妙な夢を見た。


郷里の従姉とバスに乗って旅行に行く途中


従姉が車酔いで体調を崩した…


私は、その彼女をどうやって介抱しようか?とオロオロしている…


そんな夢だった。



目覚めてから考えた。


あの従姉は、きっと今の自分だ…



愛犬を喪ってから今日で10日…


何とか平常心を保っているが、時どき崩れそうになる…


いつもそばいた存在がいない…


頭では分かっていても心が、それを認めようとしない。


いつもいた場所に愛犬の残像を探しては話しかけている…




愛犬は、私にとって

パートナー的な存在で、


家族で、日々の話し相手であり、最大の理解者だった。


私の気持ちをいつも察してくれていた…

ソウルメイトだった。


今まで我が家にいた同種の犬の中でも、

飛び抜けて頭が良かった…


それは恐らく、

生まれた時から人間の家庭に早くから飼われ、愛され育まれていた…


そんな恵まれた環境から、


ある日突然、

飼い主の都合で飼育放棄されブリーダーに返されたという特殊な事情によるものも知れないが、


その特殊な事情が、

彼女のキャラクターを作りあげた…




この子は、

人間の心を読むのに長けていた。


夜8時になると、階段下に行き3段目まで登りかけて、

(パパのところに行ってもいい?)


と、私のほうをチラチラと見る…


「いいよ、だけどあとでママのところにもきてね!」

と声をかけると、


いそいそと夫のいる2階に登っていき、


夜中になると2階から降りてきて、私の布団に潜り込んでくる…


極端な冷え症の私は、そんな愛犬の体温に癒され朝まで熟睡できた。


この3年…そんな毎日を送り、充実感に浸り…

幸福感に満たされていた。


思えば、私の人生で最高の日々だった。



あの日も…

自室でオンラインの仕事を終えてリビングに戻ると


いつものように彼女はTVの前のコーナーで前脚を揃えてフセの姿勢をして、


ジッと夫を見つめていた…


「いま、Mが涙を流していたんだよ…」と夫が言った。


見ると大きな瞳に涙を溜めているようにみえた…


私たちに別れの時間が近づいている事を知らせてくれたのだ。


それから2時間後、突然…だった。


あの日から、


夫も私も、大きくて深い穴の中にいる。


この穴からは、多分そう簡単に出られない。



我が家の庭に植えた夏椿が、3年目にして、ようやく花をつけた…