紫陽花いろのもののふるなり (梅雨の絵はがき) | ザスタのクマさん

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時節がら、こんな絵はがきを作ってみました。


高校時代にかなり傾倒したにもかかわらず、その後ほとんど読まなくなってしまった
小生にとって懐かしき詩人、三好達治(1900年~ 1964年)・・・

彼の代表作というか、多くの人に知られている詩の一つに「乳母車」があります。

その「乳母車」の冒頭4行の中から、とても好きな一行
『紫陽花いろのもののふるなり』を紫陽花の写真に合わせてみました。




スコットランド、ウインダミア湖、霧雨時に撮影・・・、




そして、その冒頭の4行を宛名面に・・・


ちなみに、この散文詩の全文は・・・

母よ--
  淡くかなしきもののふるなり
  紫陽花いろのもののふるなり
  はてしなき並木のかげを
  そうそうと風のふくなり

  時はたそがれ
  母よ 私の乳母車を押せ
  泣きぬれる夕日にむかって
  轔々(りんりん)と私の乳母車を押せ

  赤い総(ふさ)ある天鵞絨(びろうど)の帽子を
  つめたき額(ひたい)にかむらせよ
  旅いそぐ鳥の列にも
  季節は空を渡るなり

  淡くかなしきもののふるなり
  紫陽花いろのもののふる道
  母よ 私はしってゐる
  この道は遠く遠くはてしない道

  三好達治 「乳母車」 詩集『測量船』

一応、小生なりに解釈すれば

「遠く遠くはてしない道」にいる今の「私」が、
ふと心の「母」に呼びかける。限りなく優しく、「乳母車」にいる
幼き「私」を勇気づけてくれる「母」への切ない思いというか・・・

「母」は哀しみや苦しみに屈することなく、
「りんりんと」夕陽に向かってまっすぐに乳母車を押す。

その強さと「淡くかなしきもの」「紫陽花いろのもの」の包み込むような優しさ、なつかしさ。

そんなノスタルジア(叙情)を伝えてるのだろうか・・・
母の想い出が紫陽花いろと言うのも素敵だなー

紫陽花の季節になると、三好達治のこの詩を思い出します。
撮影 文 熊谷

追伸
多忙の為、コメ返しが遅れていてすいません。

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