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さて、新年早々話題となっているのが中古車販売等のグッドスピード社による第三者調査委員会報告書。
■㈱グッドスピード
■IRサイト
そして2024年1月4日に第三者調査委員会レポートが公表されました。
主要な個所を簡単にまとめると
1.本調査開始の経緯
・金融庁から、グッドスピード(以下、GS)社の会計監査人に対して連絡 |
・金融庁の公益通報窓口に「GS社が売上の先行計上の不正を行っている。」という通報があったことが伝えられた
公益通報窓口とはこちらですね。
2.主な不正
■売上の先行計上 |
・実際には納車が未了にもかかわらず、納車した旨の社内処理をすることによる売上の先行計上 |
・具体的には車両納品確認書をデータにて収集し、各営業部長がその日付欄に、実納車日とは異なる納車テイの処理日(売上計上日)を記入
社内では下記の用語が用いられて不正が実行されたとのことです。
売上の先行計上以外にも、
・板金塗装事業の売上調整や固定資産の減損会計回避のための調整疑義、オプション費用の無断付帯
などの不正があったとのことです。
減損会計では
・店舗の人件費を他の店舗に計上する、あるいは、期末に店舗の人員を調整して本部費用の配賦額を調整する等の特定の店舗の減損の兆候を回避するために意図的な操作を行うことを検討
と監査人泣かせの検討がなされていたようです。
【第三者調査委員会より一部抜粋】
3.売上の先行計上目的
不正の目的としては
・設定した予算(収支計画)を達成
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・予算達成の他に、在庫のコントロールの意図も
→納車テイをすることにより、販売店としては実納車を急がざるを得ないことになり、これによって新たに仕入れる車両を置くスペースを確保することができ、在庫の回転も上がっていくことになる
また金融機関の財務制限条項の影響があったのではと、、、
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・取引金融機関との借入契約における財務制限条項に、GS社の単体又は連結の経常損益を0円以上にしなければならないという約定があり、当該約定に抵触した場合には期限の利益を喪失して一括弁済を求められることになるため、これを回避することが売上の先行計上の目的であったと述べる者も
さらにプレッシャーやインセンティブも動機となったようです。
・各販売店でもに課された月次の売上等の目標数値の達成が困難な場合に、当該目標を達成するため売上先行計上実施。その背景には営業部長等から各店長等に対して目標数値達成に対するプレッシャーがあった一方、各販売店の店長又は販売担当者には目標数値を達成した場合にインセンティブが付与されていたため、当該インセンティブを得るためという積極的な動機も
4.発覚を回避するための措置
同社は上場企業であり、監査法人はもちろん、監査等委員会や内部監査も実施されているのですが、、、
・四半期末での棚卸作業において、納車テイの車両に関しては一切QRコードを読み取らないようにとの指示
・決算期末における監査法人による立会監査がどの販売店で行われるのかを事前に確認した上で、基本的には当該販売店においては、納車テイの処理を行わないこととし、他の販売店において納車テイの処理を行うこととしていた
・監査法人による立会監査が行われる同年10月1日の前日である9月30日に、納車テイの処理が行われている車両について、同店から車で数分程度の場所にある別の駐車場を借りて車両を移動させ、翌10月1日の立会監査が完了した後に再び車両を同店に戻すという行為も
・コールセンターと(顧客に対して納車お礼の)電話してはいけないNGリストによる連携
・内部監査室長へ棚卸時には目を瞑ってほしいと口頭要請
・内部監査室や監査等委員からの指摘への不十分・不適切な対応
等の措置があったようです。
自分もかつては監査法人で会計監査にあたり、今も社外監査役を務めているのですが、監査法人、監査役(監査等委員)泣かせの会社ですね。。。
新年から重い事例ですが、社内風土やガバナンス体制の構築等に向けて学びとなる点も多いと思います。
ぜひチェックしてみてください。
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