性同一性障害 精神面支援へ調査 岡山大大学院教授ら計画

(2008年1月14日山陽新聞紙面)


性同一性障害など身体的な性別と心の性別に違和感を持つトランスジェンダーと呼ばれる人に必要な精神的サポートを探るため、岡山大大学院の中塚幹也教授らが当事者への大規模な調査に乗り出す。


臨床心理士と共同で岡山大病院の受診者300―400人にアンケートを実施。把握が難しい個人個人の複雑な問題を整理して、有効な支援策を探る。  



岡山大は1999年にジェンダークリニックを開設し、ホルモン療法や性別適合手術などを行っている。


しかし、外見上は心の性に近づけても、職場で偏見の目を向けられたり、対人関係に自信を持てず家に閉じこもったりと、社会生活で悩みを抱える当事者は多く、カウンセリングなどの支援も十分とはいえない。  



アンケートは、自分の性への違和感の度合いや本人の意識に関する約140項目。心の性通りに社会生活を送れているかどうかや家族の本人への接し方、自分への自信の持ち方、つらい状況に遭遇した時の立ち直り方などを細かく尋ねる。


今後、同クリニックを受診する男女に1、2年かけてアンケートを手渡して回収。5年ほど後に同様の調査を行い、意識の変化などを調べる。


中塚教授は「調査で当事者のタイプをある程度分類できれば、専門知識を持たない臨床心理士もかかわりやすくなる。医療では難しい実際の生活場面での支援につながれば」と話している。

性同一性障害 小学生で大半違和感 岡山大大学院患者調査 68%「自殺考えた」

(2007年12月9日山陽新聞紙面)


日本精神神経学会「性同一性障害に関する委員会」委員長の中島豊爾・岡山県精神科医療センター理事長の話 不登校の理由に性同一性障害も含まれるなど、教育上の問題との関連を指摘した点で大変示唆に富む。多感な子どもの心を知る上で、この調査結果を生かしてほしい。


肉体的な性別と心の性別が一致しない性同一性障害で、患者の大半が小学校時代に既に自分の性別に違和感を覚え、全体の4人に1人がその後不登校になり、さらに自殺を考えたことのある人は7割近くにも上ることが、中塚幹也・岡山大大学院教授らの実態調査で分かった。



性同一性障害は、原因がはっきりしておらず患者数なども詳しく分かっていない。小学生当時から患者が違和感を自覚したとする調査結果は、実態を知る上で重要な手掛かりとなり、学校現場での同障害に関する理解と教育が求められそうだ。  



調査は、身体的な性的特徴を変化させるホルモン療法や性別適合手術などの治療を受けるため、同大病院を受診した全国の661人に聞き取りを行って実施。自分の性に違和感を覚えた時期、不登校や自殺未遂の有無などを尋ねた。  


自分の性に違和感を自覚した時期は、「体は女性で心は男性(FTM)」の患者407人のうち84%(343人)が小学校低学年までに、「体は男性で心は女性(MTF)」の254人のうち57%(147人)が小学校高学年までと回答。

「中学校」と答えたのは、FTMは3%(13人)、MTFは21%(55人)だった。



また、全体の4人に1人が不登校、5人に1人が自傷行為、自殺未遂を経験。


自殺について悩んだことのある人は68%にも上った。


自殺を悩む時期は中学校時代が最も多く、小学校も1割以上いた。


男性的、女性的な体に変化する2次性徴や、学生服の着用が背景にあることも分かった。  



中塚教授は「教育現場では早い段階から、性同一性障害に対する相談窓口などの対応が必要だと分かった。


悩みを抱える子どもたちが相談しやすくなる環境をつくれば、自殺未遂や不登校を経験する人も少なくなるのでは」と話している。

性別変更の要件緩和=子が成人なら可能に、今国会で法改正

2008年5月27日(火)00:30 時事通信社  


心と体の性が一致しない人の戸籍上の性別変更を認める「性同一性障害者特例法」の改正案が26日、明らかになった。


現行の「子がいないこと」との要件を「未成年の子がいないこと」に緩和し、子がいても成人に達していれば性別の変更を可能とする内容だ。


改正案は29日に参院法務委員長が提案し、月内に衆院に送付。6月上旬に成立する見通しだ。



 


性別変更の要件緩和へ 性同一性障害者の特例法改正

2008年5月26日(月)23:14 共同通信 


自民、公明両党と民主党は26日、心と体の性が一致しない性同一性障害者の戸籍の性別を変更できる特例法について、子どもがいる場合は性別変更できない「子なし要件」を緩和することで合意した。


未婚者(離婚した人を含む)に限り、子どもが成人していることを条件に「女である父」「男である母」を認める。


参院法務委員長が29日に特例法改正案を国会提出する方向で調整しており、改正法は今国会で成立する見通し。