(1)金岡千広とは

 

 金岡千広と国公立大学で旧帝大に次ぐ総合大学の一群です。

 

 金沢大学、岡山大学、千葉大学、広島大学の4大学が入試難易度、大学の研究実績、就活実績等から同レベルと評価されているので、頭の漢字をつなげて、「金岡千広」と呼ばれています。

 

【地方国公立なのに...】金岡千広の残念な就職事情とは? | 金沢大学,岡山大学,千葉大学,広島大学 【就活:学歴】 - YouTube

 

【国公立が私立にボロ負け!?】不遇な「5S」本当の就活実態とは? | 5S,埼玉大学,信州大学,新潟大学,静岡大学,滋賀大学,MARCH,関関同立,旧帝大【就活:学歴】 - YouTube

 

 

(2)金岡千広が地方国立大学の中で抜きんでいている理由

 

 各大学の中で医学部は歴史も古く、研究費も多く、中心的な役割を果たしていることが多いです。医学部のランクとして、7つの旧帝国大学に次ぐ存在として、歴史の古い6つの医学部が「旧六医大」として並び称されています。この「旧六医大」に属している大学医学部が千葉大学、金沢大学、新潟大学、岡山大学、長崎大学、熊本大学なのです。金岡千広は広島大学を除いて「旧六医大」に含まれています。「旧六医大」はすべて後述の一期校に属しています。

 

 共通テストの前身である、「大学共通一次学力試験」が導入される前は、国立大学の各大学ごとに行われた入学試験は、一期校と二期校の2つの区分に分けられ、一期校は3月上旬、二期校は3月下旬に入試日程が組まれていました。

 

 2つの区分に分けることで大学進学者が首都圏、有名校へ集中することを防ぎ、大学進学者の間口を広げることを意図していたとされていましたが、概ね一期校には旧帝国大学を含む比較的歴史のある大学が中心、二期校は学制改革後の新制大学を中心に偏って指定されたため、一期校が格上、二期校が格下、という序列が形成されました。

 

 「金岡千広」や「5S」などの大学の中では、金沢大学、岡山大学、千葉大学、広島大学、新潟大学が一期校、静岡大学、埼玉大学、信州大学、滋賀大学が二期校でした。

 

 他には東京工業大学、一橋大学、筑波大学、神戸大学、長崎大学、熊本大学、岩手大学、鳥取大学、徳島大学、高知大学などが一期校、電気通信大学、東京外国語大学、東京医科歯科大学、東京農工大学、横浜国立大学、名古屋工業大学、京都工芸繊維大学などが二期校でした。

 

 国立大学の学生定員では、広島大学8位、千葉大学9位、岡山大学11位、金沢大学20位と金沢大学を除いて、比較的規模の大きい大学が多いです。

 

 ただし、新潟大学10位、信州大学14位、静岡大学17位と規模は金沢大学よりも大きくても評価が相対的に低くなってしまっている「5S」もあります。

 

 地域の学力も千葉、広島、金沢などの地域は高く、岡山もそれなりだと思います。

 

 これらの歴史的経緯、定員、地域の魅力、地域の高校生の学力等の総和が大学の評価なのだと思います。

 

 

(3)静岡大学が「金岡千広」に追いつくためには何が必要か?

 

①静岡県の子どもたちの学力を上げること

②静岡大学の学生が大学入学後も必死に勉強して、有名企業就職率や国家公務員総合職の合格率を向上させ、世間の評価を上げること

③静岡大学と浜松医科大学、そして可能なら静岡県立大学との合併を目指すこと

 

などのことをすれば静岡大学が「金岡千広」に追いつくことは可能だと思います。

 

①静岡県の子どもたちは、金沢大学・広島大学・岡山大学に入学できる学力があっても、静岡大学に進学する可能性が高いと思います。

 

 静岡県の子どもたちの学力が上がれば、静岡大学の入試偏差値も上がると思います。入試偏差値が上がると、それにつれて企業の評価や世間の評価が上がると思うのです。

 

②広島大学や岡山大学は国家公務員総合職の合格者が多いです。そのことも「金岡千広」の評価が高い一因になっていると思います。有名企業就職率や年収などのデータも大学の評価を高める要因です。これらを高めるためには、大学時代にもしっかりと勉強する必要があると思います。

 

 しっかりと勉強をした学生に独自の奨学金を出すなどの対応はできないでしょうか?

 

③静岡大学、浜松医科大学、静岡県立大学が合併したら、医学部、薬学部、理学部、農学部、食品栄養科学部など生命科学に強い学部が揃います。これらに工学部や情報学部が絡めば、生命科学や健康関連産業に大きなインパクトを与えることができると思います。

 

 静岡は薬品関連や医療機器の出荷額が全国トップクラスの県です。これらの産業を支える強力な大学を作るべきだと思います。

 

 静岡大学と浜松医科大学を合併させて、静岡地区の大学と浜松地区の大学に分ける案が出ているようですが、このような縮小均衡策は好ましくないと思います。