その後、市販の注入軟膏を使ってみたけど、一向に良くならない。なんなら大の方が出しづらくなっている感じすらある。

意を決して向かったのは、車で1時間ほどのところにある肛門科。

肛門科の駐車場に車を停めるのってなんか恥ずかしい。しかも自分は他県のナンバーで車種もこのへんじゃあまり走っていないやつだし。(と当時は思っていた。自意識過剰である。今はもちろん「肛門科に来て何が悪い」という気持ちで堂々と駐車している。)

実は東京でも、便秘になった時に一度だけ女医さんがいるという触れ込みの肛門科にかかったことがあったので、診察台でSiriを出すのはそれほど抵抗はなかった。看護師さんと先生に、突然血が出たことや最近大の方が出しにくいことなど説明し、触診は2〜3分程度で終わった。

先生曰く、どうやら私の穴はかなり狭くなってしまっているらしい。

通常、切れ痔は薬で良くなるものだが、繰り返して慢性化すると傷が深く硬くなってしまい、穴が狭くなってしまうそうだ。そうなったら手術でその固まった部分を取り除かない限り治らない。私の場合は慢性化の末に見張りいぼなるものまであるらしい。なんだそれは。そんな警備員みたいなものがいたのか。さらに詳しく診ないと分からないが、もし中にもいぼがあったらそれも手術で切ることになるらしい。

ほぼ毎日お通じがあり、普通の便を出しているつもりでいた。毎日ヨーグルトも納豆も食べているし、便秘の自覚はなかった。だから、手術しないと治らないと言われたことは青天の霹靂だった。

「あなたこれからどうする?手術して治したい?!そのままにしとく?!」ともじゃもじゃ頭の先生に聞かれて、ほぼ勢いで「治したいです」と答えた。

夫になんて説明しよう?名実ともにケツの穴の小さい女だと思われるのは悔しい。渡された書類の「切れ痔・いぼ痔・肛門狭窄」に丸がついているがこれを見せるのは恥ずかしすぎる。なんとか手術名をごまかせないだろうか。こんなことなら夫の扶養の保険証になる前に、独身のうちにやっておけばよかった…などと考えながら、手術を受ける際の注意事項を聞き、手術の予約は電話で後日することにして、注入軟膏を20日分処方されて、初めての診察は終わった。