(1)自分のどんな能力を使って働くか?

 

 「働く」とは自分の能力を雇い主に買ってもらうことだと思います。

 

 「自分のやりたい仕事」があっても雇い主に自分の能力を買ってもらえなければ、働くことはできないのです。

 

 私は働くことを患者さんに意識してもらうために

 

「君は頭を使って働く?心を使って働く?体を使って働く?」

 

(2)「頭を使って働く」

 

 それぞれの仕事場で働く時、「仕事をこなす能力」が高い人は重用されると思います。

 

 「もともとの知的能力」「大学や専門学校などで学んだ知識」「資格」「経験」などが、「仕事をこなす能力」を高めるために必要だと思います。

 

 これらの能力を高めるためには、知的能力が高いことも必要ですが、学力を高めることも必要だと思います。

 

 高学歴(高学校歴)は「知的能力」が高いことの指標になりますし、難関資格を取るためには、一定水準以上の学力が必要だと思います。

 

 勉強することなしに、「頭を使って働く」ことは難しいと思います。

 

(3)「心を使って働く」

 

 「心を使って働く」とは「高いコミュニケーション能力を使って働く」ことと、「ストレスの多い場面でメンタルを保つ心の強さ」を想定しています。

 

 お客さん相手に成果を出すためにも、会社内でよりよく働くためにも、高いコミュニケーション能力は必要です。

 

 また、ストレスの多い場面でもメンタルをやられずに働き通せる、「心の強さ」が必要だと思います。

 

 

(4)体を使って働く

 

 建設現場などでは肉体的な体の強さが必要だと思います。

 

 建物外の仕事では寒暖差に耐えなければなりません。

 

 店員さんの仕事ではずっと立ち続けなければならない場合もあります。

 

 「強い体」が必要とされる職場もあると思います。

 

(5)発達に特性のある子は自分の強さと弱さを考慮に入れて将来を考えることが必要

 

 発達に特性のある子は自分の強さと弱さを考慮に入れて将来を考えることが必要だと思います。

 

 自閉スペクトラム症(ASD)の特性がある子はコミュニケーション能力が低いことが多いです。心の柔軟性や心の強さもないことが多いと思います。周囲の同僚とチームを組んで仕事をすることも苦手だと思います。

 

 ですから、ASDの特性がある場合は、頭を使う仕事をするか、体を使う仕事をするのかを考える必要があると思います。

 

「頭を使わない、心を使わない、体を使わない仕事」は必然的に収入が低くなってしまうと思います。

 

 ASDの特性があるのにあまり勉強しようとしない小学生、中学生は、

 

「将来自分のどんな能力を使って働くのか」

 

「その能力をどうやって鍛えていくのか」

 

などを真剣に考える必要があると思います。