funta(ふぁんた)のブログ -346ページ目

デフレ文化が止まらない…その6

ゴルフが熱いですね。賞金ランキングやら世界ランキングやら。
野球の世界も年棒何億円とか…

彼らはいわゆるセレブですね。実力だけで勝ち上がって、いい車に乗って立派なマンションに住んで。
そんな価値あるセレブですから、彼らに会う為なら多少高い入場料だって惜しくないし、それでも人はどんどん集まるから年棒も上がるし、勝てば賞金も上がる。いい流れですねー。

スポーツの世界には、生まれや育ちに関係なく誰でもそんなセレブになる可能性があります。だからこそ親は自分の子供に夢を託して、高い授業料で野球教室やらジュニアゴルフ教室に通わせる。もしかして自分の子どもが数億円プレイヤーになれば、投資したお金も惜しくはないはず。ある意味ギャンブルですがw

さて、音楽の世界はどうでしょう?
本格的にピアノを習うなら電子ピアノでは到底無理。グランドピアノを求めて、高いレッスン費を払ってでも偉い先生の元に通う訳です。あるいは自宅に生のグランドピアノと防音ルームがあって24時間練習できるとか。
バイオリンにも英才教育がありますね。3歳以下の小さい頃から、本物と同じようなクオリティを持ったミニチュアのバイオリンを持たせて毎日練習。子供の(手の)成長に合わせて、その高級なミニチュアバイオリンを何台も買い換える必要があります。ミニチュアって言っても、もちろん出る音はちゃんとした本物の音ですよ。
 こんな風に、ピアノもバイオリンもお金のかかるセレブの習い事という感じがします。

なぜ親は、これほど大金を掛けてまで子供に音楽(特にクラシック)を習わせるのか?

答えは簡単です。ピアノもバイオリンも、その実力だけで将来セレブになれる職業だから。子供に費やしたお金が数倍になって戻ってくる世界だからです。少なくともバイオリン1台持ってれば一生苦労しないで食っていける世界だからです。いや、その筈だったんです。が…

今どき、立派な音大を卒業して、立派な音楽家として一生食っていける人が何人いると思いますか?
私の周りには、立派な音大でバッハとか一生懸命に習ってきた女性が二人いて、卒業してそれぞれ郵便局員とスナックで働いてます。郵便局員は本人曰くそれはもう悲惨らしいです。特に民営化になってから大変だし、給料安いし、テレビで郵政大臣が吠える度に現場は振り回されているそうです。・・・まぁこの郵政の話はまた後日・・・

 子供の頃に大金を掛けて音大に入学さえさせれば、あとは音楽だけで生活に困らない薔薇色の人生が待っているはず。そんな親の想いは無惨にも消え去ります。今日び音大出たところで音楽の仕事はほとんどありません。職業柄つぶしもきかないし(これ死語?)、専門学校出た方がよっぽど仕事が見つかるでしょう。

 なんでこんな時代になったのか…それは日本の音楽文化が完全に廃れてしまったんだと思います。

 一台数百万~数千万円のバイオリンを持って、子供のころから英才教育を受けたセレブで、大人になってもずっと音楽しか知らない雲の上の存在だからこそ、一般の人は高いお金を払ってでもコンサートに行くのです。
 ましてや、そんなセレブが百人近く集まった交響楽団たるや、もうパラダイスです。セレブを観に行く訳だから、価値のある人を見に行く訳だから、1万2万のチケットなんて高く感じません。

 ところが今や、区民センターで500円~1000円でクラシックコンサートが観られる時代です。親子を相手にした弦楽四重奏などの「無料コンサート」が開かれたり…

 こんな時代を喜んではいけないんです。音楽家はセレブなんだから、一般人が会社に出勤した頃にゆっくり起きてきて、引き立てのコーヒー飲みながら自宅のリビングの高級オーディオで素敵な音楽を聴き、午後からは毎日練習に明け暮れ、週に一度は高い授業料取ってご自宅でレッスンをし、月に1度のコンサートで数万円のチケットを百枚ほど売り、全身全霊の演奏を披露した後はまた一ヶ月休む。生活の心配とか一切せず、ひたすら素晴らしい音楽を追究する、それこそが音楽家の仕事のはず。そんなセレブの生活を切り売りするのがコンサートだと思うのです。そんなセレブに合うために一般人は高いチケットを買うのです。

 なのに現実は、毎日毎日いろんな場所で安いチケットや安いギャラで演奏し、移動時間と睡眠時間だけで食事もまともに取れず、おまけに生活苦でアルバイトにまで手を出して自分の練習も全くできない。そんな演奏者を誰が高いお金を出して観たいと思いますか?

 本来高級なはずの音楽を、一般区民に対して税金使って安く提供し、お手軽文化にしてしまった「デフレ文化振興会」や「デフレ音楽事業」に大きな責任があると思うのです。クラシックが1000円2000円で、ましてや無料で観られるなんてあり得ない!そうやって本来の音楽家の地位を下げ、演奏する場所を奪い、文化価値をどんどん下げてる気がします。本当に悲しいです。