イクメン・プロジェクト1 | (株)カミングスーン 鷲田和久

イクメン・プロジェクト1

前の長妻厚労相が「イクメン」という言葉を使ったのをキッカケに、流行りだしたこの言葉。


「イクメンプロジェクト」なるサイトまである。


当社がある文京区でも、文京区長自ら育児休暇を取得し、同じく文京区にあるサイボウズの社長も、上場企業の社長でありながら育児休暇を取ったばかり。


しかし実際は、男性の育児休暇取得率は1.23%らしく先進国では最下位。
知人の会社では、制度があるのに女性ですら取得がしづらく、退職するという。


今まで軽視しがちがった男性が仕事をやりながら、どうやって育児に関わるか、家庭を築いていくか、永遠のテーマのような気がする。



それには、「優先順位と決断」。
優先順位を“家庭”に持っていかないと、育児休暇取得の決断も出来ない。そしてその後も家庭を重視することは出来ない。


私は以前からワークライフバランスを重要と考えてきて会社でも取り組みをしているが、その最大のキッカケになるのは、「育児」だと思う。

そして今、強く確信した。


以前、仕事、家庭、プライベート(自分のこと)のこの3つは両立することは出来ない、と言われたことがある。

・仕事と家庭を優先させれば、プライベートが犠牲になる
・家庭とプライベートを優先させれば、仕事が犠牲になる
・プライベートと仕事を優先させれば、家庭が犠牲になる

独身だったり、夫婦2人だけであれば、プライベートをも充実させる、とは言ってもそれほど難易度は高くないはず。

夫婦ふたりの時は何ら気にはしていなかったが、
私にも、いざこの課題を考えるときが来た。


10月8日に予定日通りに、Jr.が誕生。



今日で誕生から9日経過した。現在、私は会社に出社せず、育児と家事と仕事をこなしている真っ最中。


私の妻は外国人なので、妻の両親が簡単に日本に来ることもできず、また私の両親は福島で商売をやっているので手伝いに来てもらうこともできない。


全てを、私たち夫婦2人で切り盛りしなければならない。
しかし・・・


■日本語が100%完璧ではない妻が急に何かがあった時、私はすぐ会社から戻ってあげることができるか・・・

■早産の原因にもなる気管支拡張症を患っている妻が、大気汚染の東京で体調を万全に出産に挑めるのか・・・

■出産前後、物理的に会社に行ける距離で、会社に行かずに育児休暇を取る自信があるか・・・


この悩みだけはつきなかった。


ある時、株主でもあり顧問でもある北矢先生の何気ない一言がキッカケで海外出産を考え出し、そして悩みに悩んだあげく、米国にて、出産から育児を3ヶ月やることに決めた。


ちょうど私の方では会社の「基本コンセプト7箇条」の骨子に肉付けをしているところであるが、その中のひとつには、今までの組織原理を超越した、時間と空間の制約を超えた自律・分散・協調の会社づくりというのがある。


今回の決断は、会社の現場は会長と役員にお願いし、私は“ 時間と空間の制約を超えて会社を成り立たせる ”ということに焦点を置き、身を持って経験できる大いなるチャンスであった。


もちろん会社の外に居続けて問題が全くないはずがない。
だが、問題が出た場合それをどう克服するか、それが成長の力になると信じている。


滞在の場所はハワイを選択し、ここの気候は妻の気管支拡張症の咳を和らげ、またどちらかというと開放的なアメリカ人の気質は妻の性格にもあい、生活には全くストレスがなく、全てが順調。


そして無事、Jr.が誕生。
この日は、キッカケになった北矢先生ご夫妻の結婚記念日でもあり因縁を感じる。



妻は、初産でありながら、入院から出産まで4時間30分の、超スピード、超安産で元気な男の子が生まれた。

私も立ち会い、へその緒のカットもやり、そして2日後に退院。

アメリカでは無痛分娩が主流であり妻も選択。陣痛は行けるところまで耐えるが、我慢できなくなったら部分麻酔を入れる。産みの痛みはなく、笑顔で出産し、次の日には元気に歩くことができた。

日本では歯医者や手術では麻酔を使うのに、あの激痛を伴なう出産には使わない。なぜだ・・・??



とは言っても、体力は相当使っているので自宅に戻ってからは、全ての家事、母乳以外の育児を当分私一人でこなさなくてはならない。

夜も3時間置きには、母乳とミルクの併用。
退院からは1週間を過ぎたところであるが、ようやく体が慣れてきたという感じ。


料理はハワイに着いてから妻から習ったので、何となく教えてもらったものは出来るようになっていたが、あまりのまずさに食事中に食欲が落ちる・・・


普段、短時間で手際よく料理をしてくれる妻のありがたさを改めて感じた。


仕事は、家事と育児の合間にこなす。
睡魔が強いが、気力だけがまさっているので何とか持っている。


私の場合は、道具はパソコンとインターネットがあれば仕事が出来るので、仕事する場所などどこでも良い。

会議は、Skypeのビデオ会議を使い全く問題無し。
至急の案件でもチャットなり、電話なり何でも出来る。
絶妙な時差なので、何ら支障は出ない。

1週間~10日くらいは仕事を詰めすぎずにゆったりやることにしていたので問題ないが、これを過ぎたら1日の時間数を決めて、その時間だけ仕事をすることが大切だと感じる。


育児のほうは、実感することはとてもじゃないが、これを妻一人に任せるのは本当に大変だ。
今は寝ている時間が比較的多い時期なはずだが、慣れていないせいもあるだろうが、この時期でこの体力の使いようは。。。


夫が育児に参加せず、妻一人に任せるなんていうのは考えられない。
育児を共に行って、本当の意味でのワークライフバランスと言えるような気がする。


しかし会社員の場合は、どうやって育児休暇を取るか、どのくらいの期間、どのように携わるべきか、今、何となくぼんやりと浮かんできたところなんです。


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