美依子は唇を歪ませて笑った



実はね、私、ある人からこんな薬をもらったの。



それは小瓶に入った白くて無臭の粉状のものだった。


進はそれを手に取り、

何の薬?と訊ねた。


ふふ、それをスプーン一杯分飲むとね、死んじゃうの。

その薬のいいところは、死んだ数分後にはもう体内で成分が分解されて、後から司法解剖しても、何も痕跡が出てこないところなの。


だから、三幸さんには自然を装って何か飲み物なんかに混ぜてゆうさんに飲ませてくれればいいの。


ね、簡単でしょ?
ほんとはうちがやりたいところなんだけど、うちは職場に今、顔を出せないの。それに仮にうちがゆうさんに飲み物持っていっても、多分飲んでくれない。
ゆうさんに嫌われてるからさ。

あの人がいるかぎり店にはもう出たくない。


こんなこと頼めるの三幸さんしかいないの。




進はしばらく考え込んだ。




美依子の言ってることはめちゃくちゃだ。仮に職場で苛められてるからと言って、他人に殺人を依頼するとかめちゃくちゃ過ぎる。

普通は悪い冗談だと相手にもされないだろう。
だが、美依子の真に迫る演技は進に、自分の思いが本気だということを理解させることに成功した。







ねえ、やってくれるよね。
美依子は進の腕に寄りかかり、
甘い声で囁いた。

進は
女性の柔らかい体が触れるのはずいぶん久しぶりだった。

思考回路が停止し、体は硬直し、ただただ、美依子が寄りかかってるのを支えているばかりだった。



ほ、本当に解剖しても、な、何も出てこない?僕が疑われることはないの?



大丈夫。安心して。
あいつを殺したら、うちは三幸さんのものだよ。やってくれるよね?

美依子は進の手を取り、自分の胸に引き寄せた。




…わかった。やるよ。

進は小さな声でそういった。


ことの真偽を確かめもせずに。
進は時間にしてわずか15分であれだけ嫌がっていた…人を殺す決心をしたのだ。


まだ引き返せる…



しかし、進は引き返さなかった








その日私は休み明けの出勤だった。
私は、職場に一番乗りしていた。



おはようございます。

進がやってきた。
進は緊張していた。


進の緊張した感じのレスが聞こえる

…ほんとにいいんだろうか、殺人なんかして。
でもこいつは確かにムカつく奴だ。僕の気持ちをいつも踏みにじって。それに、こいつを殺せば美依子が僕のものに…美依子も喜ぶ。そして僕は次期チーフ…いいんだ。こいつはここで死んでいいやつなんだ。




進の心が私に飛び込んできた。



な…こいつ…私を殺す気なのか。
マジか。進を操っている暗示の声は聞こえない。つまり進の意志で私を殺す気なのだ。

私は進がどんな奴か知っている。いままで接して来て、多少浅はかなところや自己中心的な部分はあるが、決して人を殺すとか考えるような悪人ではない。そんな度胸もない。精神的に弱い部分はあるが、基本的には小心者の善人だ。

最近何度か進のレスを聞いたが、あまり言動と頭の中身に裏表のない、わかりやすい奴だ。ささいな嘘をよくつくがそれもすぐバレるし。

美依子…進をたぶらかしたのか。行方をくらましたここ数日で、こんなことを企んでいたのか。





どうやって私を殺すつもりなんだろう。


私は意識を進にぶつけた。





なるほど、毒殺か。


そうか、これから私に毒の仕込んだお茶を飲ませるつもりなのか。



進…残念だ。恐らく魔がさしたんだろうけど、そんなこと考えてるなんて。

悪いけど、全部わかっちゃったよ。
その作戦、成功しないよ。



さて…どうしたものか。毒殺は簡単に回避出来るが、進は美依子と接触している。出来れば進から美依子まで辿りつきたい。


私は進に意識をぶつけた。


…美依子の居場所など、手がかりになるようなものは進からは何も引き出せなかった。

美依子から進に接触するのを待つしかないのか…



私の暗殺に失敗したら、進はどうなるんだろうな。


やはり始末されるのだろうか。

そんなことを考えていたら


ゆうさん、良かったらこれ飲んで下さい。


さっき進は職場の人達に全員、飲み物を配っていた。そして私にも配ってきた。

進の緊張がレスを聞かなくてもつたわる。

これに毒盛ってるな。

もう飲ませる気なのか。



ゆうさん、オレンジジュースと緑茶、どっちがいいですか?


私は進の顔をジッと見た。
なんて面してやがる。

なるほど、
どうやらこの2つの飲み物、どちらにも毒を入れているようだ。

どちらと答えても私は毒入りを受け取ることになる。


焙じ茶が飲みたい。

私は無茶を言ってみた。

え!

進は想定外の私の返事に頭が真っ白になっていた。

うそうそ。2つとも飲みたい。


ええ~
2つとも取られたら僕のがなくなるじゃないですか。でもまあ、僕は新しくついでくるんで、2つとも飲んで下さい。

ありがとー!優しいねえ。進は。そう言って飲み物を2つ受け取った。

ふん、自分は飲むつもりなどないくせに。
私は思った。


私はわざと足を滑らせた。あっ


ガシャーン!

受け取った飲み物を2つとも落とした。

ごめん!せっかくついでくれたのに。
私は、白々しく謝った。


なんてことを!

進は思わず声を荒げた。


あ、いや、いいんです。割れたグラス片付けないと。


(なんてことだ!あの薬は必要な量しか貰わなかったのに。
…どうしよう…)


進のレスが聞こえた。





困れ。進。仮に10杯分の薬があっても私は、一滴も飲まなかったよ。予期せぬトラブルは必然。次の手段は考えてるのか?


どうやら本当に想定外だったらしく、次の手段は考えてないようだ。

浅はかな奴だ。

そもそもなんで二杯同時に毒を入れたんだ。最初から自分のは後からつぐことにして一杯だけ私に持って来て渡せば良かったものを。

なんて意味のない戦略なんだ。


ところで
私は、暗殺に失敗して落ち込んでる進にムカムカしてきた。
そんなに私を殺したかったのか!
アツアツのあんを頭にかけて帽子を被せて蹴っ飛ばしてやりたい




くるし…助け……


えっ



レスが聞こえた。悲痛な叫びだ。

聞こえた方向に振り返ると、


同僚の浩子が苦しんでる


バタッ!


浩子はその場に倒れた。


まさか!


進の様子を見ると、顔は真っ青で、ガタガタ震えていた。



こいつ…どうやら私に渡すハズだった飲み物を間違って浩子に渡したようだ。

し、しまっ…間違っ…


進のレスが聞こえた。
なんてことだ。馬鹿やろう!間違ったで済む問題じゃないだろ!



私は心は読めるが、ここに来てのこいつの凡ミスまでは読めなかった。

~!

浩子は胸を押さえて苦しんでる。


進は動揺して
こんな状況なのにグラスを片付け続けて
いる。

みんなが浩子の元に駆け寄った。


とにかく救急車!


私は急いで救急車を呼んだ。


浩子のレスにならない悲痛なレスが聞こえなくなった。


浩子はそのまま息を引き取った。


なんてことだ…


グラスの後片付けをまだ続けている進のレスは、もはや声ではなかった。音にしか聞こえなかった。




続く







新章
~罪と罰編~




ここに一人の男がいる。



その男の名は進。






進は悩んでいた。


進の悩みはこうだ。


僕はもっとみんなから慕われたい。尊敬されたい。


けど実際はみんなから笑われて、ネタにされ、ぞんざいな扱いを受けている。


それが僕の自尊心を傷つけている。かといって今の環境を覆す手段も思い浮かばない。


こないだ会社の飲み会でビールの早飲み大会があった時、僕はヒーローになりたくて頑張った。



僕は一番に飲み干した。

やった!僕が一番だ!ヒーローだ!

あれ、
だけどみんなの目は冷ややかだった。


誰かが言った。
あいつ卑怯じゃん!ビールほとんどこぼしてんじゃん!あれはダメだろ!


気がつくと進の服はこぼしたビールでビショビショになっていた。



慌てて服を脱いで裸になった。

笑いが起きるかと思った。


シーン。


みんなの冷ややかな目線が進に突き刺さった。

こんな余興でちょっとズルしたくらいで、こんなに顰蹙買うものだろうか…


何でだ…何でこうなるんだ…


卑怯者!卑怯者!耳元で聞こえる…

同僚が笑いながら僕を罵っている。


その同僚はどうやら僕の失態が大好物らしい。
いつも僕をネタに笑ってる




僕はいつもこうだ。いつも空回りしてしまう。


何故…一生懸命頑張ってるのに。


さっきの同僚に相談したら、
いいじゃん別に。進は変に真面目過ぎるんだよ。俺は進の天然なとこや空回りするところ、好きだよ。いじられキャラ最高だよ。あとゴミ捨て行ってくれるとこも好き(笑)

それとさ、進は正当な評価受けてるよ。進の頑張りに対しての正当な評価を。俺は進のこと認めてるよ。それなりに。それが気に食わないなら、もっと評価されたいなら、もっともっと、誰よりも頑張るしかないよ。


と言われた。
相談する相手を間違えたようだ。


僕は十分頑張ってる!モテたい!チヤホヤされたい!みんなまるで僕をわかってない!



なのにっ…






ある日の朝


はあ…会社行きたくないなあ。


進は出勤するためいつもの通りを重たい足取りで歩いていた。


この交差点を左に曲がると職場についてしまう。このまま直進したい…




交差点に、女の子が立っている。


あれ、あのコ、職場のコだ。確か美依子。


?確か美依子は今日出勤じゃなかった。しかも最近このコ無断欠勤してるみたいだし。何でこんな職場の近くに、こんな朝早くからいるんだろ?
てゆうかあんまり美依子とは親しくないし、声かけたくないな…


美依子は進を見ていた。


進はかけていた眼鏡を取り、汚れを取る仕草をした。

美依子とすれ違う瞬間に眼鏡をとり、気づかないふりをしてやり過ごそうとしたのだ。


おはよ。


びく!
お、おはよう…

美依子はそのまま通り過ぎようとする進に声をかけた。

三幸さん。今日はね、三幸さんにどうしても話したいことがあってきたの。



美依子はそう言った。


進は唐突なことに最初戸惑ったが、美依子みたいな若くてかわいいコが頬を赤らめて僕になんの用だろ?と思った(…美依子はチークを強めに塗っていただけだった)



話って何?


進は少しワクワクしながら美依子に聞いた。


うち、最近無断欠勤してるじゃん?実はちょっと悩みがあって。相談したいことがあるの。

僕に相談?はあ…何?どんな内容なの?僕に関係ある内容?これから出勤だからあんまり時間とれないけど。

進は期待してたことと内容が違っていたため、少しふてくされた感じでそう言った。

こんなこと、三幸さんにしか相談出来ないの。うち、三幸さんみたいな年上で頼りがいのある人すきなの。仕事してる時の三幸さん、なんかすごくたくましくって、

実は仕事中ずっと見てました。


進は

いやいや、逞しいなんてそんなことないよ。ほんとに?僕のことからかってるでしょ。

と言いつつも進は天にも登るような気分だった。

来たか!僕の時代が!


やったよ美依子さん!!
これこそ僕の求めてたもの!

相談乗ってあげたいんだけど、今から出勤だから…仕事終わった後だったらいくらでも付き合うよ!

進は一瞬仕事サボろうかと思ったがそれはさすがにダメだと思い直し、そう言って美依子と一旦別れた。


進は職場までの道を進んだ。朝、職場までの道はいつも憂鬱で、このままサボってしまおうかと何度も思った。けれども今日の進は違った。足取りは軽かった。


もしかして僕の隠れファンが他にもいたりしてぐふふ


進は妄想が止まらなかった。


進はぐんぐん進んだ。



職場に着くと、朝一いつも暗い表情の進が、晴れやかな表情で事務所に入ってきたので、同僚達は少しざわついていた。




進はにやにやしながら携帯をいじっていた。
ツイッターにつぶやいていた。

僕の時代がきた!



ズズ…


進は棚に寄りかかっていた

棚の上の方に置いてあった袋菓子の入ったダンボール箱は縦長で、スペース活用的に縦に置いていたため、先のほうが出っ張っていて不安定だった。

さらに進が寄りかかり棚が軋んだせいでより不安定さが増した。



するっ


ダンボールは音もなく1/4回転して進の頭に吸い込まれるように落下した。


ぼすっ

その瞬間、見ていた同僚達が大爆笑した

進!朝からおいしいねえ!あははは!


が、進は全く意に介さなかった。


全く。こんなことで笑って。しょうもない奴らだ。



進は鼻で笑うようにフンと息を吐くと、そのままキッチンに入っていった。


進はもくもくと働いた。


これ?この仕事中の後ろ姿がカッコいいの?今まで気づかなかったけど、そんなとこ見られてたんだ。言われてみれば見られてた気がするぞ。



営業中、
進はいつも以上に声を出した。


いらっしゃいませ!

進は威勢のいい声で呼びかけたと同時にチャーハンをひっくり返した。するとひっくり返す勢いが良すぎて進の手はチャーハンにまみれた。

それを見ていた同僚がまた大爆笑したが、やはり進は意に介さない。


今日の進、何か変…
進の様子に同僚は少し怪訝な表情を浮かべた


アイドルタイム中、進は冷蔵庫を掃除していた。

そこへ店長が自分のまかないを作りにやってきた。

店長は手際良く麻婆ナスを作り、冷蔵庫の上の作業台の上に置いていた器に麻婆ナスをよそおうとした。

その時、店長は濡れていた床で足がすべり、手元が狂ってしまった。


器へ注がれるハズだった麻婆ナスが

アツアツの麻婆ナスが


進の頭に注がれてしまった。


?…! あつ!あつー!!


進はキッチンキャップをかぶっていたため、最初何が頭に乗ったのかわからなかったようだ。そしてアツいものが頭にかかっているとわかるやキャップをすぐ脱ぎ捨てたので火傷はなかった。


もちろん同僚は大爆笑。そして進はやはりそれを特に気にもとめなかった。


しかしまあ、なんの知らせと言うべきか、今日は進の頭に色んなものが降ってくる日だ



その後もバイトのコが足を滑らせ持っていたバケツの中の水を頭からかぶったり

同僚が面白がって、進の頭にバナナを一房かぶせてみたりと、枚挙に暇がなかった。


進はそのことに何も巡らせなかった。

その偶然(バナナは故意だが)の片寄りに何か意味はあるのかと、何か思うことなく

その日の実働は終了した。


進は勇んで美依子に電話し、待ち合わせた。



やあ美依子。
相談って何?


これ、絶対誰にも内緒だよ?


もちろん。


実は、うち、職場である人から苛められてるの。


マジで?
誰が苛めてるの?


その人を殺して欲しいの。


は?


何いってんのそんなこと出来るわけないじゃない!



誰を殺したいの?


ゆうさん。



!ゆうさん…


実は進のことをよく笑っていた同僚とは、私のことだった。


三幸さんもいつもゆうさんに笑われて、気分悪かったでしょ?あいつ本当に性格悪いよね。うち、三幸さんを笑ってるあいつのことほんとムカついてたんだよ。
ゆうさんなんかより三幸さんの方が全然頼りになるし、優しいし、仕事も出来るし、料理も美味しいし、魅力的な社員だよ。


いや、ゆうさんどうこうじゃなくて、人は殺せないよ。勘弁してよ。
刑務所のお世話になりたくないよ。
人殺しだけはしたくないよ。


それがね、聞いて。絶対バレない殺し方があるの。

絶対バレない殺し方?
もし仮にあったとしても、人殺しなんて出来ないよ!


もしゆうさん殺してくれたら、うち、ずっと三幸さんに付いていくよ。なんでも言うこと聞くし、もちろん…ね?わかるでしょ。
それにゆうさんいなかったら三幸さん次期チーフじゃん!素敵!

三幸さんしか頼れる人いないの!助けて!お願い!






絶対バレない殺し方なんて、本当にあるの?



美依子は唇を歪ませて笑った






続く




部屋の空気が澱んでると、窓を開けて換気したくなるだろ?

朝起きて、トイレに行きたくなるだろ?我慢したら体に悪いだろ?

そういうことだ。


ストレスは発散しなきゃだろ?





男はその時とある一室にいた。



部屋にはおびただしい血を流し、虫の息の女性が横たわっている







男は彼女を尻目に



撒き散らす。まだまだ足りない。


全部血の海にしてやる


そう言って

男は五階に降りていった。



男の名前は


清華という。



清華は街で、この一人の女性と知り合った



清華の顔は鼻筋が通って瞳は大きくほりが深い、いわゆる美形の造りをしている。


なので女の方から寄ってくる


そういった女を利用し、暗示にかけ、


男から金を巻き上げ、散財させる。



財産を売り払い、豪遊させ、女に貢がせる。

散財させた額を詳細に女に報告させ、
貢がせたお金の一部を上納させる。







今まで操られた女の数7000人


散財させられすべて失った男20000人

貯金額15億円
散財させた金額100億


散財させた金額は月単位で加速度的に増大している



…男の目的は金だけではなかった。
最初は散財させ奪った金額イコール貯金額だった。しかし、貯金額が10億を超えたあたりから貯金に興味をなくし、

単純に、人が蓄えた金を撒き散らし破滅して行くのを楽しむようになった。

自分の悪意が、伝播していくのを楽しんでる

被害額は自分の悪意の広がりを表すいい指標に過ぎない。しかし、それがわかりやすくていい。男が今一番熱中しているものだ。

だから操った女からは詳細に話を聴く。
たまに気まぐれで現場に出ることもある。



男は気づいていた。。

自分に世界を破滅させる力があることを。


しかし、別に世界を憎んでいるわけでもないし、世界征服といったことに関心もない。


清華が今まで散財させてきた金は100億だが、100億到達までにかけた時間はおよそ一年半。10億に到達したのは半年前。つまり、この半年で90億の金を経済に撒き散らしたことになる。

悪の経済効果をもたらしていた。


清華はこの能力に目覚める前、貯金が趣味だったが、コツコツと計画的にお金が溜まっていき、ケタが一つ増えた時の喜びはたまらないものがあった。



半年で90億…清華は半年前、目標を決めたのだ。


後2年で1000兆撒き散らすと。




1000兆という数字に大きな意味はない。ただ、ケタが上がる楽しみが後5回もある。清華にとって意味はそれだけだ。


清華には達成出来る自信があった。

被害額は1ヶ月単位で加速度的に増えている。

このままいけば、
1ヶ月後には180億、2ヶ月後には360億といった具合だ。


清華は日本の総資産の額など知らなかった。調べるつもりもなかった。もちろん、それだけの額が急激にばらまかれれば経済がパニック状態になることくらいは想像出来たが、だからどうというわけでもなかった。



後一年半で、日本経済から1000兆円がばらまかれる…


清華は日本をどうこうするつもりはさらさらないが、被害額が1000兆に近づくにつれ、
どこかで超強烈なインフレを起こし、日本経済は破綻するだろう。


一人の男の趣味の為に、日本は破綻してしまうだろう。







男は自分の能力を「送信」と名付けた。


そして送信された人間が撒き散らす悪意を「転送」と名付けた。


このまま悪意が転送され続けて行くと、日本中に悪意が広まるのは恐らく一年半




男はこの一年半、じっくり楽しむつもりだ。


男はマンションから出ていった。



続く