(1)月曜日に学校を休みがちな中学生

 

 月曜日に学校を休みがちな中学生がわりといます。

 

 頭痛や腹痛を訴える場合

 朝起きられない、起きようとしない場合

 「とにかく学校に行きたくない」とだけ言う場合

 

 理由は様々です。

 

 月曜日に休んでも火曜日以降には学校に登校できると、そのまま様子を見る場合が多いと思います。

 

 しかし、月曜日を中心に断続的に休んでいたのが、休む日数が増えていき、連続して休むようになったり、いきなり連続して休むようになってしまう場合もあります。連続的に休むようになってからの回復は困難です。

 

 頭痛や腹痛を訴える場合にしても、月曜日の訴えが多い場合は心理的な要因の関与が大きいと考えられます。体の病気の場合は曜日に関係なく症状が出現することが多いからです。土曜日や日曜日の日中には症状がほとんど認められず、月曜日の朝や日曜日の夜に症状が増悪するような場合は心理的な影響が大きいと考えられます。学校に行きたくない理由、家にいたい理由があるのでしょう。このような場合には、薬物療法だけでは症状が改善しないことが多いのではないでしょうか?

 

 身体疾患のみで朝起きられずに学校を休むことはほとんどないと思います。「起立性調節障害」の場合は朝起きにくいですが、起こしたら何とか起きますし、心理面の問題がなければ学校には登校します。また、血圧を上げる作用の薬を飲むと症状は改善することが多いです。昇圧剤などの効果があまり感じられなかったり、学校を休んでしまう場合には心理面の問題が背景にあることがほとんどだと思います。

 

 心理的な問題が背景にある場合には、早めに心理的なアプローチを行っていくことが必要だと思います。

 

 

(2)学校に行きたくない理由と家にいたい理由

 

 学校に行くのか、行かないのかは、学校に行きたくない理由と家にいたい理由のそれぞれの合算によって決まってくると思います。

 

「同級生にいじめられた」

「先生に傷つけられた」

「先生との相性が悪い」

など、本人がいいやすい理由、家族がみとめてくれるような理由については本人も話すことが多いでしょう。しかし、正当性を欠くような理由や話したくない理由については話そうとしないことが多いと思います。

 

「クラスでの居場所がない」

「クラスに友達がいない」

「友達に無視されている」

「『陰キャ』扱いされている」

「宿題がたまっていて、提出を求められている」

「音楽のテストで人前で歌を歌うのが嫌」

「授業が分からない」

「授業がつまらない」

「授業が飽きてしまい、授業時間が耐えられない」

「家でごろごろしていたい」

「家でゲームをしていたい」

などの理由の場合は、口にしても、「そんな理由なら学校に行きなさい」と言われるのがオチなので、口にしなったり、意識下に押し込めてしまうのだと思います。

 

本人が口にする理由だけで判断すべきではないと思います。

 

何が理由なのか、わからないことも多いのですが、本人が自分の問題と向き合うことが必要だと思います。

 

 

(3)どう対処すればいいのか?

 

 明快な理由を言わない場合は、登校を促してもよいのでは、と思います。

 ただし、登校を促しても、登校できない場合も多いと思います。

 

 週末に夜遅くまで起きていたり、朝遅くまで寝ていると生活リズムが崩れ、朝起きにくくなります。月曜日に学校を休みがちな場合は、土曜日や日曜日の生活を基礎正しくするように働きかけた方がよいと思います。

 

 家の居心地がよすぎると登校しにくくなります。不登校は将来のことを考えなければ夏休みのような状態だと思います。ある意味では快適な生活といえるのかもしれません。

 

 登校が安定しない状態では、ゲームをする時間・動画を見る時間・ネットを使用する時間・テレビを見る時間等は制限するか、禁止した方がよいと個人的には思います。本人が納得できるかが問題ですが・・・。本人が納得できないようなら、ゲームを取り上げたり、WiFiの電源を切ったり、スマホを解約するなどの対応をすることも検討してみてもよいかもしれません。