青い花 1巻 (F×COMICS)

太田出版()
¥ 1,000
[5]まさかの「ガール・ミーツ・ガール」がアニメ化だってさ!(2009-05-03)
「放浪息子」で性不同一性障害を扱った作品を描いていることで知られる
志村貴子氏の女子高を舞台にした作品。

なんとまさかの初アニメ化が決定したんですよ。ホント。
松岡女子高等学校に入学した「万城目ふみ」ちゃんと、
藤ヶ谷女学院高等部に入学した「奥平あきら」ちゃんは幼馴染。
小学生の頃はしっかり者のあきらが大人しくて泣き虫のふみを守っていた。
でも、ふみちゃん家の引っ越しで離ればなれに。やがて忘れていった。

が、2人が高校生になってすぐに運命的な再会が待っていた。
通う高校は別々だが「共に女子高」も何かの縁か?
ふみちゃんはひとつショックな出来事があった・・・・。
従姉妹の千津ちゃんが結婚してしまう。
実はふみちゃんは千津ちゃんと一線を越えた関係が・・・・・。
身体を許した相手の裏切りともいえる行為にふみちゃんは泣き崩れるしかなかった。

傷心のふみちゃんが高校で文芸部と間違えてバスケ部に入部してしまう切っ掛けとなった
先輩との出会いがあった。
同性愛の女の子と同性愛ではない女の子。
冒険の始まりが「ボーイ・ミーツ・ガール」であることは
宮崎アニメの名作「天空の城ラピュタ」を観れば明白であるが、
では「ガール・ミーツ・ガール」は何のスタートなのか?

付き合うことになった先輩との関係は親友となったあきらにも言うことを躊躇ってしまうような「秘め事」のようなもの。
実は先輩にも秘密があった。先輩は以前はあきらの通っている藤ヶ谷女学院高等部に通っていた。
でも、好きになった演劇部の顧問の先生に受け入れてもらえず退学した。
で、その頃の後輩の女の子に先輩を想い続けている子がいて、あきらの友人。

進むのは茨の道か?はたまたけもの道か?
「女の子」って男の子よりも同性愛に陥りやすいのかもしれないな・・なんて思った。
心細いとき優しくされたら・・・可愛い子を可愛がることも抵抗はないだろうし・・・。
そして「少女性」は陽炎の如き青春のごく一瞬の煌きにも似たものなのかもしれない。
人は「同じ場所に一瞬たりとも留まってはいられない生き物」なのだ。
だからこそこの作品ではそのせつなさが「一層映える」のである。

漂うのは「危うさ」である。嵌りやすく、惑いやすいのだ。



[5]小さく可憐な花達(2006-10-09)
内気で泣き虫なふみと、明るくしっかり者のあーちゃん。
幼い頃大の仲良しだった二人は、一時交流が途絶えたものの高校生になって再会。
別々の女子高に通いながら、再び親交を深めていきます。

女の子同士の恋愛と友情を描いたこの作品。
思春期の少女達の揺れ動く心情を実にシンプルに叙情的に描いています。
現代モノですが、何となくレトロな雰囲気も漂ってます。
鎌倉の町並みやカフェ、あーちゃんが通うお嬢様学校などクラシカルで素敵です。
あーちゃんがとても可愛いです。
ふみの道ならぬ恋を理解し、時に叱咤激励する。要所々々で懐の深さを感じさせます。
ふみにとってあーちゃんは恋愛対象じゃないけど、多分誰よりも特別な存在。
ふみの心の中に咲く、小さくて愛おしい青い花―。
あーちゃんがこの先どう恋愛に絡んでくるのか楽しみです。

ところで第一話のタイトル『花物語』は、吉屋信子先生の少女小説のタイトルですね。
(あとがきで志村先生が記念館を訪れる場面があるが休館だった)
吉屋文学はまだ読んだ事ないのですが、これを期に彼女が描く「Sの世界」も読んでみたくなりました。
[5]とってもさわやか!(2006-05-22)
んーっ、なんともさわやかな恋のはなしです。

ラブコメとちがって、(自分は全体的に笑いが強いものを、ラブコメかなぁと思うので)大げさかも知れませんが、上品でオシャレかと。

それに背景(特に木陰が)キレイだなぁって感じます。
で、最後に、読んで損はないですよ!
[5]おすすめ(2006-05-13)
――わたしの好きな人が、女の子だったらどうする?――
活発な女の子と控えめな女の子、彼女らを中心に物語は進んでいく。
泣いたり、怒ったり、元気になったり、そしたらまた泣いちゃったり。
喜怒哀楽の激しい女の子の、もやもやだけど美しいお話し。

[5]たとえば、りんどうのような(2006-03-06)
 淡々とした展開と、シンプルな線でいきいきとした性格を持った人物を効果的に表現することで人気を集める志村貴子さんの最新作です。
 前作『どうにかなる日々』とはガラリと雰囲気の変わった漫画で、高校一年生となって数年ぶりに再開した二人の幼なじみ、「万城目ふみ」と「奥平あきら」を主人公として物語は進行します(どちらかと言えば、よりふみの方が主人公らしいですが)。志村さんが『放浪息子』や『敷居の住人』などの漫画で培った「まだ大人になりきれない、時に性に戸惑わされる少年と少女」や、学校などでの「なんてことない風景」への洞察心と、その独特の描き方を存分に生かしており、本作はどこまでも綺麗で、けれどもたまにズキッと心の痛みを感じさせるものとなっています。
 思春期というのは楽しいばかりではけっしてけっしてないけれど、やはり何物にも変えがたい日々なのです。ヘッセの『春の嵐』の中で、こういった意味の言葉がありました。志村さんが彼の『春の嵐』『青春は美わし』といった題を引用しているのも偶然ではないのでしょう。他のものに関しても元ネタを調べて、読んでみるのもひとつの愉しみだと思います。
 主要キャラはみな女の子なのですが、安易な萌え漫画でも百合でもなく、安心して人に薦められます。通う学校の違う二人の生活風景、心境を、うまく交錯させ、「この気持ちわかるわ~」と読者に言わせつつもすぐ次の展開を淡々と用意する。こういう漫画を描く上で、志村さんの右に出るものはいないでしょう。それぞれの学校での美しい生活風景、ふみとあきらの二人の過去の情景、これまでに何があったのかを考えさせずにはいられない『深い』登場人物、味わえるものはたくさんあります。
 有名な少年誌の漫画などしか読まない人にはちょっと読みにくいかもしれませんが、いったん慣れた人や漫画を愛好する人には、志村さんがあとがきで言う「なんとなくステキ」といった感覚がわかると思います。バラのような派手な美しさはありませんが、野原にひっそりと青く咲く、りんどうのような作品です。
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1Q84 BOOK 2

新潮社()
¥ 1,890
[4]生と死(2009-07-22)
村上春樹作品に初めて会ったのは
高一の模擬試験だった。現代国語の試験問題で
「1973年のピンボール」の一部だけ出ていた。
なんだか気になって、書店で本を購入した。
その頃すっごい好きな同級生の男の子がいて、
この小説を読んで少し思い出してしまった。
ピンボールと同じ年に生まれたものでもう結婚して
子供もいるんだけど、その頃、まだ小学生だった頃
のことも蘇ってきて切ない気持ちにさせられた。

ひとはいつかしんでしまう。

そんなどうしようもできない事実を
改めて認識させらせる作品だった。
その事実にどうしようもない悲しみが
襲ってきて、全身が震える恐怖を味わった。

家族ができ、守りたい人が増えて、
一日を大切に生きなければと強く思わされた。
何十年も何十年も後にこの作品を読んでいる人が
このネットで書き込んでいるひとが皆
いなくなっている世界がくるのだから、、、。

[4]良かった。続編が読みたい!(2009-07-21)
数日前に読み終わりました。BOOK1を読み終えてから1日でBOOK2を読んでしまった。休みだったからというのもあるが、単行本1冊を1日で読んだのは久しぶりです。それだけ物語の世界観に引き込まれ、夢中になっていた。
物語後半になって、謎のまま終わってしまった部分も多くて満たされきれていないが、BOOK2はすれ違いやお互いを想う感情などは恋愛小説のようだった。
これで完結なのかはわからないが、続編がでるならぜひ読みたいと思う。完結しきれていない気がするし、2冊完結なら上巻・下巻でだせばいいはず。BOOK1・2って表現は次がありそうって思える。出して欲しい。
[4]完結性について(2009-07-20)
先ほど読み終わりましたが,夢中になって読んだ分,後半にもっと完結性が欲しかったと思いました。登場人物の行方なども途中投げ出しが多く,最後に結末を期待していたまま終わったので,読み終えたあとに中途半端な感じが残りました。ですが,あれだけ夢中になって本を読んだのは久しぶりだったので,さすがだなと思いました。

[3]読者によっていろんな読み方ができるかも(2009-07-19)
村上作品には好みが分かれる。独特のトーンと世界観が好きな人にはたまらない。一方で、それがハマらない場合には何とも響いてこないものだ。この作品は、「久々」の登場だったこともあって大変なブームだが、私には今ひとつだった。流行が流行を呼ぶのも、今の日本の社会の一つの特徴であり、問題である気がするのだが。。。物語としては、ファンタジーの面もあるが、人間関係を描いたものでもあり、社会へのメッセージと読み解くこともできる。そういう意味で、読者が色んな読み方が出来る点では素晴らしい作品とも言えよう。

[5]1Q84 1/ 2(2009-07-19)
突然の、物語の出だしがよかった。1984年版の当時の時代背景が鋭く、中々ミステリーな部分が現実みあってよかった。途中、わくわくしてくる感じがたまらなくよかった。
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アルケミスト―夢を旅した少年 (角川文庫―角川文庫ソフィア)

角川書店()
¥ 580
[4]勇気をもらいました。(2009-05-21)
自分を信じる事や、ゆだねる事の大切さに改めて気付かせてくれました。
幻想的で、絵本のように、楽しみながら読むことが出来ました。
読んだ後、自分にあてはめてみると、現実的にたくさんのことに
気付かせてくれました。
自分の人生や、自分の気持ちを、もっと大切にしようという気持ちが
わきました。

ただ、もっと踏み込んで書いて欲しい・・・と感じる箇所もありました。
でもそうすると、絵本的な魅力はなくなってしまうのですが・・・

人生に悩んだ時に、オススメの本だと思います。
[5]全ての事象には前兆があるのか(2009-02-27)
結構有名どころですが、

僕が読んだのは高校生のときでした、いろいろ考えさせられた言葉もあります。全ての事象には前兆があるというもので、哲学の要素が含まれますね、捉え方によっては宗教的だなと感じられるかもしれません。しかし、ストーリ的にはかなりセンスいいと思います。

高校生だった僕にはちょっと物語的要素が強く感じられましたが、ある種の宗教的パワーとかは人が強く念じれば実現が可能なのかもしれません。
それは只の自己暗示で人間の無意識下において実行されうる現象かもしれないということは、可能性として否定できません。
[3]読んで損はないレベルかな(2009-01-12)
世界各国で高い評価を得ている理由は分からないではないけど、主人公のサンチャゴの夢が、経済的な富(宝)を得ることである点に違和感を感じる。そんな俗っぽい夢ではなくて、純粋で尊い夢を追い求めてくれたら、もっと共感ができたのになあ。読んでいて、そのことが常に頭にこびりついてしまって、素直に感動できなかった。
その他、文化的・宗教的な知識がなかったからか、すんなりと入ってこない部分もあった。
でも、読んで損はない本だと思う。
サンチャゴとファティマとの恋を描いたところは好きだな。
[4]自己啓発に役立つと聞いて読んでみましたが(2008-12-12)
 私は自己啓発系の本だと聞き、この小説を買い求めました。

 内容としては、自己啓発というよりもファンタジーの割合が多いですね。でも本物の錬金術師(アルケミスト)が出てくるような内容ながらも、ディティールがしっかりしていて奥深さが感じられます。いかにも1世紀前のスペインの山奥だとか、砂漠の静けさ・・・などをイメージさせる文筆はさすがだと思いました。価値感の違い、などが特に聞いています。
 ファンタジー寄りではありますが、自己啓発の部分が(直訳と間違えかねられない、すらすらとは読めない文章も)あるからこそ神秘的になっていて、切っても切り離せないと思いました。
 たまにはこんな人生の知恵、深い気持ちを味わってみるのも、自己啓発としては悪くない気がします。
[5]悔いなく生きるために(2008-12-09)
生きることが「守られること」ではなく、「死と共に歩むこと」であった時代、私たちはたしかに私たち自身の人生のあるじだったのだ。
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ねじまき鳥クロニクル〈第1部〉泥棒かささぎ編 (新潮文庫)

新潮社()
¥ 540
[1]これを傑作という今の読者層って・・・(苦笑)(2009-05-29)
村上春樹、誰もが一度は読んで「わかった気になり」、いっぱしの文学青年を気取る作家の代表ですね。
昔はまったく違う作家がこのような位置にあったのでしょうし、今の読者層が特に知的レベルが下がったともいえないかもしれませんが・・・これを傑作ともてはやす人たち、あまりに読書してなさすぎ。
20代までの若い読書好きたちよ、とりあえずトルストイやバルザック、ディケンズを読んでから、もう一度ここに戻っておいで。30代以上で村上春樹のこの本がいい!と思ってる人は申し訳ないですがそのままでいいです。

この作品は中学生くらいで読んで、「わけわからんけど、なんかおしゃれ!」、で終わっていいと思います。構成、表現、登場人物の作りこみ、すべて浅薄です。あまり読書してない人にはこういうのが深そうに見えるんでしょうね・・・。世の中にはもっともっと優れた本がたくさんありますよ!!!
[5]いい本でした(2009-05-22)
あることで非常に悩んでいたとき、むさぼるように本を読んでいて、この一冊に出会い、ぐいぐいと引き込まれるように読みました。その後、今までの悩みがふっ切れたようになり、また現実に戻ることが出来た。といった、出会えて本当によかったと思える本です。
[2]すまない・・・・・・。(2009-04-22)
私が馬鹿なのか?それともこの作品が難解すぎるのか?
言いたい事は何と無くわかるのだけれど、抽象的過ぎてついていけない……。
そうかこれが純文学か!

一応三巻全部読破するつもりだが、起承転結がなくて挫けそうになった。なんというかけれんみがないから余計に辛い。森博嗣を初めて読んだときと同じ置いてけぼり感を食らってしまった。

主人公がこの手のにありがちな透明さがあったという以外は……一巻は特に面白みがなかった。ここまで読み手を試す本は初めてだ。
[5]ねじまき鳥の登場と猫の失踪で動き始める、避け得ぬ苦難を迎える夫婦の愛(哀)の物語の序章(2009-04-12)
「あなたは私と一緒に暮らしていても、本当は私のことなんかほとんど気にとめてもいなかったんじゃないの?あなたは自分のことだけを考えて生きていたのよ。きっと」

この三歳で祖母に預けられた経験を持ち、主人公と出会うまでは絶対的な孤独を背負い生きてきたクミコ(主人公の妻)の言葉に彼女が抱える深き苦悩と夫を心の拠り所としていることが如実に現れています。

最後半、二人がお世話になった預言者である本田さんの第2次大戦時の上官・間宮中尉の外蒙古での諜報活動が独白される中、恐らく陸軍中野学校卒の上級情報将校がソ連の将校・ボリスに全身の皮を剥がれる様が描かれますが、それはまたクミコが抱える苦悩や心の痛みの大きさが比類なきものであることの暗示でもあるのでしょう。

アムステルダムでの最後の英会話でフリージャーナリストの26歳の英国系女性は「ねじまき鳥クロニクル」のsurrealな世界にとても魅かれたと言っていました。ある種の人にとっては限りなく深い意味を持つ、村上さんの幾分かは自伝的な小説です。
[5]個人的に人生のベスト3に入れると思う(2008-12-24)
とある大物芸能人が昔、
「ある女優さんの話なんだけど、その人は『この世界とは別のもうひとつの世界へ行き来することができる』って言ってて。
あっちの世界はこちらの世界とほとんど何も変わらなくて、瓜二つなんだけどあっちの世界では争いがなくてみんな幸せに暮らしてるんだってさ」
とテレビで喋っていた記憶があります。仔細は間違ってるかもしれませんが概ねこういう内容だったはずです。

読まれた方はご存知とは思いますが、この作品の中で主人公は似たような体験をしていきます。

個人的にその話とこの作品を頭の中で並べたとき――
その話は単なる作り話ではなく、
この作品は単なる物語ではないのではないか、という疑問に駆られてしまいます。

作品中ほぼ主人公の一人称で『性質も場所も時代もまったく異なる複数の物事(それ自体が随分と現実実がなく、荒唐無稽な話も少なくない)』聞いたり経験していきます。
全く関連性の無いそれらに対し、主人公は整合性に欠けているのを自覚しながら、説明のつかない、証明しようがないなにかを見出し、あるはずのない共通項を拾い上げ、縫い合わせていく。ある場所に辿り着くために。

他の評価の低い方のレビューを見て、まぁしょうがないかもな、という感覚もあります。
無茶苦茶だし気取りが鼻につくからなぁw
でもこんな表現ができる作家さんってきっと滅多にいないでしょうね。

一部の後半では読んでいて体の震えが止まらなくなりました。本を読んでいてこんな経験は人生初(最後かも)でした。

見えるものだけが、科学で証明されるものだけが全てではない、と思っている方には是非読んでいただきたいです。

ちなみにはじめの大物芸能人は誰かというと『昼メガネ』と再ブレイク芸人にあだ名をつけられていた方ですw

以上、長文失礼しました。
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天使と悪魔 (上) (角川文庫)

角川書店()
¥ 620
[4]3点の面白いところ(2009-07-19)
本書の面白さは、3点あげられます。



宗教と科学の対立がもとになっている物語であること。

ガリレオのつくった秘密組織とキリスト教の対立など、

学が無い私からすれば、どこまでが本当で、どこまでが創造なのか区別がつきません。



そして、物理のこぼれ話。

物質と反物質、セルンの加速実験から生み出された物質と反物質の話など、

著者がかなり素粒子についてよく調べているということでしょう。

反物質を集めることなんてできたら、本当に大爆発が起きるのでしょうか。



そして、スピード感。

謎の組織の動きと、主人公の動きが細かく章分けされ、同時に進んで行きます。

24時間以内に、任務を執行しないといけないというルールなど、

ドラマ「24」のような、ハラハラドキドキ感を演出しています。

そして、最後には逆転の逆転で犯人が決まって行きます。
[3]ちょっと期待しすぎたかな・・(2009-07-11)
とにかく「ハリウッド系」小説です。
個人的には派手さより内面からグイグイくるような話が好きなので、エンターテイメントな作品はあまり合わないようです(もちろん笑えるとこあり、奇想天外なとこありで好きな方にはお勧めですが)
それと話の内容に対して小説が長すぎな感じが少ししました、上下巻ぐらいでぎゅっと凝縮させればもっとメリハリがでて良かったかもしれない。
ダビンチコードが凄くおもしろかっただけに、少々残念。
[1]うーん・・・・・・。(2009-07-09)
あんまりおもしろくなかったのでこの評価です・・・・。
[4]映画より原作(2009-06-07)
映画も観ましたが断然原作のほうが面白いです。なにより登場人物のそれぞれの関係性の対比が、この作品のタイトルや科学と宗教という相対するテーマ性にもリンクしていて唸らされます。同時代を生きたヴァチカン寵愛の芸術家ベルニーニとヴァチカンに敵視されていたガリレオの関係も一見対比してるようで面白いです。
他にも、コーラーとカメルレンゴ、ヴィットリアとラングドン、それぞれの関係性は映画では描ききれてません。
サスペンス性の高さに関しては人それぞれ意見の分かれるところでしょうが、タイムリミットに向けての謎解きのギリギリの緊張感も原作の方がありましたね。映画観た方も一読されたほうが良いかと思います。
[5]映画を先に鑑賞してからでも大丈夫かと。(2009-06-02)
私は、映画館で先に映画『天使と悪魔』を観てから原作の小説の方を読みました。

先に『映画』を鑑賞してから『原作』を読んでも悪くはないと思います。
――ですが映画のほうは、取り扱っている内容のボリュームから考えてみると、短い時間の中で話が展開しているために、若干、理解しづらいところもありました。

『原作』の方は、映画版とは出てくる人物が若干違うものの、内容的には、かなり似ていると感じました。
小説の中のセリフなども、かなり似ています。
『原作』自身も、話しのテンポがとても良いため、映画を観らず、先に本を手にしても、すんなりと読めてしまうのではないかと思います。
途中で煮詰まることもない思います。
ただし上巻については、物語上、物理学を扱った内容が展開するので、文系出身の私としては少し理解するのに苦労しましたが、それでも、読み進めることができるので大丈夫です。

映画と原作……どっちがいいかと聞かれたら、個人的には『原作』をおススメしますv
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ねじまき鳥クロニクル〈第2部〉予言する鳥編 (新潮文庫)

新潮社()
¥ 580
[4]物語は続く(2008-02-24)
この話、全然終らない。

でも実はこの作品、94年に第2巻まで発売され、2巻のエンドロールには「続」ではなく、「完」が記されていた。つまり、2巻完結の長編小説として世に送り出されたわけだ。

ところが翌年の夏に、予期せぬ形で第3部が刊行された。

「予期せぬ形で」とは言っても、第2部を読了した今思うことは「えっ?これで終わり?謎だらけなんですけどー」って感じだし、続編が刊行されてることは何の違和感もない。

この謎だらけの物語がどう収束するのか、僕は期待に胸を膨らませ、第3部に移る。


最後に第2部で印象に残った文章を記して終ろう。


「加納クレタが僕に向かって微笑みかけたのはそれが初めてだった。彼女が笑うと、歴史が少しだけ正しい方向に向けて進み始めたような気がした。」

[5]再読を終えて。(2008-02-09)

笠原メイ、加納クレタ。この二人の女性との絶妙な距離感での関係を中心に、一部では何がどうなっているのか解らなかった主人公が、自分のすべきことを見つけ出すまでの第二部です。
 
笠原メイの「あの女の人を抱いたから、もう私には用がなくなったってことなの?」というキビシイ言葉が妙に心に刺さりました。

夏の暑さと何ともいえない倦怠感を感じることのできる一冊です。
[5]不気味な説得力(2008-01-24)
ここ一ヶ月間、発表年順に村上春樹の作品をほぼ全て読んできたが、これが最高傑作だと思う。これほど面白い小説も珍しい。面白さという点で、東野圭吾の「白夜行」と双璧だ。また、なにげなく書かれているようだが、方法的にも考え抜かれた作品だ。ボルヘスなどラテン・アメリカ文学、ヌーヴォー・ロマンなどで試行されてきた実験的手法が使いこなされているように思える。
中巻はますます荒唐無稽だが、不思議な説得力がある。登場人物達が体験するようなシンクロニシティーや現実のような夢を(勿論、遥かに淡いものだが)私自身何度か経験しているからだ。その度に、宇宙は不可知のカルマと意味に満ち溢れたものであり、心と物、自己と他者はくっきりとは分離できず、別次元では相互に融合しているような感覚に陥るのだ。
そうした神秘感覚を煮詰めたような作品でもある。
クレタという女?が最も謎めいている。クミコの多重人格的無意識が創ったドッペルゲンガーのようにも見えるし、マルタの実在する霊媒の妹、ねじ巻き鳥の化身、宮脇の次女の幽霊のようでもある。
[5]夢と現実とが交差した世界の表現に圧巻(2007-09-28)
 村上作品の中で初めて、主人公が怒り、暴力をふるう場面のある作品でもある。
 
 まるで霧の中に迷い込んだかのような、夢と現実とが交差した世界の中で主人公(岡田)が困惑する。また自らが井戸の中に入り、クミコの失踪の原因について深い瞑想をし探求しようとする。井戸の中での体験が非常にリアルだ。
[5]小さな声で語られる、本当に大切な情報(2007-09-22)
第2部「予言する鳥編」は妻のクミコの失踪という大きなトラブルより幕を開ける。この2部での主人公のオカダトオルに課せられた使命は、孤独と言うものを受け入れ、情報が明確にされるまでじっと待ち続ける事。それは、とても絶望的で多くの傷みを味わう作業であると思う。時にそのとてつもなく閉鎖されたその状況に辟易し、海外へ逃亡という道を選ぶ事を考えたりもするが、結局そこに居残る事を選択する。そして、この2部でも最もキーとなる場面であるが、謎の女の正体をついに自分で探し当てる事となる。

この「予言する鳥編」では、様々な登場人物の一言一言がとても重要な鍵となっているように思う。そしてそれは現代に生きる人々にとっても本当に重要な事なのではないか?という風に僕は感じている。

「自分にとっていちばん大事なことは何か、もう一度考えてみた方がいい」
「『新しい世界を作ろう』とか『新しい自分を作ろう』とか、誰にもできないんじゃないかな」
「それはお前が自分でみつけて、自分でやるしかない」
「ここは血なまぐさく暴力的な世界です。強くならなくては生き残ってはいけません」
「良いニュースというのは、多くの場合小さな声で語られるのです」

自らの想像力を超えたトラブルは、自分を見失わせてしまう。そして、自分が安心する為に何かに逃亡したり、依存したり出来てしまうシステムが、この世界に多く存在している。オカダトオルの行動は一介、奇怪なものに映るかもしれないし、随分と遠回りしているようにも見える。だが、本当に自分が求めなくてはならない情報は、自分のやり方で細かく時間をかけて追わなければ見つからないのだと思う。疲弊しながらも最終的に「良いニュース」に辿り着いた彼は、3部の「鳥刺し男編」にて自分にとって最も大切なものの為に、行動をしていく。
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夜想曲集:音楽と夕暮れをめぐる五つの物語

早川書房()
¥ 1,680
[5]心にしみこんでくる、端正でこよなく美しい余韻(2009-06-29)
 本棚の最も大切な場所にそっと大切に置いておきたくなるような、カズオ・イシグロさんの始めての短編集、<音楽と夕暮れをめぐる美しい5つの物語>。 

 夢や憧れの象徴としての音楽、そして、昼が終わり暗い夜に変わろうとする夕暮れは、過ぎ去った人生への思いやあきらめを象徴しているかのようです。
  
 なかでも、サラ・ボーンの歌う、ハロルド・アーレンの美しいジャズのスタンダードナンバー「Come Rain Or Come shine」にちなんだ「降っても晴れても」は、なんとも言い表わしようのない深い感動が残りました。
 
 いずれの作品も、登場人物たちの信じていた夢とあきらめとの間の、微妙な心の揺れが端正で美しいタッチで描かれていて、ふかい余韻が残ります。

 翻訳は、カズオ・イシグロさんの英文を知悉なさっていらっしゃる土屋政雄さんの名訳です。

関心をお持ちの方は Farber and Farberの<NOCTURNES / Five Stories Of Music and Nightfall> を、ぜひ、検索なさってみてください。しっとりとした、端正なたたずまいのカズオ・イシグロ英語が堪能できます。こちらも、ハードカバーで、装丁がとても瀟洒で素敵です。 

 いずれも最高の五つ星です。

  
[4]音楽を愛する人々の人生模様を緩やかに描く著者初の好短編集をお楽しみください。(2009-06-21)
長崎県生まれの英国人文学作家カズオ・イシグロが2005年のベストセラー大作「わたしを離さないで」以来4年振りに刊行した著者初の書き下ろし短編集です。著者は若い頃ミュージシャンを目指した時期もあったとの事で、本書に登場する音楽を愛する人々の姿から著者自身の若き日の音楽に対する熱い想いが伝わって来ます。本書収録の5編はどれもリラックスし肩の力を抜いて書いた小品の趣で、タイトルから連想される様な重々しい物でなく、むしろコミカルで人生どう転ぶか解らないという緩やかな可能性を秘め、読み手に自由に解釈を委ねる結末には微かにそこはかとない夢と希望が感じられます。
『老歌手』ベネチアのカフェで演奏していた流しのギタリストの私がアメリカの往年のベテラン大物シンガーと出会い、音楽人生への想いと長く愛し合って来た夫婦の行く末を教えられます。『降っても晴れても』大学時代の友人夫婦と久し振りに再会した僕に夫が夫婦の危機を打ち明ける。夫婦が不在で留守番中にひょんな事から犬の匂いをでっち上げるというとんでもない展開になる本書一番のユーモア編です。『モールバンヒルズ』ギター片手にシンガーソングライターを目指す学生の僕は都会暮らしに行き詰まり、ひと夏を田舎の姉夫婦のカフェで過ごす事にした。僕は店で働く内に出会った音楽家夫婦の険悪な仲を目撃する。若き日の著者を思わせる主人公の情熱と冷めた中年妻の諦念が対照的です。『夜想曲』テナー吹きの俺は他の男に惚れて別れようとしている女房の勧めで顔の整形手術に踏み切る。病院で「老歌手」のシンガーの元妻と出会った俺は、やがて二人共に包帯姿のままでちょっとヤバイ犯罪事件を起こしてしまう。『チェリスト』若いチェリストの青年が自称チェロ演奏の大家と名乗る旅のアメリカ人女性と出会い個人指導を受ける奇妙だが充実した日々を描きます。ますます円熟味を増す著者の好短編集をお楽しみください。

[5]長編にはない新鮮な趣が・・・(2009-06-15)
過去、文芸誌等にていくつかの短編(『夕餉』など)
は訳出されたことがあるものの、
「短編集」としてはイシグロ初の一冊。

通奏低音として流れるのは、引き続き
「個人にとっての大事な過去と、記憶の改ざん」
というテーマであり、夕暮れの時刻はまこと
そのテーマに相応しい。
また元ミュージシャン志望だけあって音楽には詳しく
全編男女の悲哀に焦点が当てられ
一篇を除いて舞台を都市に設定するなど
長編にはない新鮮な趣がある。

どちらにせよ、一読して地味な作品群ではある。
しかし氏の敬愛するチェーホフと同じく、
表面的な静けさが必ずしも文学的な静けさでは無い、
ということが真に理解できる一冊である。

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朗読者 (新潮文庫)

新潮社()
¥ 540
[5]泣ける話(2009-07-20)
サフラン・キッチンに続いて、新潮社のクレスト・ブックスのシリーズの一冊を読んだ。

重い一冊。15歳の少年が21歳年上の女性と恋に落ちる。その女性には秘密があった。単純にいうとこれだけの話だが、ドイツということもあり、ナチの戦争犯罪などもあり、とても重い。

主人公の哲学者の父親との会話も、人間の自由と尊厳の本質をついていて興味深い。

朗読者というタイトルも、この書物をよく表している。こうやって、本を読めることがいかに、幸せなことなのか、改めて思った。
[4]ある時代が生み出した皮肉な物語だった(2009-07-11)
ずいぶん前から僕の周りでは話題になっていて、
そのままにしてたら、
先日マイミクさんに渡されて、
読んでみました。

前半、
お、なんだこれ、
官能小説か?
なんて思って喜んで読んでいましたが、
なんのなんの。

ものすごく重い命題が含まれた作品でした。
年上のきれいな女性と、
高校生の少年。
二人の関係を、少年の目線から描いている。
まずは、
その感じが良い。
単純に、少年時代に健全に生きてきた男にとって、
共感と言うか、
そのあこがれる心は、
永遠とも思える記憶として誰もが持っているだろう。
もちろん、ここまでうまくいった(?)例はそうないだろうけど。

しかし、実はそれは大きな前ふりで、
その一緒に過ごした時間が、
甘く濃厚であったがために、
少年は、そのことを抱えながら生き続けることになる。

中盤以降の、
年上の彼女が、元ナチスの看守であったこと。
その裁判を傍聴し続けることで、
彼女と再会する少年。
その裁判によって、
彼女の秘密を知り、
葛藤の中、
服役する彼女に朗読を続けることにする彼。

衝撃な結末とともに、
そこに至る過程と、
書かれている問題の重さは、
読む者を圧倒させる。
前半の二人の関係と、
後半の二人の関係の変化もまた、
愛の本質を考えさせる、
何とも切ない、
ある時代が生み出した皮肉な物語だった。
[5]ハンナはわたしだ、という作者の声が聞こえる(2009-06-29)
 第二次大戦の傷深いヨーロッパについにこういう作品が出た。終戦後は戦争被害者の立場から書かれた作品が感銘を与えた。時を経て今までの経験や価値観では割り切れないものが残った。小説も映画も独特の哲学をもち、あの悲劇の時代を考察し始めた。
 ハンナの存在に魅了されるひとは多いだろうが、いっぽうでハンナのさまざまな特質ー彼女が清潔好きだという点、所作がぶっきら棒に見えるほど逞しい肉体の持ち主だという点、曖昧さのないきりっとした性格など、このようなあまたの美点こそナチズムに結びつく欠点でもあった、そんなことにも気づかせてもらった。最後の年々日々のハンナはまさに殉教者を彷彿とさせた。彼女の受難に、態度に自分を重ねている作者の声が聞こえてくるような気がする。ヨーロッパ人の声が聞こえてくる。
[5]みんななんか変ですよ(2009-06-28)
みんななんか変ですよ。
映画を見た人ならともかく本を読んだ人がみんな作者のトリックに引っかかったままなのは。
この本は自分の価値観をすべてなくして読まないと感動は得られないと私は思います。
これから書くことが違反なら報告してください。
ミステリーの分野じゃないから大丈夫かな?
「おーい 彼女が主犯でないことを知ってるひとがもう一人いるぞー」

私は作者は天才だと思います。
[5]映画を見た方へ(2009-06-21)
先日この小説を映画化した「愛を読む人」を見、映画を見てこの小説を読もうと思った方の参考になればと思っています。 映画では、官能的な場面や裁判の場面など印象的なシーンが多い中、ケイト・ウィンスレット演じるハンナの秘密は何なのか、ということがこの映画の見せ場になっていると感じました。 しかし小説「朗読者」ではその秘密に対するハンナ、そして戦犯者だったハンナを、愛してしまったマイケル、それぞれのコンプレックスに対する姿勢が描かれており、それがこの小説の一つの魅力になっていると感じます。 小説では、映画で少ししか描かれなかった第二次大戦での犯罪を傍観していた親や教師などの大人たちに対する、当時の子供たちの思いなど深く描かれたものが数あり、映画を見た方は是非小説も読んでみて欲しいと思います。 また小説は読んだが映画はまだという方は、映画も見てはいかがでしょうか。 小説とはラストシーンが違い、個人的には映画のラストシーンの方が好みでした。 楽しめると思います。
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モモ (岩波少年文庫(127))

岩波書店()
¥ 840
[5]大人になると別の形で心にしみるかもね。(2009-02-01)
ある本を探して本屋さんをブラブラしていた際、
たまたまカートに置かれていたこの本を見つけました。
小学生のころに、面白い本と有名だったな。
そんなふうに思いながら、
目的の本も買わずに思わず衝動買いしてしまいました。

有名だっただけに話の内容はネタばれで、
小学生のころはスルーして読まなかったのもこの本です。
たまたま手に取って読みましたが、
うわさ通りの内容ですね。大満足です。

子供でも十分に内容理解できると思いますが、
大人になってから読むと、また違うものを感じられるのでは。
個人的には、「時間は心で感じるもの」という考え方に
一番グッときました。

読み終わって間もないうちに再び開き、
何度も読み返しています。
何回読みなおしても飽きないのが不思議で、嬉しいですね。
読むたびに心休まる一冊です。

[4]児童文学ということで…(2009-01-26)
子どもでも楽しめると思いますが、
忙しい大人の方に読んでいただきたい物語です。

「忙しいのに本なんか読んでられるか!」
と思う人の方が考えさせられる事が多いのではないでしょうか。

残念なのは、
「児童文学」ということもあり、
平仮名が普通の本よりも多く、
少し読みにくいということです。

読んでいて、
テンポが出にくかったです。

「テンポが出にくい」と感じている、
自分自身の感覚自体を変える必要があるのかも知れませんが。

「時間」というものについて考えさせられる物語でした。

評価は、星4つです。
[5]レヴューというより、雑感ですが、(2009-01-24)
 柄にもなく、美しい描写から紹介したい。
 魔法の鏡はね、ひとりでのぞきこんだ人間から永遠のいのちをうばうだけなんだ。ふたりしてのぞけば、また死なないようになるんだよ。(中略)モモとジジはしずかにならんで、長いあいだじっと月を見つめました。こうして月を見ているかぎり、ふたりは永遠に死ぬことはないと、つよく感じていたのです。
 寺山修司は書いた。とりはとりでも飛べないとりは、なぁんだ?――それは、ひとり、というとりだ、と。人は一人では飛べない、けれど、二人なら飛べる、寺山はそう考えていたのだろうか? 
 この本の巻末に、佐々木田鶴子という人が、エンデとの思い出を回想している。これによると、「エンデ自身は書物を通じて東洋に関心があった」らしい。とすれば、やはり、可能性はあるかもしれない、と私は考えた。
 というのは、こういうことだ。私が注目したのは、エンデを異世界に連れていく役目を果たすのが、一匹のカメである、という点である。そして、その異世界は、〈時間〉と深く関わっている。異世界とカメと〈時間〉。三つを結びつけて浮かび上がってくるのは、日本の昔話、「浦島太郎」だ。つまり私は、エンデは、「浦島太郎」を意識しながら「モモ」を書いたのではないか、と考えたのである。
 〈モモ〉という名前も気になる。ひょっとしたらエンデは、日本の昔話「桃太郎」から、〈モモ〉という名を思いついたのではないか。〈モモ〉が〈時間どろぼう〉たちをやっつける話として、物語「モモ」が読めるとすれば。――そんなわけ、ないか。
 行き場を失った子供たちは、〈子供の家〉で、大人の言う〈役に立つ〉遊びをやらされる。子どもたちは、大人が教えなくても、空き箱の二つ三つがあれば、いつでも、冒険の航海に出ることができる。子供たちが自由に空想の翼をはばたかせるができる環境づくりこそが、子供たちにとっては、本当の意味で、〈役に立つ〉ことになるはずだ。どこを見渡しても同じ道路、同じ建物、同じ服、同じ考え、同じしゃべり方、同じ歩き方、なんだか、顔までそっくりに見えてくる。そんなの、いやじゃありませんか。エンデに、そう言われているような気がした。
 引用はしないが、ラストの描写が、とても、美しい。ぜひ、手にとってご確認のほどを。
 附記。この本の冒頭に、アイルランドに伝わる歌が載っている。私の勝手なイメージでは、アイルランドと言えば、ケルト信仰が思い浮かぶ。あるいは、エンデは、ケルト信仰も意識していたかもしれない。
[5]「残業依存症」から立ち直った、今の読後感(2008-11-18)
何人かの方が書いているのと同じように
子どもの頃は、誤解からずっと敬遠してました。
優等生の読書感想文御用達っぽかったし、
その感想からは、スローライフ的説教臭さも感じたし…

体調悪化と、我が子の出産に先立って、残業まみれの生活から足を洗い
(このご時世、かなりの勇気が必要でしたが)
ちょっぴりできた心のゆとりに、好きだった読書を再開した矢先、
文庫化にともない訳が新しくなったと知って読みました…

…本当に良いタイミングで出会いました。
子ども向けのファンタジーではありますが
私にとってはファンタジーとは思えないリアルさを感じました。
エンデすごいです。

もちろん、現実の社会にはモモのような
自分の代わりに、灰色の男たちから時間を取り返してくれる人はいません。
そこで、自分にとっての「人生の価値」を決め、せまり来る「時間どろぼう」と
実際に戦うのは自分自身なわけですが。

自分に科せられた仕事が1日に100だとしたら
「1日に120済ませれば、あとがラクになる」などと、誰もが一度は考えるはず。
でも現実には、翌日にもやっぱり仕事は100あって
永遠にラクにはならずに一生を終えてしまうんじゃないでしょうか…?

100の仕事を一生懸命やって、早めにその日の仕事を終える。
残りの時間は自分や家族のためにつかう。

それが実践できれば、この本の本当の面白さが味わえると思います。
大人こそ、ぜひ。
[5]小学生ではじめて読み(2008-11-04)

モモをはじめて読んだ小学5年生の時、これ以上無いほどのスリルを味わいました。まだ難しい本は読めない年頃でしたが、特に行き詰まることなくすらすらと読め、話の内容も掴みやすいものでした。

細い糸がはったような緊迫感を強く感じ手に汗が浮かぶほど胸が高鳴ったのをよく覚えています。

中学生になってからまた読んだときにはまた違った見方が出来ました。風刺された現代の流れや畳み掛けるような文、こまやかで美しい独特の世界観、無色でさびしい町の描写……どれも他とは違う素晴らしさに新たな発見など。

いくつになっても楽しめる作品ではないでしょうか。
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- はてしない物語 (上) (岩波少年文庫 (501))
- はてしない物語 (下) (岩波少年文庫 (502))
- エンデの遺言―「根源からお金を問うこと」
- 鏡のなかの鏡―迷宮 (岩波現代文庫)
- 「モモ」を読む―シュタイナーの世界観を地下水として (朝日文庫)

偽物語(上) (講談社BOX)

講談社()
¥ 1,365
[5]ファイヤーシスターズ(2009-06-15)
暦の妹でありファイヤーシスターズ実戦担当の火憐の物語。

正義を貫く少女。その正義感が事件を生んでしまう。

この物語は火憐の物語ということで暦との兄妹会話が良かったです。


暦も火憐と仲が悪いと言うが火憐は暦にとって自慢の妹でもあり大切な妹でもあるんだなと感じました。

めちゃくちゃ面白かったです。
[5]阿良々木ハーレム(2008-10-25)
まず、「上下巻だから...」と買うのを、読むのをためらっている貴方!OKです。買っても読んでも!『この後、どうなるんだよ!次はいつ出るんだよ!!』はなしになってます。私も、この本を読み終わって安心しました。ふぅー

西尾氏&このシリーズのファンの方なら、おなじみだとは思いますが、ついついよんでいると顔がニヤリとほころび、にへらとわらってしまう一冊に仕上がっています。阿良々木ハーレムを堪能できる一冊です。


[5]いつも通り……なのか?(2008-09-06)
言うまでもない掛け合いの面白さをはじめ、(このシリーズに対する)期待を裏切らない一冊でした。楽しかったです。


が、最後の最後、さらっと読んでいると気付かないかもしれませんが、強烈な問いがふと置いていかれます。暦とひたぎの恋人関係ってもしかしたら……、というifでもあり、そして二人の今後に何かを暗示するような、あるいはそう思わせて特に何もない「これまで通り」が続くのか。思えばこれまでも何度かこっそりと示唆されていましたが、西尾はここではっきりと示してきたわけです。
どうということも(少ししか)ない日々の、不条理さ、偶然性という「怪異」。今あるすべてのものは、その「怪異」によって作られ、そしていつでも壊されうるということ。

一見本編とあまり関係ないようにも見える前半の「ハーレムルート」も、それに至る伏線と見ると、それが一見おもしろおかしいただの日常でしかないだけに、かえって刺さってくるものがあります。
[5]やっぱり面白い(2008-09-06)
化物語の後日談と言うことで、大変期待していた本作ですが、十分楽しめました。
シリーズ特徴の、キャラ同士のテンポの良い掛け合いは健在。
更にレベルアップしていたようにも感じられます。何度も声をあげて笑いましたw

本作、偽物語では、化物語・傷物語で本編に直接絡むことはなかった、主人公の妹達である
火憐と月火に焦点が当てられています。
どちらも個性が強く、良いキャラをしています。
改めて、西尾氏はキャラクター創作が上手いと思いました。
シリーズ主要登場人物総出演、偽物語、是非オススメします。

追記。
作中でも多く触れられていましたが、ついに化物語がアニメ化ですかw
そちらも楽しみです。
[3]アニメ化されるから続編?(2008-09-05)
『化物語』,『傷物語』につづくシリーズの3作目で書きおろし作品.
主人公の妹たちの物語で,時系列としては過去作よりあとになります.

とはいうものの,語り部も兼ねた主人公は全編を通じて出ていますし,
前半は,代わる代わる登場する過去作のヒロインらとのやり取りが中心.
そして,半分を過ぎるころにようやく『本編』がはじまるという展開です.

ただその前半,おなじみのにぎやかさはいつものように楽しいものの,
ほとんど本編には関係なく,『新たな物語』という点では物足りません.
後半は後半でバトルにほとんどが割かれ,ほかの気になる場面はあっさり.
『偽物』と絡めた展開はよかったのですが,もう少しバランスがよければ….

お得意の掛け合いも,さすがにシリーズ当初ほどのインパクトはなくなり,
ギャグやツッコミ,エッチな場面など,ワンパターン化は否めないところで,
お得意の小ネタもマニアックになって,ピンとこないものがいくつかあります.

完結したはずの物語の続編で,ファンとしては歓迎すべきなのでしょうが,
登場人物に喋らせていた「アニメ化されるから続編云々…」というセリフが,
自虐のジョークとわかっていても,読了後にはなんとも皮肉に感じられます….

なお,もうひとりの妹をメインにした下巻は09年06月に刊行予定とのことです.
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