(1)発達凸凹の子にとって国語の文章題は難しい

 

 発達に特性のある子は中学校以降の国語のテストで点数が低くなる傾向があります。文章題の難易度が上がると手に負えなくなる傾向があるのです。

 

 以下にその理由を説明していきます。

 

 

(2)記憶力が弱いことが多いので問題文の内容が頭に入っていない

 

 発達に特性のある子は記憶力が弱い(WISC検査ではワーキングメモリーが低い)ことが多いです。文章を読んでも内容を覚えにくいです。

 

 そのため、設問を読んだ後に正答を探すために、もう一度問題文の文章を読み直さなければならないことが多いのです。

 

 記憶力の良い子(ワーキングメモリーの高い子)は一度読んだら問題文の文章の内容が頭に入っているので、再び読み直す必要がありません。この差は非常に大きいと思います。

 

 

(3)集中が続かないので、文章を読んでいると途中で飽きてしまい内容が頭に入らない

 

 ADHDの特性のある人は長い問題文の文章を読んでいると途中で飽きてしまいます。そうすると問題文の理解や記憶が十分ではなくなります。

 

 この状態では設問の正解に至るのは難しいと思います。

 

 

(4)言語能力が低ことが多いので、語句や文章の理解が十分ではない

 

 言語能力が低いことが多いので(WISCでは言語理解が低い)、語句や文章の理解が十分ではないことが多いです。その状態では問題文の文章や設問の理解が十分ではないことが多いです。この状態では正解を見出すのは困難だと思います。

 

 

(5)思考力が十分ではないので、正答にたどり着かない

 

 思考力(WISCでは知覚推理や流動性推理)が弱いと設問の正解の候補の中から正しい選択肢を選ぶことが困難です。正答率が低くなると思われます。

 

 

(6)自閉スペクトラム症の子は自分の考えに囚われやすく、罠にかかりやすい

 

 自閉スペクトラム症の子は、柔軟な考え方ができないので、自分が「これが正しい」と思ったら、その考えに囚われやすいです。

 

 一見正しそうに見えるけれど本文中に根拠のない選択肢は多くの場合正解ではないことが多いです。しかし、自閉スペクトラム症の子はそのような罠に陥りやすいと思います。

 

 

(7)発達凸凹の子は小学生のうちから国語の文章題に取り組むことが必要


 小学生の国語の宿題は漢字に偏っています。

 

 また、小学校のテストは非常に易しく作られていて、「読解力の課題」が見えにくくなっています。

 

 このため、問題に気付かないまま中学校へ進学していきます。

 

 上記(2)~(6)の理由から発達凸凹の子どもは国語の文章題が苦手になりやすくなっていると思います。

 

 中学生になって苦労しないようにするためには、小学生のうちから国語の文章題に取り組むことが必要だと思います。

 

 八角形鎌田では、国語の文章題や作文にも取り組んでいきたいと考えています。