6月なので、ブログのヘッダーを変えました。(アカアカデミア橋から見る、カナルグランデ大運河の夕景 | ザスタのクマさん

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6月なので、ブログのヘッダーを変えました。





アカデミア橋から見る、カナルグランデ大運河の夕景運河・ゴンドラ・建築物と、
ベネチアを代表するものが凝縮されていますね。
奥に見えるきれいな円形の建築物は、サンタ・マリア・デッラ・サルーテ聖堂です。

夕映のアカデミア橋というのは、たいてい写真家と観光客と、
それから少しだけ詩人を寄せ集める場所である。

私がそのどれに属するかは、本人としても判然としない。
ただ、橋の欄干に肘を置いて、カナル・グランデを一枚に
押し込めようとするあたり、俗物の端くれであることは疑いない。

奥のサンタ・マリア・デッラ・サルーテの丸屋根は、その上に慎ましやかな
後光を頂き、老いた修道女の様な顔つきで、なおも観光客カメラに耐えている。

どこかで油の焦げる匂いと、古い水の匂いがまじり合って、
今日という一日の底の方から立ちのぼる。

ゴンドラはといえば、さすがにこの時間ともなると勤勉さを失い、
店仕舞いを決め込んで、ため息のような波だけ残して
桟橋の陰へ引き上げてしまった。

その代わりと言っては何だが、モーターボートが一隻、
こちらに向かって直進してくる。
水面を割るその進路は、図々しいまでに一直線である。



原画

アカアカデミア橋から見る、カナルグランデ大運河の夕景




ボートの先端が、真っ直ぐこちらの胸元を狙っているように見えるのは、
運河の向きのせいなのか、それとも自分が世界中の遠近法の消失点に立っている、
ささやかな思い上がりのせいなのか。

ベネチアという都市そのものが、沈みかけた時間の上にしがみつく
建築物の群れだとすれば、その上に橋を架けて眺めている自分は、
沈みゆく物語を見物するだけの、無責任な観客にすぎないのかもしれない。

夕映えは、いつのまにか、群青に変わっていた。
運河に灯る明かりが、風にちぎられた金箔のように、
ちょっとずつ揺れている。欄干の上を、後から来た観光客の肘が、
入れ替わり立ち替わり占領していく。

本当のところ、あの瞬間、私がレンズ越しに見つめていたのは、
ベネチアでもボートでもなく、轢かれ損ねた自分の胸の内だったのかもしれない。
けれど、それをそのまま写すには、この街は、あまりに絵になり過ぎる。

そこで私は、アカデミア橋を後にしながら、こう考えることにした。
抒情とは、臆病な自意識が、風景に払う、ささやかな落とし前なのだ、と。

撮影  文 熊谷




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今日が良い日となり、

明日がさらに素晴らしい日となりますように晴れ

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