(1)なぜ女性は浪人しにくいのか

 

 なぜ女性は浪人しにくいのかをテーマにした記事を目にしました。

 

 浪人する人は現在は非常に少数派だと思います。

 ただし、高い学歴を目指すには浪人を視野に入れますし、そこにジェンダーギャップがあればいろいろと考えなければいけない問題だと思います。

 

なぜ女性は浪人しにくいのか──「セカンド・トライ」のジェンダー格差 | 研究プログラム | 東京財団政策研究所 (tkfd.or.jp)

 

 

(2)日本における難関大学進学のジェンダーギャップ

 

記事の中に「旧帝大における出願者と入学者の女性割合」の表が載っていました。

以下に引用します。

 

出願者

     入学者

大学名

男性

女性

女性割合

男性

女性

女性割合

東京大学

7,234

1,855

20.4%

2,477

651

20.8%

京都大学

5,396

1,649

23.4%

2,277

665

22.6%

東北大学

5,733

2,101

26.8%

1,743

677

28.0%

北海道大

6,893

2,623

27.6%

1,730

684

28.3%

九州大学

5,525

2,167

28.2%

1,887

811

30.1%

大阪大学

5,004

2,497

33.3%

2,077

977

32.0%

名古屋大

3,464

1,755

33.6%

1,462

693

32.2%

注:大阪大学・名古屋大学の出願者データは前期日程のみ

 

 

国立大学全体でも35%程度、慶應義塾大学や早稲田大学も同程度の女性割合といいます。

 

日本と同じような試験で入学が決まる他の東アジアの国々を見てみても、東京大学のような最難関とされる大学で女性が2割に止まるのは日本だけだそうです。

 

中国の北京大学では男女比はほぼ半々、

韓国のソウル国立大学でも、女性は4割程度いるといいます。

 

記事の筆者は女子の浪人が少ない理由として、以下の4つの理由を挙げています。

1.難関大学に見合うリターンが得られない

2.リスクを回避し、自分の能力への自信が低い傾向

3.親や教師が女子よりも男子を高く評価する

4.受験への不安、プレッシャーを抱きやすい

 

(3)記事を読んで私が考えたこと

 

 私も女子は男子に比べて「難関大学に見合うリターンが少ない」ことが女子の浪人が少ない理由だと思います。

「浪人のデメリットやリスクが大きい」と言い換えた方がよいのかもしれません。

 

これは現在の日本の企業が、女性が働くことに対してあまり良い環境ではないために、中途での退職を余儀なくされる可能性が高いことが最大の要因なのだと思います。

 

ただし、浪人が多いのは日本だけの現象なのだそうです。

 

浪人をしなくてもすむ社会制度に変えていくことを模索するべきだと思います。

 

それには以下の2つの方向が考えられます。

①入試制度の変更

②就活における学校歴の過度の重視の修正

 

私は②の就活における学校歴の過度の重視を修正すれば、浪人してまで難関大学に入学しようとする人が減り、それがひいては日本全体にとってもプラスになるのではと思います。