
悲しいとか
淋しいとか
悔しいとか
腹立たしいとか
そんな感情は微塵も感じられず
ただ、描くこと
創作することの喜びが
そこにある…
保存状態によっては、表面に亀裂が何本も入っていたり、
すでに角が剥がれてしまっているものもあるけれど
どの作品も70年以上も前に描かれた作品とは思えない力強さがある
瑞々しい感性が炸裂している
若者だけが持つ感性なのだろう…。
フィリピンのルソン島で戦死した人、
零戦に乗ってB29に爆撃された人、
満州で行方不明になって、そのまま帰ってこなかった人、
最期の様子は、詳しくわからないけれど、
ここには、確かに彼らが存在していたという証がある。
彼らの願ったのは、
大げさなことではなく
絵が描ける静かな時間を手に入れること…。
私は、
随分と長くて贅沢な時間を過ごしてきたことを心から恥じた。
無言館にて


