みなさまこんにちは!
Mimiです♪
本日は、
アメリカ人のアイデンティティを支えるK-POP
というテーマでお話ししていきます。
今日は、アメリカで人気のポッドキャスト、NPRより、
ワンエピソードを取り上げそれを中心にお話ししていきます。
引用元(音声も聞けます)7分の短いエピソードです。
New podcast looks at one of the biggest genres in the world: K-Pop
このエピソードのゲストは、ビビアン・ユンさん。
ビビアンさんは、"K-POP Dreaming"という
アメリカにおけるK-POPシーンを
語るポッドキャストのホストをされている方です。
韓国系アメリカ人です。
カリフォルニアのK-POP事情を知るには
いい番組です。おすすめです。
ビビアンさんは、韓国系アメリカ人であり、
1990年代、2000年代を
LAのコリアンタウンで過ごされました。
この頃、K-POPファンであるということが
「恥ずかしいこと」だった、
と話されています。
1990年代というとK-POPが世界で人気が
で始めた頃です。
今でもそういう傾向はありますが、アジア人が
アメリカ社会でうまくやっていくには、
アジア人のエスニックカラー、
アイデンティティーを
全面的に強調していくよりも、
アメリカに寄せていかないと
成功しないという暗黙の了解がありました。
要するに、アメリカ人のように振る舞い、
アメリカ人のように話す。
自分の「アジア人」としての個性は押し殺す。
このようにして、アメリカ社会に溶け込んでいく。
いいか悪いかは置いといて、
一つのストラテジーです。
私が、ここで「アジア人」としているのは、
私がニューヨークにいた頃教えた
アメリカ生まれの日本人たちも同じような
ことを言っていたからです。
韓国系アメリカ人に限ったことではないと
察しています。
K-POPに関しては、K-POPのアメリカでの人気に
関わってくる重要な要素の一つだと思います。
アメリカで育った韓国系アメリカ人コミュニティーに
大きな影響を与えていることは確かです。
ビビアンさんも、
「アメリカ人として見られたかった。
韓国人や、韓国系、というより、アメリカ人として
認識されたいという
いう願望があった。」
と、話されています。
その頃、LAのKタウンで人気のあったK-POPグループが
1TYM(ワンタイム)というグループでした。
1998年にYGエンターテイメントからデビューし、
2006年ごろ、メンバーの兵役義務が始まる頃まで
活動していました。
メンバーのうち、二人はLA出身の韓国系アメリカ人の
ようです。
このグループの音楽性はポップスというより、
HIPHOPでした。ヒップホップグループです。
1990年代のLAと言えば、HIPHOP。
ヒップホップなしでは語れません。
G-FUNK サウンド全盛期です。
人種に関係なく、若者はヒップホップに
のめり込んでいた時代。
hip-hop(アメリカ文化)とK-POP(韓国文化)
をうまく融合させた、このグループが
LAのコリアンタウンに住む、韓国系アメリカ人に
浸透し、大人気となりました。
それでは、K-POPとは、何かと聞かれると、
ビビアンさんは・・・
「それが、よくわからないのよね(笑)」
と、おっしゃっています。
何かよくわからないもの、というのは
ある意味とても重要なポイントだと思うんです。
だからこそ、コリアンアメリカン以外のファン層も
獲得できていると思いますね。
ヒップホップ要素は、アメリカで売れるには
確かに必要かもしれません。
また、少し話はそれますが、
黒人やヒスパニック系のファン層もK-POP
には多いようです。
これは、たとえば、黒人の女の子が
「白人」アーティストが好きだというと
自分たちのコミュニティーからからかわれて
いいにくいが、K-POPはアジア人で有色人種だから
堂々とファンであることを公言しやすい、という
そのような研究も発表もされています。
ビビアンさんは、
コリアンアメリカンとしてのアイデンティティは
不安定なものだったともおっしゃっています。
そもそも、韓国のポピュラーミュージックは、
trotと呼ばれる、歌謡曲のようなところから
きています。いわゆる、韓国人の人たちの
苦しみ、悲しみ、忍耐などを歌ったものです。
日本でも人気がありましたね。
それは、
韓国の悲劇的な
歴史と関連していて、
これがK-POPにも
多少なりとも要素として含まれている、と
ビビアンさんはおっしゃっています。
K-POPには、悲しみや苦しみだけではなく、
アップビートで華やかで明るい曲もありますが、
結局のところ、かわいいだけで終わらず、何らかの
メッセージが織り込まれているということ。
確かに、K-POPのアイドルは考えられないくらいの
練習量をこなし、練習生時代も長く辛いものです。
そこからデビューできる人も一握り。
デビューできても売れるかどうかはわからない。
とてつもなく厳しい世界です。
そこから勝ち上がり、
キラキラとしたステージで歌う姿に
感動しますね。
なるほど、そうやって苦しみを乗り越えての
ステージは圧巻です。理由がわかります。
K-POPアイドルに求められるもの
の一つは、「苦労してどん底からの復活」
ではないでしょうか。
そのメッセージは、「回復力」ということ。
確かに、ビビアンさんのおっしゃるように、
韓国の歴史は複雑です。日本に占領されてた時代もあり、
Korean Warなどの影響など、様々な辛い経験が
あっての今です。
しかも、コリアンアメリカンとしての辛さ、
アイデンティティの問題など、このようなことを
抱えていた人たちにとって、K-POPというのは
大きな力となったのは間違いないですね。
彼らの結束力は強いです。
自分たちのアイデンティティを守り、
力づけてくれるK-POPこそ、様々な
挑戦から回復してきた「回復力のある」
国であり、人々であるという主張。
このようなところからもK-POPには
サポートが入っています。
ですから、アイデンティティの問題で
悩んでいたビビアンさんのような方からも
絶大な支持を受けているということですね。
こう考えてみると、やはり、
J-POPはまた別ジャンルだということも
理解できます。
そこまで「苦労」と「回復」をセットに
して売り出すことはあまりないかも
しれません。
K-POPのテーマがビビアンさんの発言から
インスピレーションを受けて、
「回復力」だとすると
J-POPの大きなテーマは何なんだろう?
「寛容さ?」(←まだ、私の結論は
出ていません)
このように考えてみると、
また新しいJ -POPの良さもわかってくる
のではないかと思います。
比べられるのは仕方がないことです。ただ、
単純に比べるだけでは、得られるものがあまりないですが、
それぞれの文化の背景から違いを見つけようと
思うと何かワクワクします。
比べるというよりも、違いを楽しむ方向で
見ていくととても面白いなと感じました。
それではまた!
〜Your advisor Mimi