本日業界人間ベム 氏の「ネット広告におけるクリエイティブのパフォーマンス 」の記事を読んで考えた。
この記事では『クリエイティブのパフォーマンスの評価はただひとつ。「広告レスポンス」が高いかどうかだ。』という、ある種ウェブ広告をやっている人間であれば当たり前の主張(ではあるものの、出来ているかどうかは微妙)な主張がされており、『広告レスポンスの良いクリエイティブを良いクリエイティブとして、反応の良いクリエイティブに寄せて最適化を図る。』ことが必要とされるとある。
この点、ボクも反論の余地も意思もない。きちんと対応する代理店であれば既に対応していることだと思う(逆にいうとできていない代理店は・・・)。
が、そこでふと思い出したのが広告β 氏の「「ブランディング」のすれ違い 」という記事(個人的には氏の主張はいつも洞察鋭く、含蓄のあるものが多いのだが、本記事に対しては若干のブレを感じた・・・余談)。
この記事に「(ネット広告において、キャンペーン広告的な表現を用いることが多い理由は)効率から最適化しようとするとどうしてもキャッチーでベタな表現になることが多いためだ。それでも軸がぶれていなければいいのだけれど、効率が落ちてきたりすると表現を刷新したり、よりターゲットに近い表現に最適化したりして一貫性が保てなくなることが多い。そうなると、オールド広告人の考える「ブランディング」とは方向がずれてくる。このあたりに、効率と一貫性のジレンマみたいなものが生まれてくる。」とある。
個人的にはネットvsオールドというような対立軸に興味はないのだけれど(差は給料の差ぐらいでは?)、「効率と一貫性のジレンマ」というのは確かに存在するな、と。
広告β 氏が言うように概して(あくまで概して、そしてここは総合代理店やクリエイティブエージェンシーと比較して)ウェブ系代理店の人間は「ブランディング」という概念に対しての理解が浅く(それはインターネット広告の発展の歴史=ダイレクトレスポンスの歴史に紐付くものだと思うのだが)、一方で業界人間ベム 氏が懸念するほど「最適化」の概念に対する理解が浅いわけではない。
そういう状況下で、「(ブランドを構成するファクターとしての)一貫性」と「(広告クリエイティブにおけるレスポンスベース)最適化」のジレンマの中で、それこそ最適解を見出すことが必要だと思う。
このジレンマを意識せずに、イメージとしてのブランドを汚さないようなレベルで、なんとなく最適化をはかっている、というのが現状だろうと思う(現場感覚として)。
(ありきたりな結論過ぎるけど)双方のバランスを取ることがやっぱり大事になってくる。そういう人間がウェブtoマスのキャリアを積んでいる集団から生まれるのか(ADKインタラクティブ横山氏が望む人間像的 )、マスtoウェブのキャリアを積む集団から生まれるのか、はたまたウェブONLYのキャリアから生まれてくるのか・・・自分で検証したいと思います。
アドマン