婦人自衛官教育隊では三ヶ月に及ぶ訓練が終わる頃、配属希望を書いて提出します。

私は入隊前からの約束通り
伊丹駐屯地の「中部方面音楽隊」と書きました。
第二希望、第三希望の欄は空白のまま
提出しました。
何がなんでも、入隊前のK先生との約束、そして、K先生の師匠でもある
A先生の期待に応えたかったからです。

同時に夢もありました。

A先生が勧めてくださった女性として
初めて音楽隊幹部自衛官になる、
いつか将校(幹部)になるという夢です。

その夢は、配属後まもなく、現実とのギャップの大きさに粉々に砕け散ってしまいますが…。

ピアノを弾くように言われて仕方なく
合奏に参加した「白鳥の湖」は、ピアノソロのパートは、何とかごまかせたものの、
アンサンブルのパートでは緊張のあまりテンポがズレてしまいました。(~_~;)

そうなのです、指揮を見ながら弾くなんて初めての経験だったのです。

1~2回、駐屯地内で開かれる隊内演奏会で弾いたでしょうか…
満足の行く演奏ではありませんでした。

音楽を仕事にするには、初見で演奏できること、なにより柔軟性と
即応性が必要である事を思い知らされました。

その後もクラリネットやフルートの隊員たちから
「伴奏してくれへんか」
と頼まれる事もありましたが、
「練習しといてや」
と渡される楽譜を受け取ったものの
満足に練習もできず、自信もなく放置したままという事が多くなりました。