レポート~片山善博 氏 講演会「『図書館』から地方自治を考える」@小牧市 桃花台(考える会主催) | ゲラ・チャンポン

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ここから、国政・市政よりも大事なこと=「経済的な生活の本質」をあぶり出せたら面白いですね。

3月6日(日)小牧市東部市民センターで「小牧の図書館を考える会」主催(小牧市・小牧市教育委員会 後援)の講演会が開催されました。




http://aoiumitosora7.hatenablog.com/entry/2016/02/02/190840













講師は、元・鳥取県知事で、民主党政権時の総務大臣も務められた片山善博さん(現・慶応義塾大学法学部教授)です。









『図書館』から地方自治を考える













講演に前後して、考える会からの報告がありましたが、




その中でニュースとして、




「考える会」の渡辺共同代表に対して2月25日に市より連絡があり、4月から開催される「新小牧市立図書館建設審議会」の審議委員就任が決まったそうです。









また、「考える会」の態度として、直営の図書館経営を求めていくことが示されました。









新小牧市立図書館建設審議会




http://www.city.komaki.aichi.jp/shingikai/boshu/015786.html













今後の審議を見守りたいと思います。



















では、以下に片山さんの講演内容を掛け値なく伝えるため、箇条書きさせていただきます。









勉強









講演 「『図書館』から地方自治を考える」




片山善博 慶應義塾大学 法学部政治学科教授




2016/3/6(日) 愛知県・小牧市東部市民センター於









○あいさつ









生まれて初めて小牧に来た。




小牧市立図書館の問題は、地方自治の事例として注目している。




今日はよろこんで来た。




私は地方自治がライフワーク。




自治省出身、鳥取県知事、現在は慶應義塾大学法学部政治学科で地方自治について教えている。














○地方自治とは何か ~地域のことは地域の住民が責任を持って決める仕組み









小牧の問題は、地方自治の一つの不具合によるものである。




住民投票に至ること…これは大変なこと。なかなかできることではない。




解決に向けた、非日常的な方法といえる。




埼玉県所沢市では、学校でエアコンを付けることについて投票まで至った。




原因は、議会の機能不全といえる。









「地方自治とは」地域のことは地域住民で決める仕組み




⇒自分でできないこと、共同でやったほうがいいこと。




 これを自治体でやる。(補完性の原理)




 









○自治体行政における図書館 ~図書館のミッションは何か




本を集めることは自分自身でもできる。




しかし、個人で行うことには限界がある。




とはいえ、市が莫大な費用を使って図書館を経営することはできない。




市<県<国 順番にできることをする。









図書館とは…「万人のための知的自立のための施設」




無料貸本屋だけではない。




例えば…




・闘病記文庫




 →医学書もあれば、体験記(治った人、治らなかった人)も




・知的欲求を満たす、悩みを解決する(役割)









鳥取県庁は以前から資料室がなかった。




⇒資料も国からもらったものを使っていたり、それがそのまま政策になっていたりした。




これでは県の課題が見えなくなる。




・当時の状況




 例えば「農政プラン」自給率の分析から入る。




 地域で作らないような作物の表示「みかん 0%」




 現実性ない資料を使っていた。




・対策




 県庁に小さい図書室つくった。




 司書に常駐してもらい、図書館リファレンスをしてもらった。









議会においては




議会図書室…議員の知的自立を促すためのもの。




議案について執行部から説明あるが、本当は議会が裏を取らないといけない。









司書が常駐し人的機能の備わった図書館であってほしい。









地域の知的遺産を保管・整理することも重要。




方言を音声情報として残しているところもある。









鳥取県では、教育委員会も図書館を重要視してくれなかった




委員のほとんどが教員あがりで、図書館は端牌扱い。




知事就任後の働きかけにより、鳥取県立図書館は 2006年Library of the Year をいただいた。














○自治体予算と図書館 ~民主政治に欠かせない情報共有




指定管理は条例で制定されるが、予算が基本となっている。




住民がわかっているかどうか、住民が責任を持てるかどうか。




予算が決まるまでに情報を共有できているか。




 




宮崎県の図書館議論…




知事が図書購入費予算3割削られたこと知らなかった。




議会も認識なかった




知らないまま進められてしまった









「決まってないから言えない」




一日たって




「決まったから意見できない」状況だった














○自治体の行政改革と図書館 ~真の改革とは何か




鳥取県…予算要求の時点でHP公開。




コピー機、一台随意契約から、複数台複数年契約に改善できた。




治者と被治者の同質性(常に入れ替わる)が行政。




密室でつくったものが最後まで通ってしまう状況が多い。




情報公開の重要性。














○教育委員会と図書館 ~教育委員会における図書館の位置づけ




教育に関する予算・条例たてる場合、5人の教育委員会委員に聞かなければならない。




教育委員に責任感薄い人が多い。




責任を持てなければやるべきではない。









小牧の指定管理…教育委員会でどんな議論をしたのか。




委員に、教育に対する情熱があるのか、時間の都合があるのか。




商工会議所の人はどう考えているのか。














○地方議会と図書館 ~議会は市民に開かれているか




議会は決定機関である。




いろんな意見をちゃんと聞いてから決める。




裁判所を見習ってはどうか。




日本では首長などを批判することが中心になっている。




アメリカでは議場で意見を聞いている。









勉強









以上記録まで。









最後にカンパでひとひら入れさせていただきました。




今後の活動に期待したいと思います。












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