(1)不登校に合併しやすい発達障害・精神疾患
不登校に合併しやすい発達障害・精神疾患
①適応障害
②不安障害(社会不安障害、小児の過剰不安障害、分離不安障害・強迫性障害・パニック障害)
③うつ病(大うつ病性障害)・気分変調性障害
④双極性障害
⑤身体表現性障害
⑥自閉スペクトラム症
⑦注意欠如多動症
⑧知的障害
⑨学習障害
⑩反抗挑戦性障害・素行症
⑪統合失調症
不登校の病院内学級卒業10年後の経過では
1.不安症群35%
2.適応障害群22%
3.身体化群18%
4.抑うつ群15%
5.その他10%
(この調査では⑥⑦⑧⑨の発達障害は調査対象から外れていると思われます)
(2)ひきこもりに合併しやすい発達障害・精神疾患
ひきこもりに合併しやすい発達障害・精神疾患は以下の通りです。
①統合失調症
②うつ病(大うつ病性障害)
③双極性障害
④不安障害
⑤自閉スペクトラム症
⑥注意欠如多動症
⑦知的障害
⑧学習障害
⑨パーソナリティ障害
⑩身体表現性障害
青年期ひきこもり29例の調査
発達障害圏13例(発達障害10例、知的障害3例)
不安障害圏9例(社交不安障害4例、強迫性障害3例)
パーソナリティ障害4例
統合失調症圏4例
双極性障害1例
(3)不登校やひきこもりには発達障害や精神疾患が合併しやすい
不登校やひきこもりには発達障害や精神疾患が合併しやすいと言われています。
統合失調症・うつ病・双極性障害はもちろんのこと、不安障害に対しても薬物療法を考慮すべきだと思います。
不登校における、自閉スペクトラム症や注意欠如多動症などの発達障害合併時には発達障害としての対応をした方が再登校に導ける可能性が高まると思います。
不登校に学習不振が関与している場合の注意欠如多動症事例には薬物療法の開始によって、学力状況が改善し自信が回復し、再登校に導ける場合があります。
ひきこもりの場合の、発達障害や知的障害事例は、手帳(精神障害者保健福祉手帳・療育手帳)の取得で就労移行支援や就労継続A・B事業所への通所や、障害者雇用での就労などの可能性を拡げることが出来ます。
不登校やひきこもりには発達障害や精神疾患が合併しやすいことを常に頭に入れて、問題をできるだけ早期のうちに改善するように試みることが大切だと思います。