カブトムシ、クワガタ、チョウ、クモ、トンボ、テントウムシ、セミ、、、、
たくさんの昆虫が目の前に広がる。
一匹一匹の昆虫達が、それぞれに部屋を持ち、自らを輝かせるようなライトがついたプラスチックの容器に入れられている。
私は昆虫ショップを営んでいる。
別に昆虫が好きなわけではない。それに、昆虫に多少の知識はあるが、特別詳しいわけではない。
「どうせ今日も、お客さん来ないだろうな。」
そんなことをつぶやきながら、
対して広くもない店内をグルっと一周し、
奥の作業場に入る。
作業場は、ツーンと嫌な臭いがはびこり
所狭しと虫の絵が描いた大きな袋が置いてある。
いつも気づくと決まってここに入り、
虫達の餌を準備する。
最近は固形の塊やゼリーなどの、俗に言う虫のエサがあるが、中には生きたミミズなどを与えないといけないものもある。
「なんでこんなことしてるんだろう
やっぱりいつになっても、慣れないなぁ」
そう言って、虫達にとっては
パーティーが始まってもおかしくないほどの量の餌を容器にまとめて運び、順番に餌を与える
餌を与え終わると、時よりコウロギの鳴き声が聞こえる静まり返った店内のカウンター前の椅子に腰掛ける
気づくと12時を回っていた。
今日もまだお客はゼロである。