(1)感覚過敏と頭痛・腹痛
感覚過敏があると頭痛や腹痛を感じやすくなります。
痛みやそれに付随するあれこれでストレスも多く、不安や緊張も感じやすく、それらにより、頭痛、腹痛、肩こり、めまい、嘔気、下痢などの身体症状が生じやすいです。
このような場合、不安を軽減するような三環系抗うつ薬やSSRIが有効なことがあります。
また、認知行動療法やマインドフルネスが有効なこともあります。
(2)痛みを気にすると余計に痛みを感じやすくなる
痛みを意識するとそのことばかりが気になり、そこに神経が集中することで余計に痛みに対する敏感さが増し、苦痛が強まってしまいやすいです。
「大丈夫?」と痛みの有無を尋ねると、痛みに意識の焦点がうつってしまい、より痛みを感じやすくなってしまうかもしれません。
痛みから注意をそらすような対応が有効なことが多いと思います。
何かやることがあった方が緊張や不安、そして痛みは感じにくいと思います。
「頭痛があるから」「腹痛があるから」といって学校を休むことは痛みを感じる機会を増やすことにつながると思います。学校に登校している方が痛みは感じにくいと思います。
「痛みがあるから学校にいけない。だから、痛みを治してくれる医療機関を探す」という姿勢では、心因性の痛みはなかなかよくならないと思います。
痛みが身体的要因の大きな痛みなのか、心理的な要因の大きな痛みなのか判断することが重要だと思います。
心理的要因の強い痛みは、身体疾患の治療を行ってもなかなかよくならないと思います。
学校を休みがちな人は「起立性調節障害」を合併していることも多いですが、通常有効であるとされるメトリジンを内服してもなかなかよくなりません。
心理面へのアプローチが必要なのでしょう。