午前中、

高齢者施設のボランティア同士の懇親会があるというので、

初めて参加した。


音楽関連のボランティアが8割を占める中で、

1人だけ“朗読”をやっているという高齢女性がいた。

彼女は自己紹介で、

「きっかけは、私自身が寝たきりになった時に、誰かにベッドの横で本を読んでほしいと思ったからなんです…」

と、よく通る美しい声で話し始めた。

「最初は、お一人ずつのお部屋で読むつもりで始めたのが、いつの間にか大勢の入居者さまの前で読むことになって…」


その話を聞きながら、

以前みた
『きみに読む物語』という映画を思い出した。

あれは自分たちの若い頃の出来事を物語にしたものを認知症になった妻に夫が読む…そんなストーリーだった。


80代だという朗読ボランティアをしている彼女は、

自己紹介の最後で

私達、他のボランティアに向かって

「私が寝たきりになったら是非、お願いしますね!」

と言って笑った。


ボランティアを始めたきっかけが印象に残ったので、

席に着いた彼女に

どんな作品を読んでいるのかを訊いてみた。


すぐには作品名が出て来なかったが、

「以前は一人で決めていたんですが、最近は10歳くらい年下の方と一緒にやっているので、いろいろ相談して選んでいるんです」


と、控えめに答えた彼女に、

私の横の友人が

「一度に読む長さは?」

と訊くと、

「30分くらいで終わるものですね」

と答えた。


30分の朗読で完結するもの…

宮沢賢治とか、かしら?

私なら、何を読むかなぁ…


読んでほしい物語は何ですか?