行くだけです。

 

普通に駐在員として激務をこなす方が泥酔してカラオケ屋で

金をばら撒いて女性に拾わせて現地人からボコボコにされた

というような醜聞も有ります。

この場合、警察も必ず現地人の見方をするのでほぼ駐在は

取り消しです。

 

そこまで行かなくても交通マナーも注意が必要です。

特にバイクの運転をする場合には、現地人がノーヘル、

信号無視、逆走などしているからといって真似をするのは

よくありません。

現地人と外国人が同じようにできるはずがないのです。

 

つかまった際も日本人は罰金が賄賂と知ってますので、

反抗しがちですが大変危険です。現地人は警察はやくざ

よりやくざと知っていますから絶対に逆らいません。

日本の警察官は優しいですが、海外では全く違います。

警察はあくまで保安要員ですが準軍事組織の一員という

面が強いです。

自分が他国を啓発するとか正義を実行するなどと勘違い

した考えを持つべきではないです。

それは現地人が考えることで外国人の干渉して良い事

ではありません。

 

海外、特に新興国では自分を謙虚に振り返るという才能

も必要条件になってくることは間違いありません。

海外で働いてる場合に、当然ですが文化も慣習も異なる生活をすることになります。

このような状況で、どこまで私生活を現地化するのか悩み考える方も僕の周りには

多くいます。

 

どっぷり派は主にマーケティング系の方は半ば職務として、そうではない方は好奇心

からというのが多いでしょうか。。

現地の生活、文化に合わせてこそ業務が成り立つということですね。

これは納得。

もう一つは、必ずしも業務に直結ではないけれども、外国人向けよりも現地人向け

にインフラは整備されているので、そちらに合わせた方が生活しやすいし、ご飯も

おいしいはずというもの。

これも納得ですよね。

実際そうです。

 

一方で距離を置く限定派は、どっぷり派からの転向組ともともとの2通りでしょうか。

転向組は、色々現地の方に合わせてトライしてみた結果「もういいよ。。」と半ば

諦めの感じですね。

諦めというか往々にして「分かった気になる」というおごりなので注意が必要です。

もともとというのは分かりやすいですが、拠点長など立場が高い場合には、どっぷり

で問題(必ず起きます)が起こった場合に大ごとになりかねないための自重も含まれます。

まれに出世の拍付けのための駐在とかがありますが、僕の会社ではあまりありません。

このタイプは、ミスしにくい安全なタイプですが、爪痕が全く残らないある意味

クリーン、ある意味「何しに来たの??」という感じになります。

 

どちらもメリット、デメリットありますが、現地スタッフとコミュニケーションを

とりながら成果を出していく必要がある現場の駐在員の場合には、やはり最初は

どっぷりを目指すのが良いと思います。

サービスアパートと会社の往復、それに日本食屋での食事というのでは、全く現地

スタッフと話せないですし、なかなか成果も出せずストレスばかりになり最悪は

問題を起こして帰任か、体と心を壊して帰任です。

 

 

海外で働くようになると避けて通れないのが現地スタッフとの壁です。

特に初めての海外赴任で駐在員となる方は程度の差はあれども、みんな

悩みながら乗り越えて行くことになるのがこの壁です。

 

普通に仲良くしているはずなのに、時間が経つとふと気になるんです。

 

会議の前後で英語ではなく駐在員には分からない現地の言葉で話す

のを聞いたり、自分が指示したのとは微妙に違うやり方を現地スタッフ

がしていたり。

あるいは自分には素直にできなくてごめんなさいと謝るのに、他の現地

スタッフがいるまえではむきになって正当性を主張されたり。

 

最初は戸惑い悩みます。

やっぱり自分はよそものなのかなと。

 

でも悩むことは無いです。

ごく自然なことです。

逆に自分が外資系の企業で働いたらと想像してみましょう。

上司は全員外国人。

そんな中会議で日本人同士集まったら?

外国人ばかりの上司の中に日本人のかたがいたら?

その人の前で外国人の上司に怒られたら?

「そうじゃないもん!」ってなりますよね?

別に外国人の上司を嫌いなわけでもないし、悪気があるわけでも

ないけれど、同じ日本人の上司には分かってほしいって思いますよね。

 

それだけのことです。

なのに疑心暗鬼になったり、「そっちがそうならこっちも信頼するもんか!」

とむきになったりするのは百害あって一利なしです。

 

壁を超えるのは簡単です。

とにかく騙されてなんぼ、笑われてなんぼ、てのひらで転がされるくらい

の気持ちで現地スタッフに動いてもらう。

外国で早く日本に帰りたいなあなんて思ってる駐在員が現地スタッフを

押さえつけよう、思い通りに動かそうなんてできるわけないです。

世界最強の米軍が貧弱な装備のベトナム人に勝てなかったのがベトナム戦争

ですから。

 

この壁は自分ではなく現地スタッフに壊してもらう、そのためにはどうするか。

 

日本の本社でバリバリのエリートが海外で失敗し、逆に日本で目立たない人が

しっかり成果を出せたりする。

そういう不思議な事が起こるのも海外駐在の面白さです。

海外駐在をしてみたいという方が多い一方で、帰任後の進路について

具体的にイメージしたり検討したりしている方は意外と少ないようです。

 

もちろん拠点長として赴任し、本社の役員を目指すという方は良いので

すが、そうではなく育成の一環でなど若いうちに海外駐在になる方に

とっては、自分探しも含まれているように思います。

 

日本の本社のように、業務が細分化されているのとは違い、海外駐在の

場合には、些末な業務から部門の意思決定まで幅広く絡む事ができる

ので、日本にいる時よりも上段から組織を眺める事ができるようになり

ます。

 

Dさんも20代後半で赴任し、当初は海外駐在で現地業務を習得し、

帰任後はその経験を持って本社業務に就く事を目指していました。

 

Dさんは商品企画が担当で、僕の勤める会社では商品企画の権限が

比較的強く、国内、海外含めて出張もし放題でした。

海外の出張?とも思いますが、東南アジアの場合には、比較的近隣諸国

への出張は多いです。

欧州組も多いようですね。

 

Dさんは熱心な方で、表面的な所得の状況や景気の状況、販売店の

意向などの調査にとどまらず、なぜそうなるのかを実際にお客様の

お宅訪問もこなしながら調査していました。

 

2年くらいでしょうか、突然Dさんは会社を辞めると言い出しました。

社長もびっくりで「何か嫌なことがあったのか」「最近の様子は?」と

大騒ぎ。。

 

でもDさんなりに考え、やりたいことが見つかったようです。

そのためのさらなる勉強で青年海外協力隊に行くとのこと。

「そんな感じではないだろ」というのが僕やみんなの感じたことでしたが、

見た目とは裏腹に熱い思いを持っていた、いや駐在して現地で考えた

結果思いに気が付いたということでしょう。

 

珍しいケースでしたが、Dさんの思いを尊重するしかなく、一旦本社に

帰任の形をとって、有休を消化してから退職されました。

事情があってすぐにはというわけにはいきませんでしたが、少し方向

修正しながら進んでいるようです。

 

はっきり言って何かのために生きようという思いに気づけたDさんが

うらやましいです。

僕も自分探しで日本一周をしてみたりしましたが、これといって突き動かされる

ことには出会えず、毎日を真面目に感謝しながら生きています。

 

こういう効用もあるので、若い人ほど海外駐在は良い事なのかもしれません。

もちろん中年も負けていられないですし、逆に病んでしまうなど厳しい面も

あるのは事実です。

海外で働くと、オンとオフをみんなきっちり分けるなという事に気づかされるものです。

例えば現地スタッフを見ていると、仕事では相性が悪く険悪なのに、飲み会とか休日

のイベントでは仲良かったりする様子を見る事が多いです。

 

日本人は会社の仕事とプライベートをきっちり分けるのはあまり得意ではなく、職場

の仕事の人間関係の相性などをオフにも持ち込む人が一般的だと思います。

 

終身雇用などは以前より薄れているとはいえ、やはり会社が人生そのものと言う感じ

の方は多いと思います。

仕事であまり相性が良くないと、飲み会に一緒に行こうとはなりづらいですし、飲み会

とかでもついつい仕事の会話が多くなったりします。

 

一方で海外はそういった傾向が薄いようです。

僕は中国と東南アジアの国で勤務しておりますが、どちらも仕事の事は会社の中だけ

という感じが多いです。

 

パーティにみんなで参加すると普段会議などで険悪になる現地スタッフ同士も家族

がどうだとか、旅行にはどこに行くとか、今度車を買うんだとかプライベートの話を

楽しそうに話したりするんです。

 

良い意味で割り切りというか、仕事とプライベートは違うということが根付いています。

職場の中で誰が美人だと思うかとか、そういった他愛もない会話で仕事の環境が

出てくるくらいで、職場や上司の悪口を居酒屋で言うという日本のありふれた光景は

逆にとても珍しく、まず見ません。

 

良い意味で転職が当たり前の環境なので、日本のように入社から定年まで狭い

人間関係に陥ることが無いという環境がそうさせるのかもしれません。

ノルマが厳しすぎる会社の営業部門は別にして、日本に増えているようなメンタル

ヘルスを損なう人もとても少ないです。

嫌なら辞めれば良いし、その日職場であった嫌な事も帰りの通勤バスでは家族や

子供の心配に変わってますから。

 

日本の常識、世界の非常識かもしれません。