隠された十字架と夢殿への道;世間は仮のこと、忘れてはならない大事なことがある | なんぎょう(南行)のつれづれブログ

なんぎょう(南行)のつれづれブログ

高杉晋作(東行)、西行法師にならい、暖かい南を選んで、南行という号を自分で付けました。日々のこと、大好きな畑仕事、歴史、旅行、寺社巡りなどの記事をつれづれに書いていきます。

なんぎょうのつれづれブログ


私の歴史好きに大きな影響を与えたのは司馬遼太郎、海音寺潮五郎、

そして梅原猛と、小学生の頃読んだ太平洋海戦史。


なかでも梅原猛が昭和47年に発表し、毎日出版文化賞を受賞した

「隠された十字架」は衝撃だった。

法隆寺を聖徳太子の怨霊封じ込めのための寺だとする説である。

罪なき人、一族が滅ぼされ、

その怨霊を恐れた藤原氏が建てた寺だというのである。


哲学者の著者は数々の証拠から論理的に自説を述べている。

これに対しては批判も多いが、私はかなり納得している部分があって、

大学に入ってすぐに現地を見に行った。そう、受験生の時に読んでいた。

なるほど・・・。それからいろんな本を読み、自分なりの太子論をもっている。

やがて太子に対して尊崇の念を持つようになった。

あらためてそのあたりのことは書いてみたい。


法隆寺へは年に1回は必ず行く。正倉院展とセットだ。

時々は五重塔、金堂のある西院伽藍にも入るが、

たいていは南大門から入って五重塔を正面に眺めたあと、

右に曲がって東院伽藍へ直行する。

ちなみに百済観音堂建立の際には寄進させて頂き、

どこかの瓦に私の名が書かれている。


東院伽藍への道は大好きだ。次第に夢殿が近づいてくる。

そして、救世観音様にお目にかかる。

太子等身と言われていて、太子にお目にかかっていると思える。

お願い事もするのだけれど、静かに自分を見つめ直す感じかな。

太子の言葉に世間虚仮、唯仏是真があって、

現世のことにとらわれていてはいけないですからね。

1年前はこうだったなと思い、1年後はこうありたいなと思う。

あるいは大事なことを控えているときは、

1年後にはどうなっているかなと静かに考える。


幸運に恵まれればいいとは思うけれど、

どうであっても世間虚仮、つまりは仮のことで

結果にこだわらず、過程を大事にする。

どうせ仮のことだから、どうでもいいというのとは違う。

ホントはとても負けん気が強いけれど、

永遠に勝ち続けることはあり得ない。

勝者には謙虚さ、敗者には誇りが必要だ。


帰り道、肩が軽くなっている。

お寺は現世と来世の境のようなところだから、

ちょっとは清められて、現世に戻っていくのかな。


世間のことは仮のこと、忘れてはならないもっと大事なことがある。

太子は尊い敗者であるがゆえに永遠なのである。


なんぎょうのつれづれブログ-西院伽藍を望む
     南大門から西院伽藍を望む 



     右に曲がって東院伽藍への道
なんぎょうのつれづれブログ-東院伽藍の方向へ



          道の半ば
なんぎょうのつれづれブログ-東院伽藍へ進む
                               


            もう少し

なんぎょうのつれづれブログ-夢殿までもう少し
             


            夢殿
なんぎょうのつれづれブログ-夢殿