今日は食べ物を大切にする日 | ザスタのクマさん

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食べものを捨てることなく食べきることが健康にも通じるとから、
健康長寿を祝う「重陽の節句」にあたる9月9日としたもの。

また、食べものを捨てないん(ナイン)残さないん(ナイン)の語呂合わせも。
秋の実りを迎える日に食べものの行方を考える。

食べものを粗末にしない心を、ただの標語で終わらせず、
少し洒脱に、少し痛切に響かせたい。

九日 皿の上の秋
九月九日。菊の香はまだ仄かに、膳の上には白い飯がひかり、
ひとひらの菜が、まるで夕暮の雲の名残の様に箸先に残ってる。

人はそれを些細なものとして見過ごす。
けれども、棄てられる一片の飯粒にも、

畑の風があり、曇天を気づかう農夫の眉があり、
水の匂いをふくんだ土の沈黙がある。






われわれは、飽食を文明と呼び、余ることを富と見なし、
惜しむことを吝嗇のように考えがちである。

だが真に貧しいのは、物の背後にひそむ歳月を感じぬ心。

皿の上に残された半片の魚、冷蔵庫の奥に忘れられた菜葉、
その小さな亡骸の列は、華やかな市井の灯の裏に、
ひそかに累々たる墓標を築いている。






食べものを棄てぬということは、ただ倹約のためではない。
健康とは、過度に貪ることでも、無造作に余らせる事でもなく、
己が身に要るだけを知る静かな分別に宿る。

多く買わず、よく見、先にあるものから食し、
余りは別の一椀に生かす。そうした慎ましい工夫は、
節制という名の、もっともやわらかな徳である。






重陽の節句は長寿を祝う日であり、
九という数を重ねたこの日には、
生命を粗末にせぬ願いが潜んでいるという。

九月九日が食べものを大切にする日に重ねられたのも、
食べものを捨てナイン、残さナインという言葉遊びだけではなく、
命のめぐりを敬う心に通じるからだろう。






もしフードロスをなくしたいなら、
壮大な理想から始めるには及ばない。

今宵の食卓にのぼる一椀を、
最後の一匙まで味わうこと。

そこから世界は、音もなく矯め直される。
もったいないという古びた言葉は、
実は未来に向けた、もっとも新しい祈りなのである。



最後までご覧頂きありがとう。

今日が良い日となり、

明日がさらに素晴らしい日となりますように晴れ。

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撮影レタッチ  文   熊谷