(1)「ルシファーさん」とは
「ルシファーさん」は「東京大学理科III類に9浪の末に合格し、大学は留年せずに卒業したものの、医師国家試験は5浪目に突入している」という経歴を持っている方です。
小学生で不登校、全国トップクラスの中高一貫校に進学するも、中学生でも不登校、高校1年生で高校中退、浪人時には空白の6年間(引きこもり生活を送っていたらしい)、など精神的に不安定な日々を送っていたようです。これらは中学生の時に診断されたアスペルガー症候群の特性が影響していたと考えられます。
知的能力の高さは本人の力になるけれど、一定レベルのソーシャルスキルがないと人生はままならないことを彼の人生は物語っていると思います。
ルシファーさん | ADHDの小児科医が伝えたいこと (ameblo.jp)
(2)自称アスペルガーのルシファーさん、今年も医師国家試験に不合格
今回国試浪人5年目に突入したルシファーさんですが、なんと今年も医師国家試験に合格できなかったようです。
現役時:30点以上足りず
1浪時:模試の結果が悪く、メンタルをやられ、国家試験を受験せず
2浪時:9点差で不合格
3浪時:11点差で不合格
4浪時:4点差で不合格
合格まであと一歩のところまで来ていたので、今年こそは合格すると思っていたのですが。
東大理3ルシファー 117回医師国家試験 合格発表の全貌 「真の敵は日本国 邪道には正道で 二刀流で人類の未来の為に戦います」 - YouTube
(3)なぜルシファーさんは国家試験に落ち続けるのか?
ルシファーさんが医師国家試験を落ち続ける理由を考察したサイトがありました。
東大医学部卒のルシファーこと金子裕介氏が医師国家試験に落ち続ける理由 - Togetter
それによると、
「Twitter中毒。約5年間で36万ツイート、1日平均195ツイート。これは8時間寝て16時間起きてるとすると、起きてる間5分に1回ツイートしてる計算になる。そんな生活を5年間。」
SNSの不適切な使用例だと思います。SNSを我慢できなかったのでしょうか?
また、
「やはり数学とか東大模試をやって、自信を回復させながら国試をやるのがいい。」
「みんな勘違いするな。 東大模試をやっているのも実は国試のためだ。 昔の国試模試であまりにも自信を失ったから、東大模試で自信を回復させているのだ。」
などの投稿もあるようです。過去において、あまりに医師国家試験の模試の成績が悪く、メンタルをやられてしまったことがあったので、自信を回復させるために、東大模試を受けたり、数学の問題を解いたりしているようなのです。
しかし、自分の自信回復にはなるかもしれませんが、医師国家試験の合格可能性が上がるわけではありません。ある種の現実逃避だと思います。国家試験の勉強をやってこそ、合格に近づくことが出来るのだと思います。今やるべきことを考えるべきです。
ルシファーさんが国家試験に落ちたり、妥当性に欠ける言動や行動をすると自閉スペクトラム症や発達障害全体にネガティブな印象を持たれかねないと心配します。ルシファーさんには賢明な行動を選択してほしいな、と思います。
そして、「発達特性の問題ではなくて、必要なスキルを身につけずに社会にでてしまったことが問題である」ことを多くの人に分かってほしいと思います。
(4)ルシファーさんの言動や行動を他山の石として
ルシファーさんほど顕著ではないかもしれませんが、SNSやゲームにハマってしまい、勉強に向き合えない受験生はいると思います。
また、今年の東大生の医師国家試験の受験結果は以下のような結果でした。
出願数 受験者数 合格者数 合格率
新卒 120 116 110 94.8%
既卒 14 14 8 57.1%
総数 134 130 118 90.8%
優秀な頭脳を発揮して、東大医学部に進学しても(理IIIだけでなく、理IIからの進学者も含まれます)、医師国家試験に合格できない人もいるのです。彼らはどのような理由で合格できなかったのでしょうか?
18歳の時の優秀な人が無条件に24歳の時に優秀であるとは必ずしも言えないのかもしれません。
逆に18歳の時には優秀ではなくても、22歳あるいは24歳の時に優秀である学生もいると思います。彼らを正しく評価する社会であってほしいと思います。