今年もまた故郷からメロンが届いた。
送り主の従姉に御礼の電話を入れる
彼女とは月に数回、電話で話しているが昨日もまた昔話に花が咲いた…
従姉の父親は私の母の長兄で、
母とは15歳も離れている。
とても優しい人で、歳の離れた
妹たちを可愛がったという
終戦を2歳で迎えた従姉は、
私の知らない昔の話をしてくれる…
昨日も、そんなわけで長電話になった。
私の母は認知症で広島郊外の高齢者施設に入居していたが、
その頃、母を訪ねて行き、
「今度来るとき何か持ってきて欲しいものがある?」
と訊くと、
必ず紙に、
『マサシ、バナナ』と書いていたことがあった…
その話を従姉にすると、
「あぁ、それはね、私のお父さんが、まだ戦争が始まったばかりの頃、ミワおばちゃん(私の母)たちに、戦地から手紙を送っていたからだと思うよ」
という。
戦況が怪しくなるずっと前の話らしい…
その手紙に
『キミちゃん、ミワちゃん、マサシ兄ちゃんは今、悪い人たちと戦うために遠い国に来ています。ここにはミワちゃんの大好きなバナナが沢山ありますよ』
と書いてあったのだとか…
そんな話をしてくれた。
「あぁ、それで…いつも『マサシ、バナナ』って書いていたんだね!」
ようやく…繋がった。
施設に入った実母は、あの時、戦地に行ったきり、帰って来なかった優しい兄を思い出していたのだ…
伯父が戦死した後、
従姉も、その手紙を見せて貰ったのだろう…
優しい伯父の言葉が、そのまま伝わってくるような手紙だったらしい。
「その手紙は?ないの?」
「さぁ、どうしたのかわからないね」
残念…
