(1)司法試験と2つのルート
司法試験に合格するためには2つのルートがあります。
最も一般的なのは法科大学院に入学するルートです。大学卒業後、法学部卒業者は2年、法学部以外の者は3年の間、法科大学院で学び、修了することで司法試験の受験資格を得るルートです。法科大学院の授業料と2~3年の時間が必要になります。
法科大学院を経ないで、予備試験に合格することで司法試験の受験資格を得るルートもあります。予備試験は合格率が3~4%の非常に難易度の高い試験です。しかし、大学在学中から受験可能で、法科大学院の費用をかけないですむので予備試験を受ける人が増加しています。
(2)大学別2021年予備試験の合格者数と合格率
合格者数 受験者数 合格率
1.東京大学 99人 765人 12.9%
2.慶應義塾大学 50人 782人 6.4%
3.早稲田大学 29人 732人 4.0%
4.中央大学 26人 939人 2.8%
5.一橋大学 22人 175人 12.6%
5.京都大学 22人 312人 7.1%
7.大阪大学 9人 157人 5.7%
7.同志社大学 9人 234人 3.8%
9.名古屋大学 5人 72人 6.9%
9.神戸大学 5人 124人 4.0%
11.明治大学 4人 284人 1.4%
12.千葉大学 3人 74人 4.1%
12.東北大学 3人 116人 2.6%
14.東京外国語大学 2人 25人 8.0%
14.広島大学 2人 38人 5.3%
14.大阪市立大学 2人 60人 3.3%
14.九州大学 2人 110人 1.8%
14.北海道大学 2人 138人 1.4%
14.法政大学 2人 154人 1.3%
14.立命館大学 2人 192人 1.0%
21.ハーバード大学 1人 2人 50.0%
21.大阪電気通信大学 1人 2人 50.0%
21.明海大学 1人 2人 50.0%
21.信州大学 1人 9人 11.1%
21.新潟大学 1人 17人 5.9%
21.香川大学 1人 19人 5.3%
21.熊本大学 1人 24人 4.2%
21.成蹊大学 1人 29人 3.4%
21.創価大学 1人 35人 2.9%
21.國學院大學 1人 38人 2.6%
21.青山学院大学 1人 82人 1.2%
21.立教大学 1人 83人 1.2%
21.上智大学 1人 90人 1.1%
21.関西大学 1人 122人 0.8%
21.日本大学 1人 169人 0.6%
(3)入試難易度と予備試験
上智大学やMARCHは一流大学と一般には言われています。
しかし、上智大学や青山学院大学や立教大学には法学部があるのにそれぞれ1人しか予備試験に合格者を出していませんし、合格率も1.1%、1.2%、1.2%と一流大学としては寂しい数字になっています。
明海大学や創価大学はFラン大学とみなされることもあります。たまたま2021年に優秀な学生がいただけなのかもしれませんが、それぞれ合格者を出していますし、合格率は上智大学・青山学院大学・立教大学より高くなっています。(明海大学はたまたま優秀な学生が1人いただけだったのかもしれませんが・・・)
静岡大学や常葉大学もこの表に名前を連ねて欲しいと思うのですが・・・。
入試偏差値だけで大学の評価をするのは妥当なのでしょうか?
大学に入ってからどれだけ勉強するかが重要なのではないでしょうか?
司法試験の予備試験は法学部の学生がどれだけ勉強しているかの指標になると思います。
今後もこの指標を注視していったらどうでしょうか?
東京大学や一橋大学は流石です。
早慶と称されていますが、合格率から言えば慶応大学の方が明らかに上だと思われます。
国公立大学と私立大学とでは国公立大学の方が合格率は高いことが多いように思います。
このことは何を意味するのでしょうか?