(1)出生数、過去最少を更新し75万8631人に

 

 去年1年間に生まれた子どもの数が、前年より5.1%減少し、75万8631人(速報値)となったことが判明しました。出生数は8年連続で減少しており、過去最少を更新しました。

 

 静岡県内の出生数は2万171人で、2022年に比べ7.4%減少しました。

 

 静岡市は8.2%減の3787人、浜松市は7.2%減の4844人でいずれも国の減少のスピードを上回っているのです。

 一方、去年1年間に死亡した人は、速報値で159万503人でおととしより8470人増えて過去最多となりました。

 

 

(2)結婚の件数も90年ぶりに50万組を下回り48万9281組に

 

 結婚の件数も減少しています。去年1年間の結婚の件数は速報値で48万9281組とおととしより3万542組、率にして5.9%減少しました。

 厚生労働省によりますと、50万組を下回ったのは、1933年の48万6058組以来、90年ぶりだということです。

 

 「日本では結婚して2年ぐらいたつと子どもが生まれることが分かっている。去年の婚姻数もおととしに比べて大幅に減っているので、2025年ごろには出生数がさらに大幅に引き下がる可能性がある」と専門家は予測しています。

 

 

(3)出生数が減るとどうなる?

 

 出生数が減ると人口が減り

①国の経済規模が縮小する

➁年金が維持できなくなる、あるいは年金が減額される

③高齢者や地方を支えきれなくなるか、財政が破綻する

 

①出生数が縮小すると、消費が落ち込み、国の経済規模が縮小します。国の経済規模が縮小すると税収が減り、財政破綻のリスクが大きくなります。

 

➁現在の年金は高齢者世代を現役世代が支える賦課方式を選択しているので、少子化が進むと現役世代が減り、高齢者を支え難くなっていきます。現在は給付水準を下げることを極力抑えて、積立金を取り崩しています。今後、年金額の減額か現役世代の負担増加の二者択一を迫られる時がくるでしょう。その時は現役世代の負担を増やすことは難しいので、年金額の減額になると思われます。

 

③高齢者は医療費や年金など社会保障費で支えていかなければなりません。

 

1970年には65歳以上の高齢者1人を15~64歳の現役世代が9.8人で支えていました。

 

2020年には65歳以上の高齢者1人を15~64歳の現役世代が2.1人で支えています。

 

2065年には65歳以上の高齢者1人を15~64歳の現役世代が1.3人で支えていくことになると予測されています。

 

 少子高齢化は現役世代の負担を増大させるのです。

 

 このようなことが分かっていたのに、最近まで国は少子化に対する対策を怠ってきました。

 

(4)少子化が進行した原因と対策

 

①結婚適齢期の人口が減少しつつある

➁晩婚化・晩産化の影響

③若年層の賃金が上がらずに子どもを持つ生活を支えることが難しい

④教育費の負担が大きい

⑤現状のジェンダーギャップのもとでは子育ての負担は女性に大きくかかってしまう。このような現状では子どもを持つという選択を取りにくい

⑥コロナ禍で婚姻数が減った

 

①に関しては、第二次ベビーブーム世代が就職難で苦しんでいた時に十分に支えなかったことが悔やまれます。

 

➁晩婚化・晩産化に対しては、子どもを産み、育てる間に仕事の上でのチャンスが減ってしまうマミートラックの問題を「国の今後を左右する問題」として、国主導で対応していくことが求められると思います。

 

③若年層の低賃金に対しては、企業内の分配の問題にも切れ込んでいく必要があると思います。それが難しいのなら、若年世代への再分配政策を積極的に行っていくべきだと思います。

 

④教育費の負担問題に関しては、先進国最低レベルの国の公的教育費の負担割合を上げていくしかないと思います。

 

⑤ジェンダーギャップの問題も解決しなければならない問題だと思います。特に地方においてジェンダーギャップが大きいので、若い女性は都会に出たがり、地方の少子化が進んでしまっているのだと思います。

 

 

(5)数値目標を掲げて、対策を行うべき

 

 数値目標を掲げて、不退転の決意で、少子化に取り組まないと日本に未来はないと思います。

 

 日本の人口はどうなるのでしょうか?

 

 静岡県の人口はどうなるのでしょうか?

 

 静岡市の人口はどうなるのでしょうか?