(1)静岡県の高校入試は内申書が過度に重視される
静岡県の高校入試において、内申書と当日の学力テストとでは内申書の比重が非常に大きいことが特徴とされています。
このことはメリットとデメリットを生んでいます。
内申書重視入試のメリット・デメリットについて考えてみたいと思います。
今日はデメリットについてです。
内申書重視入試のメリット・デメリット(メリット編) | ADHDの小児科医が伝えたいこと (ameblo.jp)
(2)内申書重視入試のデメリット
内申書重視入試のデメリットには以下のような点が挙げられると思います。
①先生の主観が入試結果に反映しやすくなる
②内申書の内容が決まった段階で合否が半ば決定し、受験当日の逆転が期待しにくくなる
③内申書の内容が決まった段階で、合格の可能性が高い場合は、以後の受験勉強が緩んでしまう可能性がある
④実技教科のウェートが相対的に高くなる
⑤人気のない高校にも生徒が流れやすく、学校の改善が進みにくくなる
(3)先生の主観が入試結果に反映しやすくなる
最大のデメリットは、内申書は意欲や態度という先生の主観に基づく判断が一定のウェートを占めるようになり、先生の主観が入試結果に反映しやすくなることだと思います。
先生に好印象を持たれている生徒に有利で、先生の印象がよくない生徒にとっては不利であることは否めないと思います。
先生は公平に成績(内申書)をつけるように努めるのでしょうが、思うような成績を取れなった生徒は、「自分は正当に評価されていない」との不満を持ちやすくなると思います。
「人生(入試結果)が先生の主観で左右されてしまう」
このことは中学生やその親にとって不満であり、恐怖であると思います。
(4)受験当日の逆転が期待しにくくなる
内申書で受験結果が大きく左右されると、受験当日の逆転が期待しにくくなります。
内申書がよくない生徒にとっては、学力検査の逆転を期待できにくくなるので、苦しい戦いを強いられます。
(5)内申書がいい生徒は、以後の受験勉強が緩んでしまう可能性がある
内申書がいい生徒は、以後の受験勉強が緩んでしまう可能性があると思います。
受験当日の結果次第で合否が左右されると、受験生にとってストレスではありますが、その状況を乗り越えるために必死で勉強するでしょう。これは中学生にとって、試練ですが、成長の糧にもなり得ると思います。
受験結果に不安がないと「必死で勉強する」という経験を持ち得なくなると思います。
(6)実技教科のウェートが相対的に高くなる
学力テストの比重が高いと、入試における、主要5教科、あるいは3教科の影響が相対的に大きくなります。
内申書の比重が大きいと実技教科の比重が相対的に大きくなります。
実技教科は音楽などに端的に表れていますが、小さい頃にピアノなどを習っていた人などは有利であり、才能や環境に大きく左右されやすいと思います。教科の特性として、先天的に恵まれた人に有利であり、そうでない人には不利であるのではないでしょうか。
また、高校での学校生活は実技科目の比重が相対的に低くなります。実技科目の好成績によって、学力面での不利を補って進学した生徒は、高校の学習についていき難いのではないでしょうか?
(7)人気のない高校にも生徒が流れやすく、学校の改善が進みにくくなる
内申書の結果で合否が決まりやすくなるため、内申書の結果がよくないと志望先の変更を行う人が増えます。人気のある高校から人気のない高校への志願先の変更が起こりやすくなります。
そのため、不人気高校でも一定数の生徒を集めやすくなり、生き残りをかけた学校変革が起こりにくくなると思います。
不人気高校が改善されないまま残ることになることは、生徒たちにとってよいことなのでしょうか?
(8)高校受験システムを再検討する必要があるのでは?
「静岡の高校生はあまり勉強しない」と感じることが多いです。
進学校でも下位の生徒はそうですし、進学校ではない高校では上位の生徒でも必死になって勉強するのは高校3年生になってからが多いように思います。
勉強をする、しないは各個人の自由ですが、勉強を熱心にしないことによって、各人将来の可能性が広がらないのは残念ですし、地域の活力も損なうと思います。
静岡の高校生があまり勉強しないのは、内申書重視入試にも一因があるように思えてなりません。
内申書重視入試はメリットもあるけれどデメリットもあると思います。
受験システムを再検討する必要があるのではないでしょうか?