(1)45分間座って授業を受けるのが難しい子

 

 ADHDやASDの特性があり、45分間座って授業を受けるのが難しい子がいます。

 

 授業中に飽きてしまい、席を離れることがあります。手いたずらをしたり、絵を描いたり、授業とは関係のない本を読んだりすることもあります。学力が十分に身につかないことがしばしばあります。

 

 授業中の離席があると、クラスの「まじめに授業に取り組む」という雰囲気を壊します。

 教室の外に出て行ってしまったりすると、先生は対応に忙殺されることになります。そうすると他の子どもたちはほっておかれることになります。

 

 

(2)知的障害ではないのに、「知的障害学級」に在籍する子

 

 授業中に座っていることが難しそうなお子さんでも、入学前に就学先を検討することなく通常学級に入学することがほとんどです。そして、「授業中の離席」「授業に集中できず、手いたずら・お絵描き・授業に関係のない本を読む」などの行為をすることからやっと特別支援が始まります。その間に学力低下が進行し、学年相応の学力を身につけるのが困難になり、IQが低くないのに知的障害学級に転籍する子もしばしばいます。知的障害ではないのに、知的障害学級に在籍することになるのです。このような子を見るたびに、「もう少し早く特別支援を開始できなかったのか」と思います。

 

 

(3)「自閉症・情緒障害学級」への入学は?

 

 このような事例では、入学時の段階で「自閉症・情緒障害学級」への入学を検討すべきではないでしょうか?

 

 自閉症・情緒障害学級では、その子の特性や状態に合った学習内容に変更することが、通常学級に在籍している時よりも容易に行えるでしょう。

 

 そうなれば、知的障害ではないのに知的障害学級に在籍する子は減るでしょうし、通常学級において学力不振に苦しむ子も減るはずです。

 

 問題が深刻化してから特別支援学級への転籍を考えるよりも、問題が深刻化しないような対応を選択すべきだと思います。

 

 保護者の皆さん、「お子さんの将来にとってより良い道を選択してください」

 

 

 

(4)入学前に療育的な対応の積み重ねを

 

 お子さんの特性や状態を幼稚園・保育園時代に把握し、必要な療育を幼児期に開始すれば、トラブルは生じないかもしれません。

 

 そのためには早期に園や進学予定の学校に相談したり、医療機関への受診が必要だと思います。

 

 「座って話を聞く」ことの練習のために、本の読み聞かせを積極的にしたり、習い事に通ったり、児童発達支援に通ったりなどを積み重ねるとよいと思います。