メモ滅菌法の概念

無菌→生育可能な微生物が存在しない状態
滅菌→微生物を殺滅し、無菌状態とする行為

滅菌に関わる用語の国際規格ISO11139

医療器具については国際的には微生物が存在する確立を示す
「無菌保証」SAL(Sterility Assurance Level)」
10-6以下が求められている。

・100万個の滅菌済みの品物で微生物汚染が1個以下
・滅菌器を100万回運転して微生物汚染が1回以下

メモ滅菌の種類

CDCのガイドライン2008に記載がある滅菌法
・蒸気滅菌
・フラッシュ滅菌(ハイスピード滅菌)
・エチレンオキサイドガス滅菌
・過酸化水素ガス・プラズマ
・過酸酢酸滅菌
・電離放射線
・乾熱滅菌
・液性化学薬品
・過蟻酸
・ろ過
・マイクロ波
・ガラス・ビーズ滅菌器
・気化過酸化水素水
・オゾン
・ホルムアルデヒド蒸気
・ガス化塩素二酸化物(二酸化塩素ガス)
・過酢酸蒸気
・赤外線

ひらめき電球滅菌・消毒も日進月歩。新興病原体やバイオテロリスト病原体、血液感染症、抗菌薬耐性細菌への対処、また消毒や滅菌工程に関する毒性の問題や、管理医療による患者の増加、環境暴露や職業暴露の問題、複雑な医療機器の出現など、様々な諸問題に対応するためガイドラインも大幅に改訂されている。

軟性内視鏡は特に消毒が困難で込み入った設計と繊細な材料のために損傷しやすい。米国では軟性内視鏡のエチレンオキサイド・ガス滅菌は長時間の工程とエアレーション時間、スタッフや患者に危険性もあるためあまり使用されておらず、グルタラールアルデヒドや過酢酸を使う自動液体化学滅菌剤処理が一般的なようである。内視鏡の消毒滅菌のレベルをいかに高水準にするかが昨今の課題。

上記を含む様々な背景の中で研究開発された新しい滅菌法が低温滅菌法である。

メモ過酸化水素ガス・プラズマ滅菌の作用機序

おまけにひひ好気性菌や通性嫌気性菌によって産出されるカタラーゼは過酸化水素を水と酸素に分解することで過酸化水素から細胞を守る。
ひらめき電球講義の中で過酸化水素の中にオキシドール(カタラーゼ)を加える、次に過酸化水素30%の中にオキシドールを加える、次に59%の中にオキシドールを加える実験があった。30%はビーカーから泡が溢れて来たが、59%では泡の膨らみは30%より劣るが(反応は落ちる)湯気が上がり、つまり発熱した。これはつまりカタラーゼの中和が追いつかない。この原理を用いている。

今回の講義では気化過酸化水素水を使用する物と、過酸化水素・ガスプラズマの物とがあった。

気化過酸化水素水を使用する物は上記の原理を利用しており、過酸化水素・ガスプラズマは十分に真空された閉鎖チャンバー内にラジオ波や高周波エネルギーを使用しガス分子を励起させ、高度な反応性を持つフリーラジカルを作る。プラズマ状態のフリーラジカル(ハイドロキシル、ハイドロペルオキシル)は細胞と反応し微生物を破壊する。

機種によってやや差(サイクル回数等)はあるものの以下の工程となる。

減圧
 ↓
過酸化水素注入
 ↓
過酸化水素拡散
 ↓
プラズマ発生
 ↓
過酸化水素分解
 ↓
排気

サイクルの副産物は無害で(水蒸気、酸素)エアレーションを必要としない
滅菌物は安全に扱う事ができ、直ちにしようしたり保管する事ができる。
工程は37°~44°の範囲で作動。時間は20分~70分と短時間。(機種によって差がある)

短所としては、水分を吸収しやすい素材は滅菌できない。滅菌剤である過酸化水素を吸着して滅菌に悪影響を及ぼす可能可能性がある。
・植物繊維(綿、紙、木、リネン、ガーゼ等)
・吸着と危険を伴う素材(液体、スポンジ、発砲スチロール、粉体等)
・減圧に伴い影響を及ぼす器材(密閉器材類)

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目確かに私が学生の時よりも、新しい感染症も増えているし、医療機器の進歩もある。低温滅菌の技術開発が進む事は患者にもメリットがあり、医療の進歩に繋がる。

次回はホルムアルデヒド滅菌についてまとめます音譜