(1)偏差値は現段階の人気のバロメーター
予備校や模擬試験を実施する会社の出す偏差値は、現在の高校生の考える大学の人気と難易度を表していると思われます。河合塾の偏差値を参考にして、現在の人気と難易度を考えてみましょう。
2021年入試と2022年入試の常葉大学の河合塾模試ボーダー偏差値のデータが得られました。ほとんど変化はありませんが、いくつかの学科ではボーダー偏差値が上がっています。それだけ常葉大学に対する高校生の評価が高く、人気が上がっているのだと思います。
常葉大学 | ボーダー得点率・偏差値 | 河合塾Kei-Net大学検索システム (keinet.ne.jp)
(2)教育学部
初等教育(3教科型)50.0→50.0
生涯学習(3教科型)40.0→42.5
心理教育(3教科型)42.5→45.0
各専攻によって取得できる資格が異なるようです。
小学校の教員免許を取れるのが、初頭教育課程なので、この課程の人気と偏差値が高いとようです。以前に書きましたが、常葉大学の教員採用試験の合格数は静岡大学と遜色がないようです。
生涯学習学科では中学校や高校の保健体育の先生の免許は取れますが、保健体育の先生は狭き門です。そうするとなかなか大学で学んだ内容を就職に生かすことは難しいかもしれません。他に社会教育主事・司書・学芸員の免許も取れますが、これらもいずれも就職は狭き門だと思います。
心理教育学科では大学院への進学するか、一定の実務経験があれば認定心理師の試験の受験資格が得られるようです。ただし、この資格を生かした就職口は狭き門だと思います。
(3)外国語学部
英米語学科(3教科型)42.5→45.0
グローバルコミュニケーション学科(3教科型)42.5→45.0
英米語学科では中学校や高校の英語の先生の免許は取れます。ただし、中学校の先生の教員採用試験は狭き門です。グローバルコミュニケーション学科では取れる教員免許はありません。
(4)保育学部
保育学科(3教科型)35.0→35.0
保育学部では幼稚園教諭の免許や保育士の免許が取れます。
小学校の先生の免許が取れる、教育学部初等教育家庭の偏差値が50.0で、幼稚園教諭や保育士の免許の取れる保育学部の偏差値が35.0なのは、現状の就職状況を反映していると思われます。
子どもが好きな人が目指す職業であり、いずれも子どもにとっては大切な職業だと思います。しかし、現状の待遇は両者間で異なり、それが高校生の志向や人気に影響を与えているのだと思います。
将来何を目指すか?
仕事のやりがいを大切にするか?待遇を大切にするか?
これらのことをよく考えて目指す仕事を考えるべきであり、受験する学部を決めるべきだと思います。
(5)健康科学部
看護学科(3教科型)45.0→45.0
静岡理学療法学科(3教科型)40.0→40.0
看護学科は看護師の受験資格が得られます。
看護師国家試験の新卒合格率は例年95%前後です。1回以上落ちた人の合格率が30~50%程度に落ちるので、全体の合格率は90%前後になってしまいますが、新卒に限れば、落ちる人は20人に1人程度です。
就職先を探すのに苦労はせず、収入も高いほうです。
考慮すべき職業であり、学科だと思います。
理学療法学科は就職先がみつかるかどうかだと思います。
(6)法学部
法律学科(3教科型)40.0→45.0
ボーダー偏差値がだいぶ上がりました。
在籍しているだけで取れる資格はありませんが、公務員を目指すのなら一番試験内容に近いことを学ぶ学科だと思います。
(7)経営学部
経営学科(3教科型)45.0→47.5
常葉大学では教育学部初等教育専攻につぎ、二番目に高いボーダー偏差値です。
高校の商業の教員免許を取得することが出来ます。
高校の商業の教員免許を取得することが出来ます。
(8)健康プロデュース学部
健康栄養学科(3教科型)37.5→35.0
こども健康学科(3教科型)35.0→35.0
心身マネンジメント学科(3教科型)35.0→37.5
健康鍼灸学科(3教科型)35.0→35.0
健康柔道整復(3教科型) →BF
健康栄養学科は栄養士の資格を取ることができます。
こども健康学科は幼稚園の教員免許や保育士を取得することが出来ます。
心身マネンジメント学科は中学校・高校の保健体育の教員免許を取得することが出来ます。
(9)保健医療学部
理学療法(3教科型)37.5→40.0
作業療法(3教科型)35.0→35.0
(10)社会環境学部
社会環境学科(3教科型)45.0→47.5
社会環境学科は中学校・高校の理科の教員免許を取得することが出来ます。
(11)造形学部
造形学科(3教科型)35.0→37.5
造形学科は中学校・高校の美術の教員免許を取得することが出来ます。
(12)資格は就職に直結していない
各学部でいろいろな資格が取れます。
資格が取れるからといって、就職には必ずしも直結するとは言えないと思います。
教育学部心理教育学科では大学院への進学するか、一定の実務経験があれば認定心理師の試験の受験資格が得られるようですが、この資格を生かした就職口は狭き門だと思います。
造形学科が中学校・高校の美術の教員免許を取得することが出来るからといって、中学校や高校の美術の先生の就職は非常に狭き門です。
ある意味就職に直結する資格を取れたり、就職に有利な学科ほど偏差値が高く、そうでない学科ほど偏差値が低いといえる傾向があります。
常葉大学は上は50.0から下はBF(Border Free)まで各学科の偏差値が広い範囲に分布しています。
学ぶ内容が魅力的でも就職しやすいか、どうかはしっかりと考えておいた方がよいと思います。自分の興味だけでなく、その職業の実現可能性がどれぐらいなのかは調べておいた方がいでしょう。。